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「少しは反省できた?」

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「寒い…」

玄関のドアから漏れる隙間風が、わたしの身体を煽り、通り過ぎていく。
固い石造りの床は“素っ裸”の肌を冷たく歓迎し、ガクガクと震える原因を作り出していた。

そんな中、真っ赤に腫れたお尻だけはその冷たさを受け入れており、無数の手形の痛みを少しだけ忘れさせてくれる。

…この姿勢になってから、かれこれ1時間が経つ。

きっかけは些細なことだった。

5教科のうち、3教科が赤点の期末テストを母に見せた瞬間、わたしを叱る声がリビングに響き渡った。

「中間テストの時、あれだけお仕置きしてあげたのに、この点数は何っ!?」

「普段から予習復習をしっかりしなさいって、何度言ったらわかるのっ!!」

耳が痛くなるようなお説教を長々と浴びながら、わたしはただ涙を流し「ごめんなさい…」と返事することしか許されていない。

「もういいわ、そのだらけきった根性を叩き直してあげます。着ている服を全部脱いで、四つん這いになりなさい」

小一時間続いたお小言が終わると、母は腕をまくり、その腕を振る動作をした。

当然、わたしに許されているのは「わかりました…」という返事だけだ。

汗の臭いを吸い込んだ運動着が身体から離れ、日々の外部活で焼かれた褐色の素肌が晒されていく。
より臭いのこもった靴下・ブラ・パンツを脱ぐと、言われた通り、四つん這いの姿勢になった。

日々のお仕置きで大きくなったお尻はもちろん、産まれたままの姿を隠すことも出来ず、わたしの口からは嗚咽が漏れ出る。

「そんなに恥ずかしいなら、初めから言われた通りにすればよかったのよ」

そんなわたしを許すはずもなく、母の無慈悲な言葉が震える身体を追い詰めていった。

すぐ隣からは、脱いだ服の汗の臭いがわたしに惨めさを与えてくる。

「じゃあ、始めるわよ」

手を振り上げた母からの“躾”は、1時間に渡り続けられるのだった。



「少しは反省できた?」

それから“反省の時間”を通し、今に至る。

ようやく泣き止んだわたしがチラッと振り向くと、そこには“布団叩き”を持った母が立っていた。

その姿を見ただけで、わたしは自分の“これから”を察し、目から光が消えていく。

「…はい、反省しました」

「そう、なら“仕上げ”のお仕置きをするからリビングに来なさい」

これだけ叩かれたお尻を見ても、まだ許す気がないらしい。

だが、わたしに許された返事は、やはり1つしかない。

「…はい、お母さん」

……痛々しい尻を叩く音は、それから“2時間”に渡り、鳴り止むことはなかった。


「完」
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