イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる

便葉

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加恋はささやかな夢を見る

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私の名前は中山加恋。
二十歳の誕生日に超一流企業に勤める中山トオルさんと結婚した。
なんでそんなに早く結婚しちゃったの?って、たくさんの人に聞かれたけれど、トオルさんの熱量に負けたっていうのが本当のところ。


私とトオルさんが初めての出会ったのは、ある雑誌のグラビア撮影だった。
私は十六歳の頃からモデルの仕事をバイト感覚でやっていて、そんな時、初めて有名雑誌の表紙のモデルをオーディションで勝ち取った。
それが十七歳の夏。
絶対に失敗したくなくて意気揚々とその撮影に臨んでいた私に、トオルさんは一目ぼれをしたらしい。

「三十歳を目前に控えた男が、十七歳の君に一目ぼれなんてあり得ないよな…」

初めてトオルさんと言葉を交わした会話が、こんな甘い囁きだった。
その日を境に、毎日、トオルさんは私のいる撮影所へやって来た。

身長は180㎝以上、173cmある私が隣に立っても見上げるその感覚がすごく好きだった。
100人がいたら100人が認める美男子で、でも、その顔立ちを隠すようにかけている長方形のだてメガネがすごく似合っていて、その頃の私は、大人の雰囲気に包まれたトオルさんに夢中にだった。

そして、トオルさんのプロポーズはビックリするくらいに急だった。
高校の卒業式を終えた夜、トオルさんは真っ赤なバラの花束を抱えて我が家へ現れた。

トオルさんの事はお母さんには話していたけれど、お父さんは何も知らない。
高校卒業したばかりの娘が結婚??
お父さんの困惑した姿は、それは当たり前の反応だ。
でも、そんなお父さんも、トオルさんがEOCで働いていると聞いただけで、すぐに友好的な態度に変わった。
まだ学生だった私はEOCがどんな会社なのか何も知らなかったけれど、この日にとてつもなくすごい会社だという事を知った。

そして、トオルさんは私の二十歳の誕生日に結婚をする約束を無理やり両親と交わした。
私は…?
あまり物事を深く考えない私は、ま、いいか的なそんな軽い気持ちで結婚する事を決めた。
昔の言葉で言えば玉の輿とか言うらしいけれど、そんなものにはあまり興味はなくて、でも、モデルの仕事は二十歳までと条件をつけられた。

まだ二年ある。
モデルとしての賞味期限もきっとその辺りだし、ちょうどいいかなみたいなそれさえもそんな適当な感じ。
トオルさんは私の事を必ず幸せにすると、私と両親の前でそう約束してくれた。

そして、二十歳の誕生日、オーストラリアにある最高級のホテルで私達は結婚式を挙げた。
青い空、青い海、そして、お金持ちで最高にカッコいいトオルさん…
私って本当に幸せ者だと思う…

私の超一流な新婚生活が、この日から始まった。



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