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乙女の想い 二
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熱くなった顔を輪花は伏せた。
「そ、そうなんですか。……でも、若いお嬢さんにはよくあることだと聞きます」
気分にむらがあるというのだろう。金媛の年頃ならよくあることだ。
(なんだか、そんなこと考えている私って、まるでおばあさんみたいね)
輪花は少しわびしくなってきた。
人の恋の悩みを聞くよりも、本当は自分だって悩みたいのだ。
(そうよ。悩んでもいいろから……胸に想う人が欲しい。だって……私だって、十六になろうというのに)
嫁入りしている年頃である。だが、悲しいかな、輪花のまわりには、胸ときめく相手などいない。
緑鵬は自分の夢のために行ってしまった。英風は人の夫である。望みが高いと言われるかもしれないが、輪花は下男や出入りの商人相手に恋をしたいとは、どうしても思えない。
「こんな話は、輪花、本当に君にしかできない。くれぐれも他言無用だよ」
「はい。わかっています」
「あの娘、紅鶴も、多分君だから……君や私だからこそもう一人の自分をあらわしたんだと思う。私たち以外の人間だったら言わないだろう」
それについては輪花も奇妙なほど確信が持てる。あの娘は、相手を見て心情を告げるかどうか決めているのだ。そして英風や輪花なら話しても大丈夫と思って話してくれたのだ。
扉の向こうから衣擦れの音がして、聞き慣れた桂葉の声がひびいた。
「英風様、お食事のご用意が出来ました。奥様がお待ちでございます」
「今行くよ」
英風につづいて輪花も廊下へ出た。
桂葉は慎ましやかに英風には頭を下げたもの、輪花と目が合うと不満そうに目尻を吊り上げる。
「そ、そうなんですか。……でも、若いお嬢さんにはよくあることだと聞きます」
気分にむらがあるというのだろう。金媛の年頃ならよくあることだ。
(なんだか、そんなこと考えている私って、まるでおばあさんみたいね)
輪花は少しわびしくなってきた。
人の恋の悩みを聞くよりも、本当は自分だって悩みたいのだ。
(そうよ。悩んでもいいろから……胸に想う人が欲しい。だって……私だって、十六になろうというのに)
嫁入りしている年頃である。だが、悲しいかな、輪花のまわりには、胸ときめく相手などいない。
緑鵬は自分の夢のために行ってしまった。英風は人の夫である。望みが高いと言われるかもしれないが、輪花は下男や出入りの商人相手に恋をしたいとは、どうしても思えない。
「こんな話は、輪花、本当に君にしかできない。くれぐれも他言無用だよ」
「はい。わかっています」
「あの娘、紅鶴も、多分君だから……君や私だからこそもう一人の自分をあらわしたんだと思う。私たち以外の人間だったら言わないだろう」
それについては輪花も奇妙なほど確信が持てる。あの娘は、相手を見て心情を告げるかどうか決めているのだ。そして英風や輪花なら話しても大丈夫と思って話してくれたのだ。
扉の向こうから衣擦れの音がして、聞き慣れた桂葉の声がひびいた。
「英風様、お食事のご用意が出来ました。奥様がお待ちでございます」
「今行くよ」
英風につづいて輪花も廊下へ出た。
桂葉は慎ましやかに英風には頭を下げたもの、輪花と目が合うと不満そうに目尻を吊り上げる。
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