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血鎖 三
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「まさか……」
嘘をつかないで! と怒鳴ってやりたくなった。
私の知っている美菜はいつも人生を、生きるってことを楽しんでいるエネルギーの塊のような子だったはず……。
(高校生のときの事よ。あんた、知らないでしょう?)
高校生で……? そりゃ、そういう体験する子もいるかもしれない。たしかにいるだろうけれど……、美菜が。
(あんた、どれだけ美菜のこと知っているのよ? ううん、美菜だけじゃない。あの麻衣って娘も、どれだけ実の母親を憎んでいるか知っている? あの娘は心のなかでずっと母親を殺すことを、消えてもらうことを祈っていたのよ)
そんな……。
麻衣からそんな事は、当然ながら聞いたことがない。
でも、そういえば、実家では母親がうるさいから、とかそんな愚痴めいたことをこぼしていたのは何度か聞いた。どこの家庭でもよくある事だと、たいして気にもとめなかったけれど……。
(彼女たちのゆがんだ願望に私たちは引き寄せられたのよ。そして、血をもらった。美菜からは手を切った血を、麻衣からは流産したときの血を。だから、私たちは彼女たちの望みを叶えてやるように力を送ったのよ。親を殺したい、自分自身を殺したいという強烈な願望にね)
けらけらと、薄汚れた灰色のシルエットは、背をのけぞらせるようにして笑う。
(血といえば、美代だって血をくれるとき、実を言うと生理の血をくれたのよ)
私は不快さに眉をしかめていた。
(一番、たくさんくれたのは、幸恵が赤ん坊を生んだとき。たくさん出た血を、浴びせるようにして瓶に入れてくれたの。私たちはね、美代や幸恵の血を、それこそ女の命の源のような濃厚な血をもらってきたの)
私は黙ってミミの言葉を聞くしかなかった。
(そうやって得た力で、美代はたくさんお金を得て、知之だったかしら? 幸恵の男にお金をあたえてやったりもしたのよ。なのに、充分お金を得たらもうわたしたちを使おうとしなくなったのよ。わたしたちを、たくさんの血をあげるからね、と言葉たくみに言いくるめて瓶にもどして栓をして、珠鳳がしたように引き出しに閉じこめて物置にしまいこんでしまったのよ。ひどいじゃない!)
何か言おうと思ったけれど、うまい言葉がみつからず私は口を閉じていた。
(でも、わたしたちは物置のなかで過ごした時間、美代や幸恵の血をさいごの糧にしてどうにか生きのびたの。だからこそ、私はあんたの身体が欲しいの。私たちには深い絆が出来ているのよ)
「じょ、冗談じゃないわ!」
嘘をつかないで! と怒鳴ってやりたくなった。
私の知っている美菜はいつも人生を、生きるってことを楽しんでいるエネルギーの塊のような子だったはず……。
(高校生のときの事よ。あんた、知らないでしょう?)
高校生で……? そりゃ、そういう体験する子もいるかもしれない。たしかにいるだろうけれど……、美菜が。
(あんた、どれだけ美菜のこと知っているのよ? ううん、美菜だけじゃない。あの麻衣って娘も、どれだけ実の母親を憎んでいるか知っている? あの娘は心のなかでずっと母親を殺すことを、消えてもらうことを祈っていたのよ)
そんな……。
麻衣からそんな事は、当然ながら聞いたことがない。
でも、そういえば、実家では母親がうるさいから、とかそんな愚痴めいたことをこぼしていたのは何度か聞いた。どこの家庭でもよくある事だと、たいして気にもとめなかったけれど……。
(彼女たちのゆがんだ願望に私たちは引き寄せられたのよ。そして、血をもらった。美菜からは手を切った血を、麻衣からは流産したときの血を。だから、私たちは彼女たちの望みを叶えてやるように力を送ったのよ。親を殺したい、自分自身を殺したいという強烈な願望にね)
けらけらと、薄汚れた灰色のシルエットは、背をのけぞらせるようにして笑う。
(血といえば、美代だって血をくれるとき、実を言うと生理の血をくれたのよ)
私は不快さに眉をしかめていた。
(一番、たくさんくれたのは、幸恵が赤ん坊を生んだとき。たくさん出た血を、浴びせるようにして瓶に入れてくれたの。私たちはね、美代や幸恵の血を、それこそ女の命の源のような濃厚な血をもらってきたの)
私は黙ってミミの言葉を聞くしかなかった。
(そうやって得た力で、美代はたくさんお金を得て、知之だったかしら? 幸恵の男にお金をあたえてやったりもしたのよ。なのに、充分お金を得たらもうわたしたちを使おうとしなくなったのよ。わたしたちを、たくさんの血をあげるからね、と言葉たくみに言いくるめて瓶にもどして栓をして、珠鳳がしたように引き出しに閉じこめて物置にしまいこんでしまったのよ。ひどいじゃない!)
何か言おうと思ったけれど、うまい言葉がみつからず私は口を閉じていた。
(でも、わたしたちは物置のなかで過ごした時間、美代や幸恵の血をさいごの糧にしてどうにか生きのびたの。だからこそ、私はあんたの身体が欲しいの。私たちには深い絆が出来ているのよ)
「じょ、冗談じゃないわ!」
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