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ミネラルウォーター② ※
一度イッた余韻がまだ抜けきらないのに、葉山さんは指を抜いてはくれなかった。ゆっくりとお腹の内側を押しながら、同時に陰核を優しく潰して刺激する。
「なん、っやぁ、葉山さん……! それ、今イッ……あ、やだ、またイッちゃ、あっ、んんっ……」
「随分感じやすいんだね。エロいの、僕は嬉しいけど」
「や……知らな、っふ、うっ……」
自分が感じやすいなんて、今まで一度も思ったことがなかった。
エロいと言われても納得できず、恥ずかしくて堪らない。しかしここで否定しても、こんなに濡らしているのだから説得力がないだろう。
「あっ、あぁ……っん、は……ぁ」
「気持ち良いところ、ここ?」
「ん、わかんな……や、触るのだめっ、も……っひ、ん」
気持ち良くて頭がぼうっとして、声を我慢することすら出来ない。
さっきイッたばかりなのに、こんなの、またイッてしまう。
「うぁ、あ……んっ、そこ、っあ、……っくぅ!」
頭の中がチカチカして、自分じゃなくなっていくような感覚が怖い。陰核を摘まれた瞬間、反射的に伸ばした手は、葉山さんの腕を掴んでいた。
「どうしたの?」
「あ、ごめんなさい……もう、葉山さん……」
「……うん、何? どういう意味のごめんなさい?」
動きは止めてくれたけれど、中に入ったままの指はそのままだ。
しっかりと見なくても、自分のそこが濡れてぐちゃぐちゃになっていることが分かった。
「私……もう、イッて……」
「教えてくれて可愛いね。イッたから、もう大丈夫そう?」
「え? あ……!」
「もう挿れてみる?」
ゆっくりと指が抜けていくが、最後まで抜け切る前に動きを止める。浅いところでゆるく掻き混ぜられ、くちくちといやらしい音が響いた。
汚い。恥ずかしい。葉山さんの前で自分がこんなふうになっているなんて、本当に信じられない。
「い……挿れたい、ですか……?」
「へぇ? すごく意地悪なこと聞くんだね」
「あっ……こんな触り方、して……っ、いじわるなの、葉山さんのほうで……」
「今のは真衣も意地悪でしょ。そんな当たり前のこと聞いてくるなんて、僕に何て言って欲しいの?」
「へ……」
そんなことを聞かれても、なんと答えればいいのか分からない。
特に聞きたい言葉があったわけではなく、ただ不安になっただけなのだ。
――こんなにおかしくなっている私が相手でも、葉山さんは大丈夫ですか?
私が知りたかったのは、本当にそれだけだった。
「っわ、私……当たり前かどうかなんて、分からないから……ッン」
言った瞬間にまた意地悪く指が動かされ、びくびくと腰が震える。
これ以上深いところを触られたら、またすぐにイッてしまう。
「ここ、すっごく気持ち良さそう。早く入りたい。挿れてもいい?」
「ん……っ、もういい、から。指でそれするの、やだ……」
「じゃあ、指で触るのやめようか」
ようやく抜かれた指はいやらしく濡れていて、もう葉山さんの手を見ていられない。
視界に入れないように目を逸らしていると、私の顔の真横に脱いだばかりのTシャツが落とされた。
静かな部屋の中、衣擦れの音が微かに聞こえて生々しい。上の服だけでなく、素早く下も脱いだ葉山さんは、今度は私のショーツの縁に手をかける。
「汚れちゃったし、真衣もこれ脱ごうか」
「ん……」
葉山さんが脱がせやすいよう少しだけ腰を浮かせ、ショーツが抜き取られたあとは脚を硬く閉じてしまう。
不意に、葉山さんの下半身に目がいってしまい、一瞬でも見てしまったことを後悔した。
(まだ私からは触ってないのに、あんなに大きくなってるんだ……)
今からあの大きさを、自分の中に受け入れることになる。
怖気づいてしまう私の前で葉山さんはコンドームを取り出し、硬く反り勃っているそこに被せた。
「真衣、少しだけ脚開いて」
「……こ、こう?」
「うん。いい子」
濡れた窪みに先端が宛がわれ、ぬるぬると割れ目を往復する。数回その動き繰り返したあと、ゆっくりと硬いものが私の中に沈んでいった。
「あ……あ、ぁう、んっ……」
「はっ……あー、すご。きもち……」
「うぁ、ん、ん……ふっ」
「もっと奥いきたい。逃がさないで」
葉山さんが腰を押しつけると、ぐぷぐぷと奥に入ってくる。
低い声で囁かれると、ずくりとお腹の裏に響いた。
「葉山さ……あ、こんなおっきいの、もう……」
「可愛い声であんまり煽らないで。我慢できなくなる」
「煽ってない、っん、ちがう、ぁ……んんっ」
少しずつ深いところに沈み、内壁全部がゆっくりと擦られていく。
まだ最後まで入ってないのに、多分途中で軽くイッた。
苦しい。怖い。それなのにまだ全部入っていない。
一旦抜いてって言った方がいいのかな。分からない。イク。変になる。
動かれると気持ち良くて、身体がもっとおかしなことになってしまう。
「ご、ごめんなさい、葉山さん、あの……」
「なんで謝るの? いやだな、それ」
「あっ、あ、待って……、や、うそ、っふ……」
内壁が擦られると、足先にぎゅっと力を入れてしまう。
お腹の中がいっぱいで苦しい。苦しいのに気持ち良い。奥の一点を押されると我慢ができなくて、葉山さんのを挿れたままで、またびくびくと震えながらイッてしまう。
「あっ、あっ、あ、あぁ……っく、ぅん」
「は、ぐっ……ん、締め付けヤバ……。ごめん、もう動いてもいい?」
「やっ……ぁ。もう、私これ、できなっ……ひぅ!」
「真衣が気持ち良いところも触るから、もっとさせて」
「あ、そこ一緒に触るの……だめっ、あっ、……ン、やっ、やめ、やだ……っひぁ、っ!」
「どうして? 真衣はここ触られるの好きでしょ?」
器用に包皮を剥かれて、ものすごい快感にガクガクと腰が震える。
葉山さんのモノをきゅうっと締め付けてしまい、触れている場所全部が気持ち良い。
くちくちと鳴る音がいやらしくて、どこから出ている音なのか考えたくなかった。
何回もイカされて、どんどん敏感になっていく。セックスでこんなふうになったこと、今まで一度もなかったのに。どうしてこんなに恥ずかしい姿を、葉山さんの前で晒しているのだろう。熱が引かなくて、ずっと身体がおかしい。
「あ、葉山さっ、イク、だめ、クリ触るのすぐイッちゃ、っあ、またくる……ぅあ、や、イッちゃう、イク……」
「は……。ちゃんと教えてくれるの、ほんっと可愛いね。僕もイキたい。ゆっくり動くから、あと少しだけ頑張って」
「んっ、んん……。はっ……」
「大好き。早く僕に全部ちょうだい」
顔が近付き唇が塞がれる。至近距離で見る葉山さんの目が、嬉しそうにどろりと蕩けた。
舌を絡ませ、陰核を弄られ、私のお腹の中がギチギチになるほど深くまで、葉山さんの性器が埋められている。
腰の動きがどんどん激しくなり、ぱちゅぱちゅといやらしい音が室内に響いた。
呼吸が浅くなる。こんな音を聞かせられ続けたら、もう正気でいられない。
「はっ、葉山さん、や、抜いて……。っうぁ、も……い、イクの、私、もうやだ……」
「どうして? イク時の真衣、すごい可愛い顔してくれるのに」
自分の顔なんて見えないけれど、こんなにもみっともない顔が可愛いはずがない。
口の端から涎が落ちて、汗と涙で顔がぐちゃぐちゃだ。顔だけでなく、身体も酷い。
敷かれているシーツは大丈夫なのだろうか。私の下半身が触れている部分は、かなり早い段階からぐっしょりと湿っている。
(こんなの、漏らしたのと何が違うの……?)
自分の体液で、葉山さんのベッドをぐしゃぐしゃに汚してしまった。指で慣らされただけでおかしなくらいに感じてしまった私を、葉山さんはどう思っているのだろうか。
私だって過去に彼氏がいたことがあるし、セックスをするのはこれが初めてではない。
でも、だからこそ分かるのだ。
普通のセックスはこんなに乱れるものでないのだと、私はちゃんと知っている。
こんなに濡らして喘いでいる今日の私はおかしいのだ。
恥ずかしくていやらしくて、私がこんな女だと葉山さんに誤解されたくない。
「もっ、葉山さん……」
「うん。何?」
「わ、わた、し……こんな、違うんです。こんなはずじゃなかった」
「は……? 何、急に?」
「今日、私、お酒いっぱい飲んだから、だからそのせいでこんな……っひぅ!」
話している途中で一気に奥まで貫かれて、目の奥にチカチカと星が舞った。
どうして急に最奥を押されたのか分からず、いったん逃げようともがくと、強い力で腰を掴まれ押し戻される。
「あー……そう。酔ってたって理由つけて、無かったことにしようとしてる?」
「ちが……っあ、ひぁ! あ、んんっ……!」
「そんなの駄目だよ。明日忘れてたら何してでも思い出させるからね」
「待って、ちぁ、んっ……や、ふかいとこ、そんな、今日もう、するのだめぇっ……」
「……ゴム、つけなきゃよかったかな」
恐ろしい声を聞いた気がして、ヒュッと息が漏れる。
息を飲んだ瞬間にくるりと身体を回され、私の身体はうつ伏せの状態で固定された。
突き出すように腰だけを持ち上げられ、後ろから覆い被さる体勢で葉山さんがまた奥へと入ってくる。
この体勢はヤバいと、気付いたら時にはもう遅かった。
先ほどよりも深いところに葉山さんの性器が当たるだけでなく、ガッチリと固定されているせいで一ミリも身体を逃がすことが出来ない。
気持ち良いところを擦って、一番深いところに届く。
こんな体勢で動かれて、我慢できるわけがなかった。
「あ、あっ、ああっ、や、あ、もっ……また来ちゃう、はぅ、んっ、や、あっ、あぅっ、きもち、ッも、イッてる……! イッちゃ、やぁっ、ひ……! んぅっ、あ……」
情けない声を出してイッてしまい、溢れた愛液が太腿を伝ってシーツを汚す。
快感の波に飲み込まれて、何度イッてしまったかわからない。汗や涎や、それ以外の液体。どのせいなのかは分からないけれど、またシーツがぐっしょりと濡れている。
必死で分からなかったけれど、もしお漏らししていたらどうしよう。
「真衣はまたイッけど、もう少し続けていい?」
「や、苦し、くて……もう、んっ」
「でも、僕まだ出してないんだよね」
「あっ、ふ……も、なんで。葉山さんにも、イッてほし、のに……」
「真衣の気持ち良さそうな顔が見たくて我慢してるだけだよ。もっとたくさん、全部見たい」
――でも、そろそろ限界かも。
そんな声が聞こえると同時に、また一番奥へと硬いものが当てられる。入っているものがぴくりと震え、小さく唸った葉山さんの声を近くで聞いた。
避妊具をしていても熱は伝わってしまうらしい。葉山さんがコンドーム越しに精を吐き出したのを、お腹の中で感じた。
(もう、これで終わった……?)
ずるりと引き抜かれた感覚に震えていると、葉山さんはおもむろに身体を起こしてゴムを外す。
そのまま私を置いてベッドから下りるのだから信じられない。
「は、葉山さん……?」
「少し待ってて」
「……?」
イッてからまだ数十秒しか経っていないのに、葉山さんは普通に歩くことができるらしい。
一度寝室から出ていったかと思うと、ミネラルウォーターのペットボトル手に持って、またベッドへ戻ってくる。
本当に私だけのために持ってきてくれたのだろうか。私に差し出されたペットボトルは、まだ開封されていなかった。
「声、少し枯れてるね。飲んだほうがいいよ」
「ありがとうございます。……あ、でも」
ここで水分を摂ったら、今度こそ本当に漏らしてしまうかもしれない。
もしまだ行為が続くのであれば、余計な水分を摂るのは危険だ。
「飲まないの?」
「これ……飲んだあと、まだする……?」
「したい?」
ヒュッと悲鳴が漏れそうになり、口をつぐんだままでぶんぶんと首を振る。
私の必死な反応に、葉山さんは困ったような笑みを溢した。
「無理させた?」
「大丈夫、だけど……。こんなふうになるの、初めてだったから……」
「ふふ、嬉しいな。たくさんイッてくれて、すごく可愛かった」
「……何も、可愛くなんてできなかった」
何度もイッて、変な声を聞かせてしまった。
だらしない顔を晒してしまったし、葉山さんのベッドを汚してしまったことも恥ずかしい。
(今やったこと、もう全部忘れて欲しい)
葉山さんと顔を合わせることが出来ず、手元のペットボトルを見つめる。
相当酷い顔をしていたのか、慰めるように伸ばされた葉山さんの手が、そっと私の頬に触れた。
「真衣、こっち向いて」
名前を呼ばれ、おずおずと目を合わせる。
優しく気遣うように微笑まれ、少しだけ安心した。表情が柔らかくなり、優しくて話しやすい葉山さんに戻っている。
「……嫌に、ならなかったですか?」
「ならないよ。どうして? ずっとしたかったし、本当に付き合えたんだって実感できて嬉しい」
「でも……私、本当にこんなつもりじゃなくて……」
「……はは。それじゃあ、どういうつもりで僕の部屋まで来たの?」
一瞬、空気がひやりと冷たくなったように感じた。
推し量るようにじっと見つめられ、上手く答えられず喉がひりつく。
「……っあ、その」
「した後に聞くのもずるいけど、真衣は僕のこと好き?」
「……うん」
「それも可愛いけど、ちゃんと言って。聞きたい」
「……葉山さんのことが好き、です。本当に……」
「はは、ほんと……幸せで死にそう」
柔らかく笑って口付けられ、唇が離れるとそのまま抱きしめられる。
「死にそう」という何気なく使われた言葉に、胸の奥が少しだけざわついた。
「なん、っやぁ、葉山さん……! それ、今イッ……あ、やだ、またイッちゃ、あっ、んんっ……」
「随分感じやすいんだね。エロいの、僕は嬉しいけど」
「や……知らな、っふ、うっ……」
自分が感じやすいなんて、今まで一度も思ったことがなかった。
エロいと言われても納得できず、恥ずかしくて堪らない。しかしここで否定しても、こんなに濡らしているのだから説得力がないだろう。
「あっ、あぁ……っん、は……ぁ」
「気持ち良いところ、ここ?」
「ん、わかんな……や、触るのだめっ、も……っひ、ん」
気持ち良くて頭がぼうっとして、声を我慢することすら出来ない。
さっきイッたばかりなのに、こんなの、またイッてしまう。
「うぁ、あ……んっ、そこ、っあ、……っくぅ!」
頭の中がチカチカして、自分じゃなくなっていくような感覚が怖い。陰核を摘まれた瞬間、反射的に伸ばした手は、葉山さんの腕を掴んでいた。
「どうしたの?」
「あ、ごめんなさい……もう、葉山さん……」
「……うん、何? どういう意味のごめんなさい?」
動きは止めてくれたけれど、中に入ったままの指はそのままだ。
しっかりと見なくても、自分のそこが濡れてぐちゃぐちゃになっていることが分かった。
「私……もう、イッて……」
「教えてくれて可愛いね。イッたから、もう大丈夫そう?」
「え? あ……!」
「もう挿れてみる?」
ゆっくりと指が抜けていくが、最後まで抜け切る前に動きを止める。浅いところでゆるく掻き混ぜられ、くちくちといやらしい音が響いた。
汚い。恥ずかしい。葉山さんの前で自分がこんなふうになっているなんて、本当に信じられない。
「い……挿れたい、ですか……?」
「へぇ? すごく意地悪なこと聞くんだね」
「あっ……こんな触り方、して……っ、いじわるなの、葉山さんのほうで……」
「今のは真衣も意地悪でしょ。そんな当たり前のこと聞いてくるなんて、僕に何て言って欲しいの?」
「へ……」
そんなことを聞かれても、なんと答えればいいのか分からない。
特に聞きたい言葉があったわけではなく、ただ不安になっただけなのだ。
――こんなにおかしくなっている私が相手でも、葉山さんは大丈夫ですか?
私が知りたかったのは、本当にそれだけだった。
「っわ、私……当たり前かどうかなんて、分からないから……ッン」
言った瞬間にまた意地悪く指が動かされ、びくびくと腰が震える。
これ以上深いところを触られたら、またすぐにイッてしまう。
「ここ、すっごく気持ち良さそう。早く入りたい。挿れてもいい?」
「ん……っ、もういい、から。指でそれするの、やだ……」
「じゃあ、指で触るのやめようか」
ようやく抜かれた指はいやらしく濡れていて、もう葉山さんの手を見ていられない。
視界に入れないように目を逸らしていると、私の顔の真横に脱いだばかりのTシャツが落とされた。
静かな部屋の中、衣擦れの音が微かに聞こえて生々しい。上の服だけでなく、素早く下も脱いだ葉山さんは、今度は私のショーツの縁に手をかける。
「汚れちゃったし、真衣もこれ脱ごうか」
「ん……」
葉山さんが脱がせやすいよう少しだけ腰を浮かせ、ショーツが抜き取られたあとは脚を硬く閉じてしまう。
不意に、葉山さんの下半身に目がいってしまい、一瞬でも見てしまったことを後悔した。
(まだ私からは触ってないのに、あんなに大きくなってるんだ……)
今からあの大きさを、自分の中に受け入れることになる。
怖気づいてしまう私の前で葉山さんはコンドームを取り出し、硬く反り勃っているそこに被せた。
「真衣、少しだけ脚開いて」
「……こ、こう?」
「うん。いい子」
濡れた窪みに先端が宛がわれ、ぬるぬると割れ目を往復する。数回その動き繰り返したあと、ゆっくりと硬いものが私の中に沈んでいった。
「あ……あ、ぁう、んっ……」
「はっ……あー、すご。きもち……」
「うぁ、ん、ん……ふっ」
「もっと奥いきたい。逃がさないで」
葉山さんが腰を押しつけると、ぐぷぐぷと奥に入ってくる。
低い声で囁かれると、ずくりとお腹の裏に響いた。
「葉山さ……あ、こんなおっきいの、もう……」
「可愛い声であんまり煽らないで。我慢できなくなる」
「煽ってない、っん、ちがう、ぁ……んんっ」
少しずつ深いところに沈み、内壁全部がゆっくりと擦られていく。
まだ最後まで入ってないのに、多分途中で軽くイッた。
苦しい。怖い。それなのにまだ全部入っていない。
一旦抜いてって言った方がいいのかな。分からない。イク。変になる。
動かれると気持ち良くて、身体がもっとおかしなことになってしまう。
「ご、ごめんなさい、葉山さん、あの……」
「なんで謝るの? いやだな、それ」
「あっ、あ、待って……、や、うそ、っふ……」
内壁が擦られると、足先にぎゅっと力を入れてしまう。
お腹の中がいっぱいで苦しい。苦しいのに気持ち良い。奥の一点を押されると我慢ができなくて、葉山さんのを挿れたままで、またびくびくと震えながらイッてしまう。
「あっ、あっ、あ、あぁ……っく、ぅん」
「は、ぐっ……ん、締め付けヤバ……。ごめん、もう動いてもいい?」
「やっ……ぁ。もう、私これ、できなっ……ひぅ!」
「真衣が気持ち良いところも触るから、もっとさせて」
「あ、そこ一緒に触るの……だめっ、あっ、……ン、やっ、やめ、やだ……っひぁ、っ!」
「どうして? 真衣はここ触られるの好きでしょ?」
器用に包皮を剥かれて、ものすごい快感にガクガクと腰が震える。
葉山さんのモノをきゅうっと締め付けてしまい、触れている場所全部が気持ち良い。
くちくちと鳴る音がいやらしくて、どこから出ている音なのか考えたくなかった。
何回もイカされて、どんどん敏感になっていく。セックスでこんなふうになったこと、今まで一度もなかったのに。どうしてこんなに恥ずかしい姿を、葉山さんの前で晒しているのだろう。熱が引かなくて、ずっと身体がおかしい。
「あ、葉山さっ、イク、だめ、クリ触るのすぐイッちゃ、っあ、またくる……ぅあ、や、イッちゃう、イク……」
「は……。ちゃんと教えてくれるの、ほんっと可愛いね。僕もイキたい。ゆっくり動くから、あと少しだけ頑張って」
「んっ、んん……。はっ……」
「大好き。早く僕に全部ちょうだい」
顔が近付き唇が塞がれる。至近距離で見る葉山さんの目が、嬉しそうにどろりと蕩けた。
舌を絡ませ、陰核を弄られ、私のお腹の中がギチギチになるほど深くまで、葉山さんの性器が埋められている。
腰の動きがどんどん激しくなり、ぱちゅぱちゅといやらしい音が室内に響いた。
呼吸が浅くなる。こんな音を聞かせられ続けたら、もう正気でいられない。
「はっ、葉山さん、や、抜いて……。っうぁ、も……い、イクの、私、もうやだ……」
「どうして? イク時の真衣、すごい可愛い顔してくれるのに」
自分の顔なんて見えないけれど、こんなにもみっともない顔が可愛いはずがない。
口の端から涎が落ちて、汗と涙で顔がぐちゃぐちゃだ。顔だけでなく、身体も酷い。
敷かれているシーツは大丈夫なのだろうか。私の下半身が触れている部分は、かなり早い段階からぐっしょりと湿っている。
(こんなの、漏らしたのと何が違うの……?)
自分の体液で、葉山さんのベッドをぐしゃぐしゃに汚してしまった。指で慣らされただけでおかしなくらいに感じてしまった私を、葉山さんはどう思っているのだろうか。
私だって過去に彼氏がいたことがあるし、セックスをするのはこれが初めてではない。
でも、だからこそ分かるのだ。
普通のセックスはこんなに乱れるものでないのだと、私はちゃんと知っている。
こんなに濡らして喘いでいる今日の私はおかしいのだ。
恥ずかしくていやらしくて、私がこんな女だと葉山さんに誤解されたくない。
「もっ、葉山さん……」
「うん。何?」
「わ、わた、し……こんな、違うんです。こんなはずじゃなかった」
「は……? 何、急に?」
「今日、私、お酒いっぱい飲んだから、だからそのせいでこんな……っひぅ!」
話している途中で一気に奥まで貫かれて、目の奥にチカチカと星が舞った。
どうして急に最奥を押されたのか分からず、いったん逃げようともがくと、強い力で腰を掴まれ押し戻される。
「あー……そう。酔ってたって理由つけて、無かったことにしようとしてる?」
「ちが……っあ、ひぁ! あ、んんっ……!」
「そんなの駄目だよ。明日忘れてたら何してでも思い出させるからね」
「待って、ちぁ、んっ……や、ふかいとこ、そんな、今日もう、するのだめぇっ……」
「……ゴム、つけなきゃよかったかな」
恐ろしい声を聞いた気がして、ヒュッと息が漏れる。
息を飲んだ瞬間にくるりと身体を回され、私の身体はうつ伏せの状態で固定された。
突き出すように腰だけを持ち上げられ、後ろから覆い被さる体勢で葉山さんがまた奥へと入ってくる。
この体勢はヤバいと、気付いたら時にはもう遅かった。
先ほどよりも深いところに葉山さんの性器が当たるだけでなく、ガッチリと固定されているせいで一ミリも身体を逃がすことが出来ない。
気持ち良いところを擦って、一番深いところに届く。
こんな体勢で動かれて、我慢できるわけがなかった。
「あ、あっ、ああっ、や、あ、もっ……また来ちゃう、はぅ、んっ、や、あっ、あぅっ、きもち、ッも、イッてる……! イッちゃ、やぁっ、ひ……! んぅっ、あ……」
情けない声を出してイッてしまい、溢れた愛液が太腿を伝ってシーツを汚す。
快感の波に飲み込まれて、何度イッてしまったかわからない。汗や涎や、それ以外の液体。どのせいなのかは分からないけれど、またシーツがぐっしょりと濡れている。
必死で分からなかったけれど、もしお漏らししていたらどうしよう。
「真衣はまたイッけど、もう少し続けていい?」
「や、苦し、くて……もう、んっ」
「でも、僕まだ出してないんだよね」
「あっ、ふ……も、なんで。葉山さんにも、イッてほし、のに……」
「真衣の気持ち良さそうな顔が見たくて我慢してるだけだよ。もっとたくさん、全部見たい」
――でも、そろそろ限界かも。
そんな声が聞こえると同時に、また一番奥へと硬いものが当てられる。入っているものがぴくりと震え、小さく唸った葉山さんの声を近くで聞いた。
避妊具をしていても熱は伝わってしまうらしい。葉山さんがコンドーム越しに精を吐き出したのを、お腹の中で感じた。
(もう、これで終わった……?)
ずるりと引き抜かれた感覚に震えていると、葉山さんはおもむろに身体を起こしてゴムを外す。
そのまま私を置いてベッドから下りるのだから信じられない。
「は、葉山さん……?」
「少し待ってて」
「……?」
イッてからまだ数十秒しか経っていないのに、葉山さんは普通に歩くことができるらしい。
一度寝室から出ていったかと思うと、ミネラルウォーターのペットボトル手に持って、またベッドへ戻ってくる。
本当に私だけのために持ってきてくれたのだろうか。私に差し出されたペットボトルは、まだ開封されていなかった。
「声、少し枯れてるね。飲んだほうがいいよ」
「ありがとうございます。……あ、でも」
ここで水分を摂ったら、今度こそ本当に漏らしてしまうかもしれない。
もしまだ行為が続くのであれば、余計な水分を摂るのは危険だ。
「飲まないの?」
「これ……飲んだあと、まだする……?」
「したい?」
ヒュッと悲鳴が漏れそうになり、口をつぐんだままでぶんぶんと首を振る。
私の必死な反応に、葉山さんは困ったような笑みを溢した。
「無理させた?」
「大丈夫、だけど……。こんなふうになるの、初めてだったから……」
「ふふ、嬉しいな。たくさんイッてくれて、すごく可愛かった」
「……何も、可愛くなんてできなかった」
何度もイッて、変な声を聞かせてしまった。
だらしない顔を晒してしまったし、葉山さんのベッドを汚してしまったことも恥ずかしい。
(今やったこと、もう全部忘れて欲しい)
葉山さんと顔を合わせることが出来ず、手元のペットボトルを見つめる。
相当酷い顔をしていたのか、慰めるように伸ばされた葉山さんの手が、そっと私の頬に触れた。
「真衣、こっち向いて」
名前を呼ばれ、おずおずと目を合わせる。
優しく気遣うように微笑まれ、少しだけ安心した。表情が柔らかくなり、優しくて話しやすい葉山さんに戻っている。
「……嫌に、ならなかったですか?」
「ならないよ。どうして? ずっとしたかったし、本当に付き合えたんだって実感できて嬉しい」
「でも……私、本当にこんなつもりじゃなくて……」
「……はは。それじゃあ、どういうつもりで僕の部屋まで来たの?」
一瞬、空気がひやりと冷たくなったように感じた。
推し量るようにじっと見つめられ、上手く答えられず喉がひりつく。
「……っあ、その」
「した後に聞くのもずるいけど、真衣は僕のこと好き?」
「……うん」
「それも可愛いけど、ちゃんと言って。聞きたい」
「……葉山さんのことが好き、です。本当に……」
「はは、ほんと……幸せで死にそう」
柔らかく笑って口付けられ、唇が離れるとそのまま抱きしめられる。
「死にそう」という何気なく使われた言葉に、胸の奥が少しだけざわついた。
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政略結婚から始まる溺愛シンデレラストーリー。