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第9話 意外な結末
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……広間は、爆発によって巻き起こった煙によって視界が遮られ、しばし静寂が訪れる。
——まあ、概ね予想通りだったか。
水蒸気爆発の中、クリアは結論から言えば平然としていた。
そして、視界を良くするため適当な風の術式で煙を払う。
が、今の爆発で照明機材が全てダメになってしまったようで、辺りは真っ暗だった。
しかし、気配的にはグリーンが術式で壁を作ったらしく、ダメージを受けつつも二人は意識があるぐらいには無事なようだ。
それに安堵した直後、部屋の中央へ残った煙が吸い込まれていき、床から突如光が溢れ出してきた——。
その光はあっという間に大広間全体を明るく照らす。
そして、部屋の床の中央にあった円状の模様が、光に追従する様に円柱状に迫り出してきたではないか。
突然のことに、レッドとグリーンは理解が追いつかない様子だ。
そんな二人に、クリアは感謝を込めて、説明する事にした。
「お二人には感謝しますよ。なにせ、ルーツへの最後の鍵を開けてくれたのはお二人なんですから。……おや、何を言っているのか分からないって顔してますね」
ふふっ、と笑いを挟み、クリアは説明を続ける。
「要するに、先程の〈水蒸気爆発〉が、ルーツを手にするための条件だったという事です」
だから、わざわざ消火するのに水の術式を選んで使ったんですよ、とクリアは付け加えた。
クリアは、この最深部に来てからずっと考えていたことがあった。
この大広間だけ、やけに焼け焦げた瓦礫が多く、爆発した痕跡が残っていたというところが、ずっと引っかかっていた。
ルーツを隠したいだけなら、遺跡ごと破壊してしまえばいい。
しかし、遺跡内で爆発した痕跡があったのはこの最深部の大広間だけだった。
さらに、床は不思議な構成をしており、クリアですら『消す』ことができそうにない相当複雑な分子の構造で作られていた。
それだけではない。遺跡内には火と風のエレメントについて多く記されていた。
そんな事をまとめながら考察している中、まるで導かれるように火属性と風属性の侵入者が現れた。
クリアは戦いの中で、それを利用しようと考えたのだ。
最初の風との分子反応を起こした火球の爆発では、何も起こらなかった。
そして、まるで故意に読ませないように削り取られていた古代文字と爆発から、水蒸気爆発の事を思いついたのだ。
恐らくは、読めなくなっていた部分には、水のルーツかエレメントについて記されていたのだろうと。
レッドとグリーンは、決め手に使えると思っていたようだが、水蒸気爆発を起こすのは、最初からクリアのシナリオ通りだった、という訳だ。
ゆっくりと台座のようにせり上がる中央の床に歩みを進めるクリアに、相当息が上がっているグリーンが問いかけた。
「初めから狙ってたというのか……。だが何故だ……何故あれだけの爆発の中でそこまで平然としていられる……?」
なるほど、確かに先ほどまでの戦闘で与えた情報と彼らが見たであろう文献からも知ることができていない情報があったらしい。
「『消した』エレメントを出せるのも割と最後まで隠してたんですけど……こっちは隠すのにもっと苦労しましたよ。……ボクは手からしか『消せない』なんて一言も言ってないですよ」
今まで手を使って力を振るっていたのも、【風の弾丸】をわざと受けたのも、『手以外では対応できない』という印象を与えるための演技に過ぎなかった。
一瞬で大きな爆発を起こせる水蒸気爆発が通用すると思わせるために。
説明を終えたクリアは、上昇が止まった台座——クリアはそう呼ぶことにした——に近づいて足を止めた。
すると、クリアの到着を待っていたかのように台座の上部が三分割にゆっくりと開いていく。
完全に開き切った台座の中には、それぞれ古代文字で火と風と記された球体が収まっていた。
これが、ディールーツが世界各地で探し回り、収集するべきもの、ルーツだ。
今は休眠状態とも言える、力を全く放ってない状態なのでただの球にしか見えないが、一度力を解き放てば、強大な力を発揮する代物。
このアスラカチミオの遺跡のルーツは、クリア的に二つの意味で予定外だった。
一つは、一箇所の遺跡に、二つもルーツがあったこと。
そしてもう一つは、台座にポッカリと空いている球状のくぼみだ。
恐らく、台座に鎮座している二つのルーツを取り除けば、同じようなくぼみが綺麗な三角形状に並ぶだろう。
つまり、ここにあるはずのものが存在していないのだ。
収まっていたのは恐らく、〈水のルーツ〉。
これに関しては、クリアは薄々気づいてはいた。
この遺跡には、初めから先人が謎を解き明かした証拠が幾つも転がっていたのだから。
いつ、誰がもう一つのルーツを持ち出したかはまったくもってわからないが、今は二つもルーツを回収できることを喜ぶべきだとクリアはルーツに向かって手を伸ばす。
——刹那、炎と風の刃が飛んできてその手を止めさせられた。
——まったく、どこにそんな力がまだ残っているんだ。
クリアはそう思いながら、もはや術式ですらない、力任せに飛ばされてきた風と炎の刃を『消し去った』。
それらは、もう術式すら組む力も残ってない二人の限界を証明しただけだった。
——まあ、本当に相手がボクでなければ、幹部クラスにはいい勝負ができたかもしれないけれど。
クリアはそもそも『ディールーツ』の中でも〈特別〉な存在なのだ。
普通に戦うだけなら、まともにクリアの相手になる者がこの世界にまともにいるのだろうか……。
そう思われるぐらい、クリアの【力】は〈特別〉なのだ。
「……もう、いいんじゃないですか? 力の差は歴然、武器は既に折れてまともに使えない、そして術式を使うエレメントすらもう残ってないんでしょう?」
何一つ取っても、こちらに負ける要素は無い。
それほどまでに状況は歴然なのに何故立ち向かうのか。
——何が彼らの心をそこまで奮い立たせるのか。
クリアは、自然と思ってしまった事を口に出していた。
「どうして……そこまでして立ち向かおうとするんですか?! 一体なにがあなた達を突き動かすんですか!」
わからない、理解できない。そんな感情が言葉として強く表れた。
そんなクリアに、折れた剣を使ってなんとか立ち上がるぐらいギリギリのはずのレッドが、笑みを浮かべながらこう言ったのだ。
「俺達は戦士だ。自分の正しいと思う事に力を振るい、剣を抜く。例え武器が折れても、使える力が少なくても、【心】という名の剣が折れない限り、何度でも立ち上がるし、立ち向かう‼︎」
その言葉に、グリーンも首を縦に振って同意する。
——その瞬間だった。
まるでレッドの言葉に呼応する様に、二つのルーツが輝きを放ち、螺旋を描きながら空中に飛び出した。
そして、それぞれレッドとグリーン——の握る武器——目掛けて飛んでいく。
二人の武器とルーツがぶつかった瞬間、眩い光がクリアの視界を奪った。
その光が収まった時、二人が握っている武器は、もう先程までの刃の折れた武器ではなく。
——今までと全く異なる姿をしていた。
片や、レッドの武器は真紅に輝く刃に燃え盛る炎を纏う大剣。
片や、グリーンの武器は、激しい風を纏いし緑の刀身の刀。
「なんだこれ……すげぇ、なんていうか温かい力っていうか——」
「それにエレメントの力がみなぎる、か?」
グリーンの問いかけに、レッドは感激した子供のような顔でこくりと応えた。
その光景を見たクリアは、とある文献にあった一文を思い出した。
「ルーツが、『主』を選んだ……?」
主を選んだルーツは、主に合わせてその姿を武具に変えることがあるという。
その名は、〈エレメンタルアームズ〉。
クリアが思考を現状に戻すと、最初よりも強い闘志でこちらに武器を構えて対峙していた。
「さあ、続きを始めようぜ!」
先程のボロボロの二人はどこへやら、やる気全開でレッドは言ってきた。
——だが、クリアは違う。
今のクリアの頭の中にあるのは、任務失敗と全員撤退の二つだけだった。
これ以上の戦闘継続の意志は、とっくに消失している。
クリアにとって、エレメントアームズにまで覚醒したルーツを相手にするのは不測の事態だ。
しかもそれが二つも同時に相手にしなければならず、ルーツの力をどれほど引き出せているのかも未知数。
更に、他の懸念材料もある以上クリアは引くしかない……そう判断したのだ。
——自分の力は自分が一番理解しているつもりだ。
幻だの伝説の力などと呼ばれようと、決して何でもできる便利な代物ではないのだ、とクリアはあの日から幾度となく思い知らされている。
「やる気満々なところ悪いですけど、今回は勝ちを譲ります。……次会う時は、素直にルーツを渡してくれたらありがたいんですけどね」
二人に向かって作り笑いでそう言うと、クリアは連絡用端末を取り出して緊急連絡ボタンを押す。
すると、端末は強制的に遺跡内の調査隊全員の端末へと連絡を繋いだ。
「アスラカチミオ調査隊全員に報告! 緊急事態により、全員この場より即撤退命令を発令します! 端末の撤退装置で即帰還してください!」
指示を出し終えたクリアは、ちらりとレッドとグリーンの方を見る。
本当になんとなくだが、これからも二人とは長い付き合いになるかもしれないと感じながら、クリアは指をパチンと弾く。
すると、クリアの目の前に突如バチバチと激しい音を鳴らす空間の裂け目が現れた。
クリアがどこへでもドアを参考に作り出した術式、【どこからでもドア】……要するに、クリア専用の本部へ戻る術式だ。
あまりの撤退の手際の良さに唖然とクリアを見る二人を尻目に、クリアは裂け目に入り、アスラカチミオの地から姿を消したのだった——。
——まあ、概ね予想通りだったか。
水蒸気爆発の中、クリアは結論から言えば平然としていた。
そして、視界を良くするため適当な風の術式で煙を払う。
が、今の爆発で照明機材が全てダメになってしまったようで、辺りは真っ暗だった。
しかし、気配的にはグリーンが術式で壁を作ったらしく、ダメージを受けつつも二人は意識があるぐらいには無事なようだ。
それに安堵した直後、部屋の中央へ残った煙が吸い込まれていき、床から突如光が溢れ出してきた——。
その光はあっという間に大広間全体を明るく照らす。
そして、部屋の床の中央にあった円状の模様が、光に追従する様に円柱状に迫り出してきたではないか。
突然のことに、レッドとグリーンは理解が追いつかない様子だ。
そんな二人に、クリアは感謝を込めて、説明する事にした。
「お二人には感謝しますよ。なにせ、ルーツへの最後の鍵を開けてくれたのはお二人なんですから。……おや、何を言っているのか分からないって顔してますね」
ふふっ、と笑いを挟み、クリアは説明を続ける。
「要するに、先程の〈水蒸気爆発〉が、ルーツを手にするための条件だったという事です」
だから、わざわざ消火するのに水の術式を選んで使ったんですよ、とクリアは付け加えた。
クリアは、この最深部に来てからずっと考えていたことがあった。
この大広間だけ、やけに焼け焦げた瓦礫が多く、爆発した痕跡が残っていたというところが、ずっと引っかかっていた。
ルーツを隠したいだけなら、遺跡ごと破壊してしまえばいい。
しかし、遺跡内で爆発した痕跡があったのはこの最深部の大広間だけだった。
さらに、床は不思議な構成をしており、クリアですら『消す』ことができそうにない相当複雑な分子の構造で作られていた。
それだけではない。遺跡内には火と風のエレメントについて多く記されていた。
そんな事をまとめながら考察している中、まるで導かれるように火属性と風属性の侵入者が現れた。
クリアは戦いの中で、それを利用しようと考えたのだ。
最初の風との分子反応を起こした火球の爆発では、何も起こらなかった。
そして、まるで故意に読ませないように削り取られていた古代文字と爆発から、水蒸気爆発の事を思いついたのだ。
恐らくは、読めなくなっていた部分には、水のルーツかエレメントについて記されていたのだろうと。
レッドとグリーンは、決め手に使えると思っていたようだが、水蒸気爆発を起こすのは、最初からクリアのシナリオ通りだった、という訳だ。
ゆっくりと台座のようにせり上がる中央の床に歩みを進めるクリアに、相当息が上がっているグリーンが問いかけた。
「初めから狙ってたというのか……。だが何故だ……何故あれだけの爆発の中でそこまで平然としていられる……?」
なるほど、確かに先ほどまでの戦闘で与えた情報と彼らが見たであろう文献からも知ることができていない情報があったらしい。
「『消した』エレメントを出せるのも割と最後まで隠してたんですけど……こっちは隠すのにもっと苦労しましたよ。……ボクは手からしか『消せない』なんて一言も言ってないですよ」
今まで手を使って力を振るっていたのも、【風の弾丸】をわざと受けたのも、『手以外では対応できない』という印象を与えるための演技に過ぎなかった。
一瞬で大きな爆発を起こせる水蒸気爆発が通用すると思わせるために。
説明を終えたクリアは、上昇が止まった台座——クリアはそう呼ぶことにした——に近づいて足を止めた。
すると、クリアの到着を待っていたかのように台座の上部が三分割にゆっくりと開いていく。
完全に開き切った台座の中には、それぞれ古代文字で火と風と記された球体が収まっていた。
これが、ディールーツが世界各地で探し回り、収集するべきもの、ルーツだ。
今は休眠状態とも言える、力を全く放ってない状態なのでただの球にしか見えないが、一度力を解き放てば、強大な力を発揮する代物。
このアスラカチミオの遺跡のルーツは、クリア的に二つの意味で予定外だった。
一つは、一箇所の遺跡に、二つもルーツがあったこと。
そしてもう一つは、台座にポッカリと空いている球状のくぼみだ。
恐らく、台座に鎮座している二つのルーツを取り除けば、同じようなくぼみが綺麗な三角形状に並ぶだろう。
つまり、ここにあるはずのものが存在していないのだ。
収まっていたのは恐らく、〈水のルーツ〉。
これに関しては、クリアは薄々気づいてはいた。
この遺跡には、初めから先人が謎を解き明かした証拠が幾つも転がっていたのだから。
いつ、誰がもう一つのルーツを持ち出したかはまったくもってわからないが、今は二つもルーツを回収できることを喜ぶべきだとクリアはルーツに向かって手を伸ばす。
——刹那、炎と風の刃が飛んできてその手を止めさせられた。
——まったく、どこにそんな力がまだ残っているんだ。
クリアはそう思いながら、もはや術式ですらない、力任せに飛ばされてきた風と炎の刃を『消し去った』。
それらは、もう術式すら組む力も残ってない二人の限界を証明しただけだった。
——まあ、本当に相手がボクでなければ、幹部クラスにはいい勝負ができたかもしれないけれど。
クリアはそもそも『ディールーツ』の中でも〈特別〉な存在なのだ。
普通に戦うだけなら、まともにクリアの相手になる者がこの世界にまともにいるのだろうか……。
そう思われるぐらい、クリアの【力】は〈特別〉なのだ。
「……もう、いいんじゃないですか? 力の差は歴然、武器は既に折れてまともに使えない、そして術式を使うエレメントすらもう残ってないんでしょう?」
何一つ取っても、こちらに負ける要素は無い。
それほどまでに状況は歴然なのに何故立ち向かうのか。
——何が彼らの心をそこまで奮い立たせるのか。
クリアは、自然と思ってしまった事を口に出していた。
「どうして……そこまでして立ち向かおうとするんですか?! 一体なにがあなた達を突き動かすんですか!」
わからない、理解できない。そんな感情が言葉として強く表れた。
そんなクリアに、折れた剣を使ってなんとか立ち上がるぐらいギリギリのはずのレッドが、笑みを浮かべながらこう言ったのだ。
「俺達は戦士だ。自分の正しいと思う事に力を振るい、剣を抜く。例え武器が折れても、使える力が少なくても、【心】という名の剣が折れない限り、何度でも立ち上がるし、立ち向かう‼︎」
その言葉に、グリーンも首を縦に振って同意する。
——その瞬間だった。
まるでレッドの言葉に呼応する様に、二つのルーツが輝きを放ち、螺旋を描きながら空中に飛び出した。
そして、それぞれレッドとグリーン——の握る武器——目掛けて飛んでいく。
二人の武器とルーツがぶつかった瞬間、眩い光がクリアの視界を奪った。
その光が収まった時、二人が握っている武器は、もう先程までの刃の折れた武器ではなく。
——今までと全く異なる姿をしていた。
片や、レッドの武器は真紅に輝く刃に燃え盛る炎を纏う大剣。
片や、グリーンの武器は、激しい風を纏いし緑の刀身の刀。
「なんだこれ……すげぇ、なんていうか温かい力っていうか——」
「それにエレメントの力がみなぎる、か?」
グリーンの問いかけに、レッドは感激した子供のような顔でこくりと応えた。
その光景を見たクリアは、とある文献にあった一文を思い出した。
「ルーツが、『主』を選んだ……?」
主を選んだルーツは、主に合わせてその姿を武具に変えることがあるという。
その名は、〈エレメンタルアームズ〉。
クリアが思考を現状に戻すと、最初よりも強い闘志でこちらに武器を構えて対峙していた。
「さあ、続きを始めようぜ!」
先程のボロボロの二人はどこへやら、やる気全開でレッドは言ってきた。
——だが、クリアは違う。
今のクリアの頭の中にあるのは、任務失敗と全員撤退の二つだけだった。
これ以上の戦闘継続の意志は、とっくに消失している。
クリアにとって、エレメントアームズにまで覚醒したルーツを相手にするのは不測の事態だ。
しかもそれが二つも同時に相手にしなければならず、ルーツの力をどれほど引き出せているのかも未知数。
更に、他の懸念材料もある以上クリアは引くしかない……そう判断したのだ。
——自分の力は自分が一番理解しているつもりだ。
幻だの伝説の力などと呼ばれようと、決して何でもできる便利な代物ではないのだ、とクリアはあの日から幾度となく思い知らされている。
「やる気満々なところ悪いですけど、今回は勝ちを譲ります。……次会う時は、素直にルーツを渡してくれたらありがたいんですけどね」
二人に向かって作り笑いでそう言うと、クリアは連絡用端末を取り出して緊急連絡ボタンを押す。
すると、端末は強制的に遺跡内の調査隊全員の端末へと連絡を繋いだ。
「アスラカチミオ調査隊全員に報告! 緊急事態により、全員この場より即撤退命令を発令します! 端末の撤退装置で即帰還してください!」
指示を出し終えたクリアは、ちらりとレッドとグリーンの方を見る。
本当になんとなくだが、これからも二人とは長い付き合いになるかもしれないと感じながら、クリアは指をパチンと弾く。
すると、クリアの目の前に突如バチバチと激しい音を鳴らす空間の裂け目が現れた。
クリアがどこへでもドアを参考に作り出した術式、【どこからでもドア】……要するに、クリア専用の本部へ戻る術式だ。
あまりの撤退の手際の良さに唖然とクリアを見る二人を尻目に、クリアは裂け目に入り、アスラカチミオの地から姿を消したのだった——。
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