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両思いの朝
ボタンのかけ違いを直すように、最初からひとつずつ話をしていき、お互いに抱えていた不安は解けた。
結婚すると約束をしたあと、結構な時間を葉山さんに抱きしめてもらい、心が満たされたところでゆっくりと身体を離す。
私と同じように、葉山さんも今のやりとりで安心してくれたらしい。
幸せが滲み出ているような、穏やかな表情で笑いかけてくれて、私まで嬉しくなった。
(格好いい男の人だってちゃんと知ってるのに、それ以上にこういう葉山さんの方が好きだって思っちゃうの、変かなぁ……)
さっきからずっと、いつも以上に葉山さんのことが可愛く見えて仕方ない。
私の名前を呼ぶ声が甘くて、遠慮なく触れてくる大きな手が愛おしい。指を絡めながら隣に座っているだけなのに、この多幸感はなんだろう。
足元がふわふわする。キスをねだられるたびにきゅうっと狭くなる胸が、苦しいはずなのに心地いい。
すでに付き合っている人が相手なのに、また新しい恋に落ちたような浮かれ方をしている。
今夜はこれからどうするんだろうか。
この気持ちのままもっと葉山さんに触って欲しいとも思うし、このままでも十分に満たされているから、いつも通りにエッチなことをするのが少しもったいないとも思ってしまう。
結婚するという話だって、ただ約束をしただけで、細かいことはまだ何も決めていないのだ。いつ頃に籍を入れる予定で、それまでにどんな準備をするか。そういうことを話し合っておくのも大切な気がする。
葉山さんとの未来を考えるのが楽しくて、お願いしたいことがたくさんあって迷ってしまう。
そんな私に向かい、「今日はとりあえず、一緒に住む話を進めようか」と、葉山さんから提案してくれた。
一度ソファから立ち上がった葉山さんが、キッチンに行って戻ってくる。お茶が入ったグラスを手渡され、一旦喉を潤してから、今後の話を進めていくことになった。
「僕としては早く引っ越してくれた方が嬉しいけど、そこは真衣の動きやすい時期に合わせるよ。引っ越すのが少し先になっても、今まで通りにこっちの家を使ってくれて構わないから。ちゃんと帰ってきてね」
「ふふっ、はい。今のマンションの契約時期とか、また確認しておきますね」
「うん、お願い。ああ、それと、真衣のご家族にはちゃんと挨拶しておきたいな。これはできるだけ早い方がいいんだけど、予定を聞いておいてもらえる?」
「分かりました。明日、親に電話して聞いてみます。……えっと、結婚するって伝えてもいいんです、よね?」
「うん。そうしてもらえると嬉しいな」
笑顔で快諾してもらえたことにまた幸せを感じて、ふわふわした気持ちのまま、やるべきことをメモに書き留めていく。
家族に恋人を会わせるのは初めてで、自分の親なのに少しだけ緊張する。付き合っている人がいると報告もしていないから、急に結婚を報せらことになってしまうが大丈夫だろうか。
(そういえば、あの時は付き合う前ではあったけど、慎太郎と葉山さんはもう会ってるんだよね)
両親だけでなく、兄妹の予定も合わせた方がいいのだろうか。尋ねようとしてメモから顔を上げると、空いた左手が不意に葉山さんに持ち上げられた。
「葉山さん?」
「……指輪、先に買いに行きたいな。明日行ける?」
「へ?」
「仕事中は外すことになるけど、それ以外はずっと着けておきたいし、真衣にも着けてもらえたら嬉しい。駄目?」
駄目なことなど一つもなくて、ぶんぶんと首を振りながら「嬉しいです」と返事をした。ふわりとほころんだ葉山さんの表情に、また胸の辺りがきゅうっと締まる。
「よかった。真衣が明日行けるなら店に予約するけど、いい?」
「はい。お願いします」
頬が緩んだまま返事をすると、ゆっくりと口付けられて溶けそうになる。
本当に浮かれすぎているかもしれない。幸せな空気に溺れていくようで、好きという気持ちに歯止めが効かなくなる。
葉山さんがずっと前から私を好きでいてくれたのだと知れたことで、ブレーキをかける感覚が壊れてしまったみたいだ。
今までは無意識のうちに、「もしかしたら別れるかもしれないのに、あんまり好きになられても迷惑だよね」と遠慮していたのだろう。
少しくらいなら重くなっても大丈夫だと気付いてしまった今、このくらいなら受け入れてくれるだろうという甘えが、際限なく気持ちを膨らませていく。
「明日の昼過ぎに予約したよ。どこかでランチしたあとに行けたらちょうどいいかな」
「ふふ……ありがとうございます。付き合ってる人に指輪買ってもらうの初めてだし、葉山さんがいろいろと考えてくれるの嬉しいです」
「初めてじゃないと困るよ。誰かに贈られてたら嫉妬でおかしくなってた」
好きって気持ちを葉山さんが惜しみなく与えてくれるから、抱えきれなくて溢れそうになる。
少し触れているだけでも胸がいっぱいで、その日は結局、ベッドの中でもキスをするだけで終わった。
葉山さんに抱きしめられて眠るのはいつも気持ち良いけれど、今日はそれだけじゃない。
温かくて幸せで、いつも以上に満たされた気持ちで眠れた夜だった。
***
――翌日。
予約をしていたジュエリーショップに行くと、「ご結婚おめでとうございます」と迎えられて、少しだけびっくりしてしまった。
名刺を受け取り席に通されると、さまざまなデザインの結婚指輪を目の前に並べてくれる。
どれも綺麗で、目移りする。
その中でも一等に目を引かれるリングがあり、「これ、着けさせてもらってもいいですか?」と左端のリングを指差した。
「もちろんです。こちらのリングですね」
私が選んだ指輪を、店員さんがベルベット張りのリングトレイから持ち上げ手渡してくれる。
自分の薬指にはめ、もう一度じっくりとリングを見つめた。
中心がV字になるようにカットされた、細身のプラチナリング。表面には隙間なくダイヤが敷き詰められていて、どの角度から見てもキラキラしている。自分の手が、いつもよりずっと綺麗で特別なものに見えた。
「ああ、いいね。似合ってる」
「あ……ありがとうございます」
「真衣がそれなら、ペアになるデザインはこれかな」
私の選んだ指輪より幅広のリングを手に取り、葉山さんが指にはめる。私と同じデザインだが装飾のダイヤはなく、とてもシンプルな見た目をしていた。
「どう?」
私の左手の隣に、葉山さんも左手を置く。
同じ形の指輪が着けられた手が並べられていると、それだけですごく「お互いのもの」という感じが強まったように感じる。
(葉山さんが私の恋人だって、周りに主張しているみたい)
恥ずかしいことを考えている自分を押し込めて、冷静に感想を言おうと取り繕う。それでもまだ、少し口元が緩んでいそうだ。
「すっ……ごく、いいと思います」
「そっか。じゃあこれに決めたいな」
葉山さんの男性らしい指にリングがはまっていると、さらに色気が増したようでドキドキする。
試着の指輪を葉山さんが外した瞬間。リングの内側にダイヤが一粒埋め込まれているのが見えて、隠されていた一つに気付けたことに不思議と嬉しくなった。
そのあともいくつか違うデザインを試着させてもらったけれど、やはり最初につけたリングが一番好きだった。
葉山さんも同じように感じてくれたようで、特に迷うこともなく選んだ指輪を購入する。
出来上がりは一ヶ月後になるという説明をしてもらい、「楽しみですね」と会話をしながら葉山さんと手を繋いでお店を出た。
なんだか甘えすぎているようで少し心配になるけれど、葉山さんはずっと嬉しそうな顔をしてくれている。
ひとつずつ結婚に向けて進んでいるようで、不安よりも楽しみなことが多くて頬が緩む。こんなに嬉しいことばかりでも、直前になったらマリッジブルーになったりするんだろうか。今の状態では全然想像できない。
その日のうちにお互いの家族に電話で報告し、挨拶をする日取りを決めた。
私にいきなり結婚の報告をされ、お母さんもお父さんも、初めはまったく理解が追い付いていないようだった。
彼氏がいたのか、いつから付き合っていたんだと質問攻めにされ、通話時間は一時間近くなってしまった。
「おめでたいし嬉しいけど、もう少し早い段階から心の準備はさせて欲しかったわ」
お母さんにはそう言われたけれど、その声はどこか弾んでいる。
「真衣が選んだ人だから心配はしてないけど」と付け加えられ、「本当にすごく素敵な人だよ」と惚気た返事をした。
再来週の夜に私の両親への挨拶。
来月の頭に葉山さんのご両親への挨拶。
私の引っ越しも来月中に終わるように進めていき、婚姻届けの提出は両家の顔合わせが終わってからすることになった。
両家顔合わせの日程はまだ決まっていないけれど、寒い季節になる前にはきっとすべて終わるだろう。
一気に忙しくなった自分のスケジュールを見て、ふふっと笑ってしまう。
私の人生にたった一人が交わるだけで、こんなにも楽しい予定が増えるんだ。
─────
本日19時に最終話投稿します。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
結婚すると約束をしたあと、結構な時間を葉山さんに抱きしめてもらい、心が満たされたところでゆっくりと身体を離す。
私と同じように、葉山さんも今のやりとりで安心してくれたらしい。
幸せが滲み出ているような、穏やかな表情で笑いかけてくれて、私まで嬉しくなった。
(格好いい男の人だってちゃんと知ってるのに、それ以上にこういう葉山さんの方が好きだって思っちゃうの、変かなぁ……)
さっきからずっと、いつも以上に葉山さんのことが可愛く見えて仕方ない。
私の名前を呼ぶ声が甘くて、遠慮なく触れてくる大きな手が愛おしい。指を絡めながら隣に座っているだけなのに、この多幸感はなんだろう。
足元がふわふわする。キスをねだられるたびにきゅうっと狭くなる胸が、苦しいはずなのに心地いい。
すでに付き合っている人が相手なのに、また新しい恋に落ちたような浮かれ方をしている。
今夜はこれからどうするんだろうか。
この気持ちのままもっと葉山さんに触って欲しいとも思うし、このままでも十分に満たされているから、いつも通りにエッチなことをするのが少しもったいないとも思ってしまう。
結婚するという話だって、ただ約束をしただけで、細かいことはまだ何も決めていないのだ。いつ頃に籍を入れる予定で、それまでにどんな準備をするか。そういうことを話し合っておくのも大切な気がする。
葉山さんとの未来を考えるのが楽しくて、お願いしたいことがたくさんあって迷ってしまう。
そんな私に向かい、「今日はとりあえず、一緒に住む話を進めようか」と、葉山さんから提案してくれた。
一度ソファから立ち上がった葉山さんが、キッチンに行って戻ってくる。お茶が入ったグラスを手渡され、一旦喉を潤してから、今後の話を進めていくことになった。
「僕としては早く引っ越してくれた方が嬉しいけど、そこは真衣の動きやすい時期に合わせるよ。引っ越すのが少し先になっても、今まで通りにこっちの家を使ってくれて構わないから。ちゃんと帰ってきてね」
「ふふっ、はい。今のマンションの契約時期とか、また確認しておきますね」
「うん、お願い。ああ、それと、真衣のご家族にはちゃんと挨拶しておきたいな。これはできるだけ早い方がいいんだけど、予定を聞いておいてもらえる?」
「分かりました。明日、親に電話して聞いてみます。……えっと、結婚するって伝えてもいいんです、よね?」
「うん。そうしてもらえると嬉しいな」
笑顔で快諾してもらえたことにまた幸せを感じて、ふわふわした気持ちのまま、やるべきことをメモに書き留めていく。
家族に恋人を会わせるのは初めてで、自分の親なのに少しだけ緊張する。付き合っている人がいると報告もしていないから、急に結婚を報せらことになってしまうが大丈夫だろうか。
(そういえば、あの時は付き合う前ではあったけど、慎太郎と葉山さんはもう会ってるんだよね)
両親だけでなく、兄妹の予定も合わせた方がいいのだろうか。尋ねようとしてメモから顔を上げると、空いた左手が不意に葉山さんに持ち上げられた。
「葉山さん?」
「……指輪、先に買いに行きたいな。明日行ける?」
「へ?」
「仕事中は外すことになるけど、それ以外はずっと着けておきたいし、真衣にも着けてもらえたら嬉しい。駄目?」
駄目なことなど一つもなくて、ぶんぶんと首を振りながら「嬉しいです」と返事をした。ふわりとほころんだ葉山さんの表情に、また胸の辺りがきゅうっと締まる。
「よかった。真衣が明日行けるなら店に予約するけど、いい?」
「はい。お願いします」
頬が緩んだまま返事をすると、ゆっくりと口付けられて溶けそうになる。
本当に浮かれすぎているかもしれない。幸せな空気に溺れていくようで、好きという気持ちに歯止めが効かなくなる。
葉山さんがずっと前から私を好きでいてくれたのだと知れたことで、ブレーキをかける感覚が壊れてしまったみたいだ。
今までは無意識のうちに、「もしかしたら別れるかもしれないのに、あんまり好きになられても迷惑だよね」と遠慮していたのだろう。
少しくらいなら重くなっても大丈夫だと気付いてしまった今、このくらいなら受け入れてくれるだろうという甘えが、際限なく気持ちを膨らませていく。
「明日の昼過ぎに予約したよ。どこかでランチしたあとに行けたらちょうどいいかな」
「ふふ……ありがとうございます。付き合ってる人に指輪買ってもらうの初めてだし、葉山さんがいろいろと考えてくれるの嬉しいです」
「初めてじゃないと困るよ。誰かに贈られてたら嫉妬でおかしくなってた」
好きって気持ちを葉山さんが惜しみなく与えてくれるから、抱えきれなくて溢れそうになる。
少し触れているだけでも胸がいっぱいで、その日は結局、ベッドの中でもキスをするだけで終わった。
葉山さんに抱きしめられて眠るのはいつも気持ち良いけれど、今日はそれだけじゃない。
温かくて幸せで、いつも以上に満たされた気持ちで眠れた夜だった。
***
――翌日。
予約をしていたジュエリーショップに行くと、「ご結婚おめでとうございます」と迎えられて、少しだけびっくりしてしまった。
名刺を受け取り席に通されると、さまざまなデザインの結婚指輪を目の前に並べてくれる。
どれも綺麗で、目移りする。
その中でも一等に目を引かれるリングがあり、「これ、着けさせてもらってもいいですか?」と左端のリングを指差した。
「もちろんです。こちらのリングですね」
私が選んだ指輪を、店員さんがベルベット張りのリングトレイから持ち上げ手渡してくれる。
自分の薬指にはめ、もう一度じっくりとリングを見つめた。
中心がV字になるようにカットされた、細身のプラチナリング。表面には隙間なくダイヤが敷き詰められていて、どの角度から見てもキラキラしている。自分の手が、いつもよりずっと綺麗で特別なものに見えた。
「ああ、いいね。似合ってる」
「あ……ありがとうございます」
「真衣がそれなら、ペアになるデザインはこれかな」
私の選んだ指輪より幅広のリングを手に取り、葉山さんが指にはめる。私と同じデザインだが装飾のダイヤはなく、とてもシンプルな見た目をしていた。
「どう?」
私の左手の隣に、葉山さんも左手を置く。
同じ形の指輪が着けられた手が並べられていると、それだけですごく「お互いのもの」という感じが強まったように感じる。
(葉山さんが私の恋人だって、周りに主張しているみたい)
恥ずかしいことを考えている自分を押し込めて、冷静に感想を言おうと取り繕う。それでもまだ、少し口元が緩んでいそうだ。
「すっ……ごく、いいと思います」
「そっか。じゃあこれに決めたいな」
葉山さんの男性らしい指にリングがはまっていると、さらに色気が増したようでドキドキする。
試着の指輪を葉山さんが外した瞬間。リングの内側にダイヤが一粒埋め込まれているのが見えて、隠されていた一つに気付けたことに不思議と嬉しくなった。
そのあともいくつか違うデザインを試着させてもらったけれど、やはり最初につけたリングが一番好きだった。
葉山さんも同じように感じてくれたようで、特に迷うこともなく選んだ指輪を購入する。
出来上がりは一ヶ月後になるという説明をしてもらい、「楽しみですね」と会話をしながら葉山さんと手を繋いでお店を出た。
なんだか甘えすぎているようで少し心配になるけれど、葉山さんはずっと嬉しそうな顔をしてくれている。
ひとつずつ結婚に向けて進んでいるようで、不安よりも楽しみなことが多くて頬が緩む。こんなに嬉しいことばかりでも、直前になったらマリッジブルーになったりするんだろうか。今の状態では全然想像できない。
その日のうちにお互いの家族に電話で報告し、挨拶をする日取りを決めた。
私にいきなり結婚の報告をされ、お母さんもお父さんも、初めはまったく理解が追い付いていないようだった。
彼氏がいたのか、いつから付き合っていたんだと質問攻めにされ、通話時間は一時間近くなってしまった。
「おめでたいし嬉しいけど、もう少し早い段階から心の準備はさせて欲しかったわ」
お母さんにはそう言われたけれど、その声はどこか弾んでいる。
「真衣が選んだ人だから心配はしてないけど」と付け加えられ、「本当にすごく素敵な人だよ」と惚気た返事をした。
再来週の夜に私の両親への挨拶。
来月の頭に葉山さんのご両親への挨拶。
私の引っ越しも来月中に終わるように進めていき、婚姻届けの提出は両家の顔合わせが終わってからすることになった。
両家顔合わせの日程はまだ決まっていないけれど、寒い季節になる前にはきっとすべて終わるだろう。
一気に忙しくなった自分のスケジュールを見て、ふふっと笑ってしまう。
私の人生にたった一人が交わるだけで、こんなにも楽しい予定が増えるんだ。
─────
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