君の左目

便葉

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途切れた想い …2

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優樹菜は号泣して俺の前で何度も謝った。
すると、その後ろに雅也と隆志も立っていて、二人ともやっぱり泣いている。

「ほら、皆、席に着いて~」

いつの間にか教室に入っていた先生が、手を叩きながらそう叫んだ。先生は俺の顔を見て、ホッとしたように頷く。
でも、その後、急に顔つきが変わった。俺はその先生の変化に心が焦り出す。

「今日は、皆に残念な報告があります。渡辺寧々さんのケガの事は知ってると思うけど、寧々さんのケガの具合が思った以上に良くなくて、先々、東京の大きな病院に転院する事になりました。

そして、寂しいんだけど、そのまま東京の学校へ転校します。
急な転校で、何もかける言葉もプレゼントも贈れないけど、寧々さんも今、必死に頑張っているから、皆は心の中で寧々さんの無事を祈ってあげて下さい」

すると、茫然とした顔の優樹菜が手を上げた。

「先生、後で、寧々の引っ越し先の住所を教えて下さい」

優樹菜のその言葉に、他の女子も私も私もと声を上げる。

「皆、よく聞いて…

寧々さんは、この先、ちゃんとした生活を送る事ができないほどのケガを負ってしまっていて、寧々さんのご両親もまだ動揺している状態です。
住所は、現状では、皆に教える事はできない。

ご両親のそっとしてほしいという気持ちを分かってあげて下さいね」

「じゃ、寧々に、もう会えないんですか…?
私は… 
会ってごめんねって言いたいのに、会っちゃダメなんですか…?」

優樹菜は皆の前で大きな声で泣いた。女子も男子も、皆泣いている。
でも、俺は、心に開いた穴があまりにも大き過ぎて、不思議と涙も出てくる事を忘れてるみたいだった。

寧々に会えない…?

俺の最後の寧々の記憶は、可愛らしい笑顔じゃなくて、死んだように横たわる血だらけの寧々…

「先生、具合が悪いので家へ帰ります…」

俺はそう言って教室を出た。
昨夜、母さんが俺が寝入った横で、幹太は一生十字架を背負って生きていかなきゃならないって泣きながら言ってた。

十字架を背負う…? 寝たふりをしていた俺は、ずっと考えた。
でも、今、その意味がやっと分かった。
こういう苦しみと自分を責める気持ちは一生消えないという事。

特に、俺は寧々が大好きだから…  
本気で結婚したいって思ってたから…

今でも寧々が大好きで寧々を諦めきれない俺は、この十字架を背負ったまま、どうやって大人になればいいのだろう。寧々に会えない中で、どうやって…
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