TS皇女の暴れん坊漫遊記

魔物退治編

ネビラとカルド

カルドは悪夢を見た。
それは家出した第1皇女がレイプされ殺される夢だ。
周りは夜だった。
周囲には結界が張られてるので魔物は入って来れない。
本当に嫌な汗をかいてしまったカルドは眠れないから街の中を散策し、あるものを見つける。
それは何かの武術だろうか？
シュンが体を動かしている。
カルドにはわかる。あれは人を殺すことの出来るものだと。
カルドには知る由もなかったがそれは空手であった。
一度落ち着いたシュンは魔法を解除する。
魔法が解除され偽装が解かれたら、金髪の美しい少女が姿を現した。
「・・・・！！」
それは行方不明中の第１皇女本人だったのだ。
「皇女殿下！！」
思わずカルドは叫んでしまう。
「・・・・カルド。」ネビラはため息をついた。
「見てしまったのね。」
「え？え？シュン殿がネビラ様・・・？」
ちょっと混乱しているようである。
「・・・・石で頭を殴られるか、記憶喪失魔法で記憶を消されるか、好きな方を選びなさい。」
ネビラは笑顔で高圧的に言った。
「記憶喪失魔法というのは・・・？」そんな魔法、カルド自身も聞いたことがなかった。
「魔法で頭をぶん殴ることです。」
カルドの嫌な予感通り、ネビラはにっこり笑いながらテンプレな答えを返した。
「絶対死にますね。それ。」
カルドは感じていた。
この皇女から発せられてる魔力は以前とは別物だと。
「殿下、一刻も早くお戻りになられてください。」
「・・・それは命令があったのですか？」
「いえ、動向を探って護衛につけと言われました。しかしあんな魔物がいる以上、こんなところにあなた様を置いておくわけには。」
「あんな雑魚魔物程度でわたくしはやられませんよ。それにこれは非公式ながら、陛下も認めておいでです。」
「し、しかし！。」
「・・・わかりました。私に付くことを認めます。
しかし、今まで通り、シュン・ハヤカワとして扱うこと。それが条件です。」
「・・・かしこまりました。」
カルドは頭を下げた。