絶賛、片想い中

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「やっと捕まえた」

人気のない廊下で腕を掴まれた瞬間、心臓が止まるかと思った

振り向かなくてもわかる
この声は、慧だ

「……離せよ」

「嫌だ」

いつもより低い声だった
振りほどこうとしても、思ったよりずっと強い力で掴まれている

「なんで避けるの」

「避けてない」

「嘘」

即答された

「颯斗は嘘つく時目合わせなくなるよね」

そんなことまで見てたのかよ
そう思った瞬間、泣きそうになる

「……彼女できたんだろ」

俺が絞り出すように言うと、慧の手に力が入った

「誰から聞いたの」

「誰でもいいだろ」

「よくない」

振り向いた先の慧は、見たことがない顔をしていた

静かなのに、ぞっとするくらい冷たい目だった
いつもの優しい笑顔なんか1mmも感じない

「……その噂、誰が流したんだろ」

「は?」

「まぁいいや」

パッと諦めたように言い手も離された

「で、それを聞いて避けたの」

「避けたって言うか、友達なのになんも言ってくれないんだなって思って、彼女いたら俺も邪魔だろ」

言ってしまった、友達はこんな拗ね方をしない
きっと重いヤツだと呆れられてしまう
そう絶望しながら慧をみると

冷たかった目がさらに鋭く、でも少し笑みを含んでいるように俺を見つめていた

「邪魔って、颯斗は本気で言ってる?」

一歩、近付かれる
逃げたいのに足が動かない

「俺が、どれだけ必死だったと思ってるの」

「……え」

「友達になるだけで半年かかったんだよ」

そう言ってまた1歩近づいた

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