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クリスマス
…14
しおりを挟むクリスマスイブはもう過ぎてしまったけれど、クリスマスの朝は今から始まる。
私達はソファからベッドに場所を移して、何度も愛し合った。
外は、もう、うっすらと夜が明け始め、昨夜の喧騒が嘘のようにしんしんと降り積もる雪は、私達に銀世界をプレゼントしてくれた。
「ミチャ、見て、綺麗…」
毛布にくるまったままべランダへ駆けていく私を、ミチャは笑いながら見ている。
この最高の雪景色を水彩画でも油絵でもいいから絶対に絵に描いて残したいと思った。
私はまだゴロゴロしているミチャの隣にもぐり込む。
ミチャはどうやら半分眠っている。
「ミチャ、今から、ちょっとだけ絵を描いていい?
今の景色をすぐに残したいの」
私はそう言いながら、ミチャの体を窓際の方へ押し出した。
「いいけど…
僕が邪魔なら、他の場所に移動しようか?」
私はブンブンと首を横に振りながら、ミチャのおでこにキスをする。
「ミチャはここでゆっくりと眠っていいよ。
できれば、こうやって横向きになって、腕をこっち側に向けて」
私はハッとして口を閉じた。
ミチャに私の計画を知られたくないのに、ミチャの目は何かを勘づいたように泳いでいる。
「も、もしや、まひる…?」
「いいから眠って下さい。 悪いようにはしないから…」
外の雪景色をバックにミチャの裸体が描きたいなんて、口が裂けても言えない。
でも、描きたい!
その創作意欲は湯水のように湧いてくる。
ミチャは諦めたのか、目を閉じて小さく息を吐いた。
私はそっとミチャに絡まっているシーツを下におろす。
気付かれないようにそっと…
「やっぱり嫌だ。
お互い裸の状態で、まひるがモンスターになるのは怖いよ」
確かに、私は絵を描き出すと、何かに取り憑かれているようになってしまうらしい。
自分では自覚はないのだけれども。
ミチャはそう言って、私を胸元に引きずりこむ。
「せっかくのロマンチックなクリスマスの朝に、僕に恐怖を与えないで…」
子供のように拗ねてるくせに、濃厚なキスで私を黙らせる。
そんなミチャが愛おしくて、ため息しか出てこない。
私達のクリスマスは、そんな風に過ぎていった。
愛しているという気持ちは、雪の白さのように純粋で、でも、儚く消える雪の結晶のように脆いもの。
私はもうミチャしか要らない…
ミチャと一緒に居れるのなら、夢もプライドも何もかも投げ出していい。
クリスマスの奇跡に、私は賭けるしかない。
ミチャと、四月が過ぎても一緒に居れる事を…
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