再会した御曹司は 最愛の秘書を独占溺愛する

猫とろ

文字の大きさ
3 / 26

元秘書は秘書になりたい!

しおりを挟む

『社長を捕まえる為に秘書をやっているんでしょ』
『そう言うの迷惑なんですけど』
『これだから若い秘書は。体で仕事出来て楽勝ね』

──違います!
私は赤井社長から迫られて、断っただけです。私からなんて嘘ですっ。

事実無根の言葉に反論したことは、つい先日のように今でも忘れられない。

そして言われなき誹謗中傷により、精神的にも参ってしまい。それが原因で仕事を続けることが出来なくて『akaI』退職。

「はやいもので、もう二ヶ月前かぁ……」

はぁと、ため息が出た。

退職してからの一ヶ月間はメンタルケアに努めた。
辛かったし。悲しかった。
でもそこで腐っていても仕方ないと、何とか心に喝を入れて再就職先を探し始めた。

なのにいまだに就職が決まらない厳しい現状。少しでも貯金をしなくてはならない。

なので長年通っていた市内のスポーツジムクラブを今月で、泣く泣く退会することになり。
せめて元を取るべく、こうして再就職活動のスキマ時間があれば積極的に利用していた。

見通しのつかない、再就職の不安やストレスを発散する目的もある。

朝からジムを利用して、昼になり。シャワーを浴びたあとスポーツウェアに着替え。長い髪をポニーテールに結び。

クラブのカフェエリアの一角で持参したサンドイッチ片手にクラブ内の無料のウォーターサーバの水を用意して、スマホで再就職先を探していたのだった。

しかし、今日も難航していた。
気分を紛らわせようともぐもぐと、サンドイッチを頬張る。お母さん直伝の味噌マヨネーズと卵とハムのサンドイッチ。実に美味しい。

「うーん。美容系の秘書にまた戻れたら、一番経験を活かせるんだけども」

水をこくっと飲む。

きっと無理だろうと思った。
なにせ私の前職は大手美容クリニック『akai』の秘書。
全国にチェーン店を構える大手クリニック。
無料脱毛、お友達紹介キャンペーンなどで電車の広告やSNS上でのショート動画の広告展開で知られている『akai』
きっと女子なら、一度は聞いたことがあるぐらいの知名度を誇っている。

私はその『akai』クリニックの赤井奏多社長の秘書をしていたのだ。

そこで悪い噂を流されてしまった。そんな秘書なんて雇いたいと思う人は少ないだろう。

仮に私のことを信用してくれても、周囲の目を気にして変に軋轢を生むかもしれない。
赤井社長は三十歳と言う年齢ながら、野心家でネット動画のチャンネルを持つインフルエンサーという側面もある。

そんな赤井社長と揉めたとレッテルを貼られた私が一番、この現状を理解している訳で。

「でも、私は何も悪いことしてないんだけどな」

そんな赤井社長の秘書は私だけではなく、数名いた。
その中で私は新入りとして先輩のもとで、バリバリと仕事を頑張っていた。そのお陰か、赤井社長から信頼も得たと思った矢先。

「エッチしよう、なんて馬鹿にしないでよ」

きっと向こうは軽いノリで、遊び相手を見つけたぐらいの気持ちだったんだろう。

それでも人を馬鹿にしていることには違いない。

嫌な思いを忘れようと、ツナに黒胡を効かせたキュウリのサンドイッチに手を伸ばす。

これもお母さん直伝。ポイントはキュウリのアク抜きをしっかりとすること。キュウリがシャキッとしていてツナがまろやか。

やっぱり美味しい。家を出るとき、料理上手なお母さんに色々と教えて貰ってよかったと感謝する。

一度スマホから視線を外して、食事に集中しようと思った。
なのに頭の中では罵られた記憶がこびりつき、拭いされない。

私は社長からの誘いがあったことを誰にも言ってない。
なのに次の日には、私が誘ったと言う噂が立っていたのだ。

誰が噂を広めたなんて、今となっては真実を知ったところでどうしようもない。
再び、ため息を吐きそうになるのを我慢して黙々と食べて。ご馳走でしたと呟き。

──べちゃりと机の上に突っ伏した。

「あぁ、もう秘書の再就職は諦めて、違う業種にした方がいいのかなぁ。折角頑張って資格をとったのに。秘書になりたくて頑張ったのにっ」

ついつい、弱音を吐く。

「おや。紗凪さんじゃないですか。久しぶりですねぇ」

聞き覚えがある柔らかい声がして上を向くと。
ロマンスグレーの髪をした、背筋がピンと伸びた私のジム友達。

昭義あきよしさんがそこ居た。
昭義さんはにこりと笑って、失礼しますよと私の向かいの席に座った。
机の上に広げたランチボックスやスマホを机の端に置く。

昭義さんと知り合ったきっかけは、ウォーキングマシンの設定に困っていた昭義さんを案内したことから。

それから、顔を合わせるたびに雑談をする仲になった。

「昭義さん。お久しぶりです」

「最近姿を見てなかったので病気でもされたかのと。お元気そうで何よりですね」

その言葉にお茶を濁した返事をした。
正直、あまり元気ではない。

でも昭義さんに愚痴っても仕方ない。それよりも私がジムを退会すると言うことを、伝えれるチャンスだと思った。

「心配してくれてありがとうございます。実はその。今月でこのジムを退会することになりまして。今まで仲良くして下さり、ありがとうございました」

ペコリと頭を下げると昭義さんは目を見開いた。

「紗凪さんが退会。それは寂しいですね。長年通ってらっしゃったのに。どこか違うジムに鞍替えですか? ピラティスやヨガのレッスンが充実しているところとか」

ピラティスやヨガは体を引き締めるためにレッスンを受けていた。
それは美容系の秘書と言うことや高校生時代、太っていたと言うことで、自分なりにボディケアに努めていたのだ。

「いいえ。そうじゃないんです。一身上の都合といいいますか」

あははと笑って誤魔化す。まさか就職先を探していて、お金に余裕がないとは言えなかった。

「一身上の都合ですか。なにか──お仕事を辞められたとか?」

「!」

言い当てられ、びくっとすると昭義さんは細い指先を机の上のスマホを指さして苦笑した。

「すみません。画面が見えてしまったので。もし、困っていることがあれば、この私で良ければ相談に乗りますよ」

まるで先生みたいに優しく笑う昭義さんに、胸がジンとする。
最近行き詰まっていたし。こう言うときこそ年長者のご意見をお伺いして、開ける道はあるかもしれないと、重たい口を開いてみるのだった。
元の勤め先や赤井社長の明言は避け。秘書をしていて理不尽な目に合って、悪い噂を流されて退職。

そして今は秘書と言う仕事以外にも、目を向けた方がいいのではないかと打ち明けると。
昭義さんはこくりと頷いてにこっと笑った。

「紗凪さんは凄く頑張ったのですね。本当にお疲れ様です。秘書なんて立派な仕事、私も良くお世話になったので尊敬します」

お世話になった?
そのワードが気になると、次の言葉が飛んできた。

「ところで、紗凪さんは何故、秘書を? 紗凪さんなら他の職業でも器用にこなせる気がしますが」

「ありがとうございます。実は私。高校生のときに太ってまして。しかもその原因が料理上手なお母さんの手料理をついつい、食べてしまうことが原因でした」

「それは、ある意味贅沢な悩みかもしれませんな」

「えぇ、私もそう思います。私もお母さんから料理を教えて貰って皆によくクッキーとか差し入れして、喜んでもらっていたんです。そのお陰か友達も沢山いて、楽しかったんです。でも、ちょっと男の子とは縁がなくて。それでも良いなって思う人からはフラれてしまいました」

実は学校一かっこ良くて頭が良くて。人気抜群の黄瀬薫君と言う男子に告白をされた。
それまで話したことなんか一度もなくて、晴天の霹靂だった。

以前から気になっていた男の子だった。凄く嬉しかったけど。

次の日。数人の女子に囲まれた。その女子達は当時流行っていた薔薇の香水を纏わせるギャル達。その子達が『黄瀬君の告白は罰ゲームなのよ、それを本気して可哀想』と言ったのだ。
とても悲しかったけど複数人のギャル達に言われて、何も言い返せなかった。
それに太っている私にイケメンの黄瀬君が告白してくるなんて、都合が良すぎると思ったのも事実。

それから気まずくて黄瀬君を避けた。

一度だけ手を掴まれてしまったが、それだけで恥ずかしくて。泣きたい気持ちになり『離して』ときっぱり拒絶の言葉を言った記憶は、今も頭にこびりついていた。

結局、受験もあってそれっきり。

なんとも苦い思い出だが、その思い出こそ秘書になろうと思った起源だった。

「そう言うことがあって、あんまり自分に自信が持てなくて。このままだと誰の役にも立たないと思えて……でも、それはダメだって。私をフッた子を見返してやる! って一念発起したんです」

「おぉ、素晴らしい。逃した魚は大きいってヤツですね」

そう言ってくれると嬉しい。
 
「それから、カッコいい女って言うイメージってなんだろうって。それは安直ですけど誰かの役に立つ、秘書じゃないかと思ったんです」

実は看護師とかキャビンアテンダントとか迷った。しかし、そう思ったのは高校三年の後半だったので希望するには少々スタートダッシュが遅い。
元より進路に悩んでいた。なんとなく会社に就職ぐらいしか考えていなかった。そこから頑張って勉強に励み、事務のバイトをしたり。

お陰で今だに男性と、ちゃんとお付き合いしたことが無かったけども。

でも秘書検定を無事に取り。無事に秘書になれたのだった。

「なるほど。そうして秘書になったんですね。しかもダイエットにも成功した。努力したんですね」

「はい。頑張りました。当時は勉強よりも、お母さんの料理を我慢するのが辛かったですね」

ふふっと笑うと昭義さんもニコリと笑ってくれた。

「もし美容関係……化粧品会社の秘書の再就職先があれば、興味ありますか?」

「えっ?」

「実は私のツテで化粧品会社の秘書なら、紹介出来ると思います」

「そんな、いいんですかっ。嬉しいです!」

思わず、がばりと前のめりになってしまう。

「紗凪さんにはこのジムで、大変良くして貰いましたから。それに紗凪さんみたいな真面目な方なら信用出来る」

「ありがとうございますっ!」

さっきまで思い悩んでいたのに、途端にパァッと道が開けた気分になった。打ち明けてよかったと喜びが胸に広がる。

すると、一気に現実的なことが気になった。
どこの化粧品会社だろうか。規模は? 本社は?
海外にも事業展開しているなら、私は国際秘書検定を取得しているので活かせるのでは? 
とか、いろんなことが一気に頭を巡った。

しかし次の瞬間には私の悪い噂が会社の迷惑にならないかと思い──気持ちが萎んでしまった。

「あの。私、迷惑になったりしませんか? 悪い噂のことなんですが……」

「噂は噂。紗凪さんはやましいことをしましたか?」

「いえ。絶対にしてません。それだけは違うって何度でも言えます」

「だったら何も問題ありません。仕事先を紹介します。あぁ、もちろん紗凪さんが気に入らないと思ったら、断って下さいね」

昭義さんの温かい言葉に話して良かったと思う。これでまずは再就職の一歩を踏み出せたことに安心した。

そうして、昭義さんはその場でさらさらとメモを書いて私に渡してくれた。
それは明後日の日付けと住所。待ち合わせの時間のみを書いた簡素なものだった。
しかも履歴書も不要。好きな格好でおいでと実にフランクだった。

そうして、メモを受け取ると昭義さんはこの後用事があると言って帰ってしまうのだった。

一人残され、受け取ったメモの住所を早速スマホで検索してみると「嘘でしょ?」と声が出た。

それは大手、化粧品会社『キセイ堂』本社の住所。

テレビCMでも見かける大企業。
海外進出も目覚ましい会社。しかも最近、社長の代替わりがあるとかないとかで、メディアにもその動きを注目されている企業だった。

「キセイ堂なんて超優良企業じゃない。昭義さんのツテって、本当かな?」

あまりのビッグネームの会社に、ただ驚くばかりだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。 ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。 そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。 彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。 「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。

【完結】あなた専属になります―借金OLは副社長の「専属」にされた―

七転び八起き
恋愛
『借金を返済する為に働いていたラウンジに現れたのは、勤務先の副社長だった。 彼から出された取引、それは『専属』になる事だった。』 実家の借金返済のため、昼は会社員、夜はラウンジ嬢として働く優美。 ある夜、一人でグラスを傾ける謎めいた男性客に指名される。 口数は少ないけれど、なぜか心に残る人だった。 「また来る」 そう言い残して去った彼。 しかし翌日、会社に現れたのは、なんと店に来た彼で、勤務先の副社長の河内だった。 「俺専属の嬢になって欲しい」 ラウンジで働いている事を秘密にする代わりに出された取引。 突然の取引提案に戸惑う優美。 しかし借金に追われる現状では、断る選択肢はなかった。 恋愛経験ゼロの優美と、完璧に見えて不器用な副社長。 立場も境遇も違う二人が紡ぐラブストーリー。

【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

椿かもめ
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。 【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】 ☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆ ※ベリーズカフェでも掲載中 ※推敲、校正前のものです。ご注意下さい

美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

花里 美佐
恋愛
★神崎 蓮 32歳 神崎造船副社長 『玲瓏皇子』の異名を持つ美しき御曹司。 ノースサイド出身のセレブリティ × ☆清水 さくら 23歳 名取フラワーズ社員 名取フラワーズの社員だが、理由があって 伯父の花屋『ブラッサムフラワー』で今は働いている。 恋愛に不器用な仕事人間のセレブ男性が 花屋の女性の夢を応援し始めた。 最初は喧嘩をしながら、ふたりはお互いを認め合って惹かれていく。

一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~

椿蛍
恋愛
念願のデザイナーとして働き始めた私に、『家のためにお見合いしろ』と言い出した父と継母。 断りたかったけれど、病弱な妹を守るため、好きでもない相手と結婚することになってしまった……。 夢だったデザイナーの仕事を諦められない私――そんな私の前に現れたのは、有名な美女モデル、【リセ】だった。 パリで出会ったその美人モデル。 女性だと思っていたら――まさかの男!? 酔った勢いで一夜を共にしてしまう……。 けれど、彼の本当の姿はモデルではなく―― (モデル)御曹司×駆け出しデザイナー 【サクセスシンデレラストーリー!】 清中琉永(きよなかるな)新人デザイナー 麻王理世(あさおりせ)麻王グループ御曹司(モデル) 初出2021.11.26 改稿2023.10

恋愛禁止条項の火消し屋は、子会社社長を守る側に立つ

swingout777
恋愛
本社人事の“火消し屋”として働く私は、統合プロジェクトの責任者として子会社へ常駐するよう命じられた。スローガンは「雇用を守るための統合」。――けれど赴任初日、私が見つけたのは“片道三時間・期限二週間”の勤務地強制テンプレ。家庭持ちを狙い撃ちにして辞めさせる、実質退職の設計書だった。 現場では、共働きの夫婦が「私が辞める」と言い出し、夫が初めて怒って泣いていた。私は火消し屋だ。誰かを守るために、誰かを切る仕事もしてきた。だからこそ言った。「辞めないで済む道は作る。でも、あなた達にも戦ってほしい。声を上げないと、都合のいい数字にされるから」 そんな夜、子会社社長の不倫疑惑が週刊誌に出た。ホテル密会写真。火消しのため社長に張り付く私を、現場叩き上げの彼は冷たく突き放す。「本社の犬か?」――だが写真の裏にあったのは、不倫ではなく“保護”だった。社長が匿っていたのは、会社の闇を握る男性告発者。潰されかけ、経歴ごと消される寸前の人間を、彼は自分が汚れる覚悟で救っていた。 本社は告発者にパワハラの濡れ衣を着せ、部下の新人に「守秘義務違反で潰す」と脅して証言させる。匿名通報が量産され、「新人は告発者とつながっている」という空気が社内を支配する。さらには社内チャットが切り貼りされ、私まで“共犯”に仕立て上げられた――「あなたも同じ側ですよね」。孤立した私の前に届いた、切り貼りではない全文。「あなたも同じ側ですよね。――守る側に立つなら、これを見てください」添付されていたのは、あの勤務地強制テンプレだった。 恋愛禁止条項を運用してきた私が、守るためにルールを破る側へ回る。社員を守ろうとする社長と、ルールを武器に人を切る本社人事部長。雇用を守る顔をした統合の裏で、恋は噂になり、噂は刃になる。それでも私は決める。守る側に立つ。――守りながら恋をするために。

行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました

鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。 けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。 そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。 シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。 困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。 夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。 そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。 ※他投稿サイトにも掲載中

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

処理中です...