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世界大戦そして終戦
この世界
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「知っているか?ネビラ。」
公爵はそう言ってきた。
「この世界は地球そっくりらしいぞ?」
「・・・・え?」
初耳である。
「・・・・つまり過去か未来ってことですか?」ネビラは言った。
「お前も気づいてるだろうが。」
と言いながら公爵は星空を見た。
「ここには知ってる星座が存在しない。星座は数千年数万年単位では崩れない。歳差運動って知ってるか?」
「はい。」
「なら話が早い。つまりあの時代から数億年経過しなければここまで星座は崩れない。しかしだ。この世界は地球そっくりだという。俺たちのあの時代から数億年経ってたらまったく違う大陸配置になるはずだ。」
3億年ほど前、超大陸パンゲアが分裂して5大陸が生まれたように。
次も3億年ほど経てば再び超大陸パンゲア・プロキシマが生まれるという。
「・・・たしかにおかしいですね。そうだとしたら地球ではなく、まったく別の銀河にある星だと考えた方がはるかに合理的です。」
「そこで地球そっくりになる可能性は?」
「きわめてゼロとしか言いようがありません。しかしまったくのゼロではない。」
ネビラはいう。
「宇宙にはそれこそ無数の星があり、たまたま「反地球」みたいな星が存在してもおかしくはないかと。」
「俺も昔からそんなことを悩んでいてだな。・・・多元宇宙論的にみれば確率は高くなると思ってるんだ。別の世界の地球という可能性だ。」
「・・・。」ネビラは沈黙をもって先を促す。
「例えば魔法だ。地球では中世ヨーロッパで迫害されただけだが、この世界では実在して世界に影響を及ぼしている。・・・物理法則が違うかもしれない。」
「しかし太陽や星が輝いてるのは当然核融合反応でしょう。物理法則+アルファだと考えます。
それこそアインシュタインが言ったような宇宙定数か何か。」
「・・・確かに。・・・やはりお仲間がいると話が弾む。」
ドレル公爵は重荷から解放されたような爽やかな笑顔で言った。
「なにしろこの件での話し相手が居なかったからな。リリアは興味なさげだったが、あんな魔法の術者の関係者なら話が通じると思ったんだ。」
おもわず噴き出すネビラである。
「リリアなら・・・まあ、興味ないでしょうね。現実のこの国のことで精いっぱいでしょうから。」
悟ったような物言いに訝しがる公爵だった。
「・・・お前は継承する気はないのか?」
「妹と争う気は覚醒と同時に消失しましたよ。国を2つに割りたくはないですしね。」
「・・・そうか。それもよかろう。」
「ところでこの世界の地図、手にいられますか?あの世界と本当に同じなのか確かめたいのです。それと位置関係とかも。」
「わかった。商人どもに手配しておこう。」
「では。」ネビラは再びシュンに変わる。
「それは変身魔法なのか?」
「いいえ、簡単に言うなら、着ぐるみを着ているようなものですよ。」
「その姿が前世のお前なのか?男だったのか?」
「はい。そうですが何か?」
「いや、・・・ここまで生まれ変われるもんだなと感心してたところだ。」
歯切れの悪い返答をする公爵であった。
公爵はそう言ってきた。
「この世界は地球そっくりらしいぞ?」
「・・・・え?」
初耳である。
「・・・・つまり過去か未来ってことですか?」ネビラは言った。
「お前も気づいてるだろうが。」
と言いながら公爵は星空を見た。
「ここには知ってる星座が存在しない。星座は数千年数万年単位では崩れない。歳差運動って知ってるか?」
「はい。」
「なら話が早い。つまりあの時代から数億年経過しなければここまで星座は崩れない。しかしだ。この世界は地球そっくりだという。俺たちのあの時代から数億年経ってたらまったく違う大陸配置になるはずだ。」
3億年ほど前、超大陸パンゲアが分裂して5大陸が生まれたように。
次も3億年ほど経てば再び超大陸パンゲア・プロキシマが生まれるという。
「・・・たしかにおかしいですね。そうだとしたら地球ではなく、まったく別の銀河にある星だと考えた方がはるかに合理的です。」
「そこで地球そっくりになる可能性は?」
「きわめてゼロとしか言いようがありません。しかしまったくのゼロではない。」
ネビラはいう。
「宇宙にはそれこそ無数の星があり、たまたま「反地球」みたいな星が存在してもおかしくはないかと。」
「俺も昔からそんなことを悩んでいてだな。・・・多元宇宙論的にみれば確率は高くなると思ってるんだ。別の世界の地球という可能性だ。」
「・・・。」ネビラは沈黙をもって先を促す。
「例えば魔法だ。地球では中世ヨーロッパで迫害されただけだが、この世界では実在して世界に影響を及ぼしている。・・・物理法則が違うかもしれない。」
「しかし太陽や星が輝いてるのは当然核融合反応でしょう。物理法則+アルファだと考えます。
それこそアインシュタインが言ったような宇宙定数か何か。」
「・・・確かに。・・・やはりお仲間がいると話が弾む。」
ドレル公爵は重荷から解放されたような爽やかな笑顔で言った。
「なにしろこの件での話し相手が居なかったからな。リリアは興味なさげだったが、あんな魔法の術者の関係者なら話が通じると思ったんだ。」
おもわず噴き出すネビラである。
「リリアなら・・・まあ、興味ないでしょうね。現実のこの国のことで精いっぱいでしょうから。」
悟ったような物言いに訝しがる公爵だった。
「・・・お前は継承する気はないのか?」
「妹と争う気は覚醒と同時に消失しましたよ。国を2つに割りたくはないですしね。」
「・・・そうか。それもよかろう。」
「ところでこの世界の地図、手にいられますか?あの世界と本当に同じなのか確かめたいのです。それと位置関係とかも。」
「わかった。商人どもに手配しておこう。」
「では。」ネビラは再びシュンに変わる。
「それは変身魔法なのか?」
「いいえ、簡単に言うなら、着ぐるみを着ているようなものですよ。」
「その姿が前世のお前なのか?男だったのか?」
「はい。そうですが何か?」
「いや、・・・ここまで生まれ変われるもんだなと感心してたところだ。」
歯切れの悪い返答をする公爵であった。
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