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お尻の子

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“厳しいお仕置き”を与えられるのが一般的なこの世界。

わたしは小さなアイドルとして生き、お金を稼いでいた。

そんな世界だからか、キラキラしたアイドルとは別に、“お尻役”というアイドルが存在していた。

その役になった子は、お尻叩きがメインのドラマや、その類の企画ものに出演させられ、お仕置きシーンで使われている。

主にキラキラしたアイドルのオーディションで“落ちた子”の中から何人かへ、その役のオファーがかかることが多い。

親たちは自分の子が“形だけでも”アイドルになれるならと、大半が契約書にサインをするのだ。

…子供側の意思を確認することなく。

……わたしの親もその口だった。

キラキラしたアイドルの子達が歌やダンスのレッスンをするのに対し、“お尻役”は部屋の隅で下半身裸になり、正座でその様子を見せられていた。

「歌詞を間違えた」「今の振り付けにキレがなかった」
キラキラした子達がミスをするたび、わたしが尻拭いをする必要がある。

先生はその子に軽く注意をした後、わたしの元までやってきた。
その手に使い古された“ケイン”を持って。

「みくちゃん、姿勢を取りなさい」

「…はい」

痺れる足を立たせ、壁に手をつくと、足を肩幅に広げ、お尻を高く突き出した。
そのお尻から太ももまでは、すでにケイン型の痣がびっしりと浮かび上がっている。

「あの子は今日2回目のミスです。気持ちが足りないみたいだから、ケイン打ち40回、あの子に見せなさい。」

「ぐすっ…はい、ゆいちゃんっ!みくのお仕置き、しっかりと見ててくださいっ!」

「はーいっ、じっくりみてまーす」

クスクスクス

周りからの笑い声が、わたしの耳に届く。
今わたしの“恥ずかしい所”は、あの子達に丸見えだろう。

ビュッ ビッヂィィンッ!!

「い゛、いっがぃぃっ!おじおぎっ!…ありがどぉございますっ!!」

中には“その様子”見たさに、わざと間違える子もいて、その子達の嘲笑の的になっていた。



そんな日々を送る中で、わたしの親に1本の仕事の電話が届いた。

今回は廃校で“ケイドロ”をするという企画らしいが、きっと“まともなもの”ではないだろう。

これまでに出演した企画は、どれも“理不尽なお仕置き”を与えられるものばかりだったから。

親はわたしに確認するまでもなく、二つ返事で出演を了承した。

それから日程と場所が伝えられ、その時間に間に合うように親の車で向かうらしい。

…キラキラした子達と違い、お尻役の子にバスでの送迎はない。

「みくがあの時、オーディションに受かっていれば…」

仕事が入るたび母から言われる愚痴に、わたしは心の中でため息をついた。



「来栖みくですっ!今日はよろしくお願いしますっ!」

撮影の日。
母からの送迎で現地についたわたしは、監督さんやスタッフさん達に挨拶をする。

普段から愛想を振り撒き、少しでも“マシな役”をもらえるように努力することは、とても大切なことだ。

「し、柴崎ななみです、…よろしくお願いします」

一通り挨拶を済ませると、共演者と思われる子がわたしに挨拶をしてきた。

「え、…ななみちゃん?……久しぶり」

予想外の人物が現れ、わたしは驚きを隠せなかった。

ななみちゃんは、もともとキラキラしたアイドル側の子だった。
だが周りの子達に埋もれ人気が伸びず、とうとう“お尻役”にまで落ちてしまう。

その後の数ヶ月間は、事務所と家庭から“厳しいレッスン”が与えられたと噂で聞いていた。

「まさか、ななみちゃんと共演だなんて思わなかったよ」

「その…“お尻役”としては今回が初めてで、……みくちゃんのレッスンの時みたいに上手くできるかわからないけど……ちゃんとやんないとまた“お仕置き”されちゃうし…」

…1年前のレッスン時、ななみちゃんは“わざと間違える子”の1人だった。

レッスン中はもちろん、終了後にわたしのパンツをゴミ箱に捨てたりする嫌がらせをしてきた女の子。

今日は“お尻役”として初めての撮影みたいだ。

キラキラしていた時と違い、オドオドした様子になったななみちゃん。

……これは、“チャンス”かもしれない。

かつてのいじめっ子を前にして、わたしの中に“小さな復讐心”が芽生え始めた。



「それじゃあ2人には、これからケイドロをしてもらいます」

撮影が始まり、司会役の女性がカメラに向かって説明を始める。

わたしとななみちゃんは用意された“体育着”に着替えて、気をつけを姿勢で説明を聞いていた。

「舞台はこの学校内、泥棒役の2人は、警察役の彼女から必死に逃げてもらいます。」

司会の人が見る先には、陸上のユニホームを着た大学生くらいの女の人がいる。
スリムな体型で鍛えられた筋肉が有り、一目でこの人から逃げ切るのは不可能だとわかった。

「なお、今回ケイドロには制限時間がありません。どちらか1人の泥棒を捕まえたタイミングで終了です。…なお、捕まった子にはお母さんから“きつーーいお仕置き”が待っているので、覚悟してくださいね。」

「ひっ…」

お仕置きという単語が出た瞬間、ななみちゃんの口から小さな悲鳴が溢れる。

ガクガクと震える様子から、ここ数ヶ月間に“されたこと”が、少しだけわかった気がした。

「警官役は泥棒達が逃げてから、30秒後に追跡を始めます。それでは…スタートですっ!」

合図とともに、私達は走り出す。

教室を出ると、ななみちゃんとは逆方向に走る。

30秒が経過後、警察役はわたしの方に来たようだ。

もちろんすぐに追いつかれるが、わたしを捕まえようという気配はない。
いつでも捕まえるが、遊んでいるという感じだ。

恐らく、企画的に一定の時間は捕まえないよう、配慮しているのかもしれない。

必死に逃げていると、先ほど反対方向に逃げていたななみちゃんとばったりと再会した。

…チャンスだ。

「わっ!み、みくちゃ…きゃっ!?」

「ごめんねっ♫」

わたしの名前を呼ぼうとしたななみちゃんの足を払った。

ななみちゃんはそのまま手をつきながら倒れ、わたしは大急ぎでそこから離れる。

ブー

「終了ですっ!確保されたのは“ななみちゃん”でしたーっ!!」

学校のスピーカーからブザーが流れ、そのアナウンスに安堵するわたしと、青ざめるななみちゃん。

大体計画通りに進み、わたしはななみちゃんに優しく微笑んだ。

「えへっ、わたしの勝ちっ♫」

「そ、そんな、そんなぁ…」

今の状況を理解したのか、その場でボロボロと涙を流し始めるななみちゃん。

「それでは一旦初めの教室に集合してください。なお、捕まったななみちゃんには約束どおり“きつーーいお仕置き”が待ってますので、今のうちに心の準備を済ませておきましょう。」

「いや、いやぁ…」

「ほら、いくわよっ」

警察役の人がななみちゃんを起こし、腕を引っ張りながら連行する。

「いやっ、はなしてぇっ」

「早く行かないと、お仕置きもっと厳しくなるかもよ?」

嘲笑うような表情で見られる、ななみちゃん。
あの時の仕返しみたいな状況に、わたしもこっそりニヤニヤとななみちゃんを眺めていた。



ガラッ

教室に戻ると、そこにはななみちゃんの母親が待ち構えていた。

「マ、ママ…」

「ななみ、あんたなんで捕まってんの」

「ご、ごめんなさい…」

腕を組みながら睨まれ、ななみちゃんは床に目を伏せる。

わたしにはふかふかの1人がけの椅子が用意されていた。

「これからお母さんには、普段のご家庭の時と同じ“厳しいお仕置き”を行っていただきます。なお、こちらも制限時間は特にありません。お仕置きの終了は、お母さんのさじ加減となります。……それでは、お仕置きタイムスタートですっ!」

…ようやく、この企画の“本編”が始まる。

パァンッ!

司会の女性が笑顔で宣言した瞬間、教室中にななみちゃんの頬を叩く音が響き渡った。

その頬には真っ赤な手形が浮かび上がり、両手で庇うななみちゃんが、痛々しく目に映った。

「ななみ、検査の準備をしなさい」

「…はい」

ななみちゃんは、頬を庇っていた手で短パンの腰の部分を掴み、そのままスッと下ろして脱ぐ。
まだ子供っぽさが抜けない、真っ白なパンツが現れた。

次にパンツのゴム部分に手をかけると、ゆっくりと下ろしきり、片足ずつ脱いでいく。
その間、布を擦る音とななみちゃんの嗚咽が教室にこだましていた。

「ママ、おパンツの検査をお願いします」

たった今履いていたパンツを母親に手渡し、ななみちゃんは体操服とシャツの裾を掴み、おへそが丸見えになるくらいまでたくし上げる。

真っ白いななみちゃんの身体、お股部分に見える毛が、わたし以上に成長しており、少し嫉妬してしまう。
そんなわたしの視線に気づいたのか、ななみちゃんは顔を真っ赤にし、プルプルと身体を震わせていた。

「…ここ、黄色くなってるみたいだけど」

パンツをチェックしていた母親は、お股が当たる部分をななみちゃんの目の前に差し出す。
その瞬間、ななみちゃんの顔がサーっと青く染まっていく。

「そ、それは、…さっき転ばされた時、少し漏らしちゃって」

「はしたない。普段からお股は鍛えてるはずでしょ。…お仕置きが足りないのかしらね」

「ご、ごめんなさいっ!」

近づいてきたカメラに、黄色い部分がアップで映されている。

もう一台のカメラは、ななみちゃんの表情を余すことなく映し出していた。

…可哀想なななみちゃん。
わたしはその様子に優越感を抱きながら、お股の部分がキュンと“熱く”なるのを感じた。

「まあいいわ。お説教をするから、足を肩幅に広げなさい」

「はい…」

言われた通りになったのを確認すると、母親は近くにあった1人がけの椅子を持ってきて、ななみちゃんの前で腰掛けた。

「早々に捕まるわパンツは汚すわ、情けないと思わないの?」

ギュッ

「んっ!」

お説教が始まるとともに、お股の濃い毛が数本ほど引っ張られる。
姿勢を保つななみちゃんは、恥ずかしさと痛みから、顔がこわばらせていた。

「おパンツをダメにするのこれで何回目?これからはお漏らしおパンツで学校にいく気なの?」

ギュッ ギュッ ギュッ

「あっ!んんっ!」

「今日一日はパンツとズボンを履かせないから、下すっぽんぽんで反省しなさい。」

バヂンッ!

「い゛っ!…はい、ごめんなさい」

遠慮なしに引っ張られていた毛が離され、代わりにお股には平手打ちが与えられる。

毛に覆われたところも赤く腫れているのがはっきりとわかるほどの威力。
その状態でも姿勢を保ち続けるななみちゃんの様子に、普段から厳しく躾けられているのだと、改めて実感する。

…うちも、姿勢を崩せば恐ろしい“追加罰”が待っているのだから。

「そのお漏らし癖、いつになったら治るの?」

パァンッ! バヂンッ!!

「あ゛っ!んう゛ぅっ!!…ら、来年には治しますっ!」

「それは去年も聞いたっ!」

バヂンッ!!

「あ゛あぁっ!?」

上から振り下ろされる平手、下から掬い上げる平手。
それぞれがななみちゃんのお股全体を痛々しく染め上げていく。

「今日中に治しなさいっ!次お漏らししたら、わかってんでしょうねぇっ!?」

バッヂィィンッ!!

「いっだぁぁいっ!?わがりまじたぁっ!!」



その後もお股への痛みを伴うお説教は続けられた。

ギュゥゥッ

「い゛い゛ぃぃっ!!」

「…いいわ、この後のお仕置きで、しっかり反省させてあげる」

「…あ゛い、おじおぎ、…お願いします」

毛を掴んでいた指が離され、母親が椅子から立ち上がる。
その椅子の座面には、母親のお尻型の汗跡が残されていた。

ななみちゃんのお股とその周りは真っ赤に腫れ上がり、特に強く叩かれた部分は痛々しく膨れていた。
その足下には、強く引っ張られた際に抜けた毛が、何本も落ちている。

「椅子の上に膝立ちになって、お尻を高く突き出しなさい。足も大きく広げて、恥ずかしい部分が見えるようにするのよ」

「…わがりました」

抵抗する様子のないななみちゃんは、言われた通りの姿勢になる。
その真っ白なお尻が“どうなってしまう”のか、わたしは目が離せなくなっていた。

もはや、ななみちゃんには恥ずかしがる余裕も無いようだ。

「この乗馬鞭で“ななみが反省した”とママが思うまで、お尻と太ももを叩きます。少しでも姿勢を崩したらお尻の穴も叩くから、そのつもりで」

「…いやぁ」

「返事はっ!?」

バヂンッ!

「いっだいっ!?…は、はいっ!わがりまじたぁぁっ!!」

大きく振りかぶった乗馬鞭が太もも裏に当たり、ななみちゃんの体がのけぞった。
歯を閉じながら必死に痛みに耐え、手と足の指にギュッと力が入っていた。

バヂンッ!

「あぐっ!?」

痛みに喘ぐ様子をしばらく見ていた母親は、お尻の穴の近くに鞭を入れた。

またしてもななみちゃんの身体にはギュッと力が入り、お尻は小刻みに震え出していた。

その様子を、母親はじっと睨みつけている。

…恐らくこの家庭のお仕置きは、一発一発の痛みを存分に味合わせるタイプのものだろう。

間髪入れずにぶたれるお仕置きと違い、こちらの方が少ない数でもきっちりと痛みが入り、苦しむ時間も長く辛いものになる。

恐らく、普段自分がお仕置きを受ける時も、このような姿になっているのだろう。

ななみちゃんの下半身が赤く染められるごとに、わたしの下半身からは“湿っぽさ”が感じられた。



「お尻の穴をヒクヒクさせないのっ!!」

バッヂィィンッ!!

「いぎゃぁぁぁっ!?ごめんなざいぃぃっ!!ゆるじでぇぇっ!!」

お仕置きが続くにつれ、ななみちゃんの姿勢崩しの回数も増えていった。

今は何回目かもわからないお尻の穴叩きの最中だが、その罰でさえ、姿勢崩しが続き、ここ数十分はお尻の穴だけが的になっている。

全体的に真っ赤に腫れ上がったお尻と太もも。
それ以上に腫れているお尻の穴。
お仕置きが始まった当初の白かった下半身は、今は元々の色が想像できないほどの様子になっていた。

その中で、少しでも痛みを紛らわそうとブンブンと左右に振られるお尻。
そんな有様を母親が許すはずがなく、鞭を振るう音は一層強さを増していた。

「マ゛マ゛ァァ、もうむりでずっ!!ゆる、…ゆるじでくだざいっ!!」

「本当にこの子はっ!!素直にお仕置きを受けられないのに、許すわけがないでしょっ!!」

バッヂィィンッ!!

「んぎぃぃぃ!?なんでわだじだけ、ごんな目にぃぃっ!!」

椅子に水溜りを作る、ななみちゃんの汗の臭いが、教室中に充満している。

お仕置きが始まってから計1時間。
…果たして、母親から“お許し”を与えられるのは、一体いつになるのだろうか。

……だが、わたし的には、この“濃厚な時間”が、いつまでも終わらないでほしいと願うのだった。


「完」
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