TS皇女の暴れん坊漫遊記

魔物退治編

襲撃

それは魔物の群れだった。
ていうか大嫌いな巨大G氏の大群だった。
「・・・あはははは！！ちょうどいい。構想中の魔法実験をしてやろう。」
思い描くのは超マイクロの特異点。
平面より下へ引きずり込む、いわゆるブラックホールをイメージした。
「アホかーーー！」
いきなりハリセンでNOAが叩いてきた。
充填されてた魔力が霧散する。
「お主、この世界を破壊する気か！？」
「超重力崩壊までは起こす気なかったしすぐに蒸発させてたし。」
ビッグバン時に大量のマイクロブラックホールが生まれたという。
しかしそれらは直後に”蒸発”したらしい。
そのことを言っているのだ。
「わしがやるわ。こんな雑魚蟲ごとき！」
NOAはGさんたちに広範囲電撃を食らわせた。
「す・・・すごい。あの厄介な魔物を一撃で・・・。」
逃げていた人々がおそるおそる近寄ってきた。
「すごい。あなたは救世主です。」人々はNOAを囲んだ。
NOAは動揺する。慣れていないらしい。
「あなたのお名前をおしえていただきたい！」町長らしき人物がNOAにいった。
「わ・・・わしは。」「NOAえもんです。」「・・・・」
さっきのはりせんの意趣返しらしい。
しれっと名前をねつ造する駿であった。
「おお、ノアえもんさんですか。」
「私はシュン・ハヤカワといいます。NOAえもんさんのマネージャーです。あの程度の魔物退治引き受けますよ。」
「オイ。」
NOAの突っ込みを鮮やかにスルーして、営業活動を続ける駿であった。

それを遠くから騎士団が見ていた。
「あれだけの魔物を葬り去るとは・・・。」
「あの少女、我が団に欲しいな。」
彼の名はカルド。
第1皇女派筆頭の脳筋団長である。
とりあえず黒髪の少年は気にならなかった。