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第40話 謎・謎・謎
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「よし、この人で最後だね。ヒカリ、照らしてくれてありがとう、すごく助かったよ」
「どういたしまして! それで、この後はどうするの? ミヤちゃんもこの人達も未だに目を覚まさないし……一体なんで気を失ってるんだろう?」
ヒカリの術式によって作業が捗り、最後の女性から枷を外したクリアの感謝の言葉に、ヒカリはいつも通り返しながら思ったであろう疑問をクリアに問いかけてくる。
正直なところ、ミヤや被害者の人々がこれ程までに意識を取り戻さない理由が詳しい事はクリアにもわからなかった。
原因となりそうな物は幾つか思いつくのだが、すぐそこに例外が居るので、そのどれもが当てはまらないと考えられるのだ。
「ヒカリは捕まった時、何かされなかったの? 例えば、何か嗅がされたとか」
クリアの言葉に、ヒカリは「うーん……」と人差し指を頭に当てて思い出す素振りを見せる。
しかし、すぐに答えが返ってこないあたり、覚えていないのか、心当たりが無いのか。
ヒカリは結局何もわからないようで、「ごめん、わからない……」とクリアに返した。
「そっか……。それじゃ、一緒に捕まったミヤが何かされたとかは覚えてない?」
「ごめんねクリア。そもそも、何故かわからないけどどうして私達が捕まってこの荷車にいたのか、全然思い出せないの。気がついたらここに居て……そういえば、私が意識をはっきり取り戻したのは、端末の着信音が鳴った時だったかな?」
——ヒカリは捕まった時の一時的な記憶を無くしている……?
妙に引っかかる情報に、クリアは頭を捻らせるが、もはや考えて答えを導き出せる領域では無いと判断した。
「うーん、仕方ない。このままここで考えてもわからないだろうから、直接実行犯に聞いてくるよ」
ヒカリのお陰で少しは作業が捗ったとはいえ、やはり全員分の枷を外すにはそれなりに時間がかかってしまっていた。
これ以上このままこの中で過ごして居ても、事の解決にならないだろう。
「私も行った方がいい?」
答えを聞く前に着いてこようとするヒカリに、クリアは手で制して待って欲しいと伝える。
「ごめん。もしもの事があったら困るから、ヒカリはミヤやこの人達を見ててもらってもいいかな?」
正直なところ、これから外で一悶着あると踏んでいる以上、ヒカリをそれに巻き込みたく無いという思いがクリアにはあった。
——何かあった時すぐに逃がせるよう、できるだけヒカリ達には固まっていて欲しい。
「わかった。気を付けてね」
ヒカリの言葉に、「大丈夫」という意味合いを込めて笑顔で手を振って応えたクリアは、枷を幾つか手にして荷車の外に出た。
すると、王女が目を覚ましたのか、レッドと何か会話をしているのがクリアの視界に入ってきた。
——王女ももう目覚めたのか……。
益々謎が深まるばかりだが、とりあえず話を進めようとクリアはレッドに声をかける。
「レッドさん、その方は意識を取り戻したんですね」
「ああ、ついさっきな。……そうだ! クリア、この子もその荷車に乗せて匿ってくれないか? 何か事情があるらしくてさ、別に悪い事はしてないのにこの国の騎士に追われてるらしくてさ」
——……レッドさんという人は、どこまで単純なのだろうか。
レッドの言葉に唖然としつつ、そんなことを思いながらクリアは【不可視疑の一部】で捕縛している四人の手足に持ってきた枷をはめていく。
全員にはめ終えたクリアは、【不可視疑の一部】での拘束が不要になったことを確認してその【力】を体の中に戻していった。
そして、王女にどういう話をされたのかはわからないが、その話を信じて自分の立場が危うくなる可能性がある事を顧みず騎士達と敵対していたらしいレッド。
一言、流石にこのまま匿うのはよろしく無いと思ったクリアは、未だレッドに正体を明かさないローブの人物とレッドに問いかける。
「……匿うのは、お二人にそれぞれ質問をした後でもいいでしょうか?」
「ん? なんだ急に」
「…………」
レッドはクリアの言葉に不思議がるように頬をかいて返し、ローブの人物はクリアの方を見ることもせず無言で返した。
恐らく、ローブの人物はクリアが自分の正体に気付いている事に気付いているのだろう。
そうでなくとも、声を聞かれるだけで例年顔を合わせているクリアには正体が気付かれる可能性も考慮したのかも知れないが。
「レッドさん、そのローブの方がどんな方か知っていますか? ……そしてそちらのローブの方、何を目的として城を抜け出したのですか?」
「どんな方って? わからないけど困ってそうだったから助けたかったんだよな。そういえば名前もまだ聞いてないし自己紹介もまだだったよな! 俺はレッドだ。よろしくな」
「…………」
クリアにあっけらかんと返しつつ、マイペースと言えばいいのか自己紹介をしたレッドと、変わらず沈黙を貫くローブの人物。
「というか、城から抜け出したって? クリアはこの子の事を知ってるのか?」
クリアの言葉にようやく気付いたように聞いてくるレッドに、首を縦に振ってクリアは応える。
流石にここまで大事の事件に発展してしまった以上、そろそろ正体と目的を明確にして説明してもらわないとクリアも納得することはできない。
さらには巻き込まれたレッドやグリーン、そしてヒカリ達が不憫だと思うクリアはローブの人物に向けて真剣な眼差しで口を開く。
「お答えください。いくらあなたが相手でも、理由を説明して頂かないと巻き込まれた人達全員が不憫で仕方ありません。
……その中には、ミヤお嬢様を始めとしたボクの大切な人もいたのです。さあ、理由をお聞かせください、この国の王女、セインテッド・アーク・イエナ様!」
正式な自分の名を呼ばれたローブの人物は、ようやくクリアの方を向き、口を開くのだった。
「どういたしまして! それで、この後はどうするの? ミヤちゃんもこの人達も未だに目を覚まさないし……一体なんで気を失ってるんだろう?」
ヒカリの術式によって作業が捗り、最後の女性から枷を外したクリアの感謝の言葉に、ヒカリはいつも通り返しながら思ったであろう疑問をクリアに問いかけてくる。
正直なところ、ミヤや被害者の人々がこれ程までに意識を取り戻さない理由が詳しい事はクリアにもわからなかった。
原因となりそうな物は幾つか思いつくのだが、すぐそこに例外が居るので、そのどれもが当てはまらないと考えられるのだ。
「ヒカリは捕まった時、何かされなかったの? 例えば、何か嗅がされたとか」
クリアの言葉に、ヒカリは「うーん……」と人差し指を頭に当てて思い出す素振りを見せる。
しかし、すぐに答えが返ってこないあたり、覚えていないのか、心当たりが無いのか。
ヒカリは結局何もわからないようで、「ごめん、わからない……」とクリアに返した。
「そっか……。それじゃ、一緒に捕まったミヤが何かされたとかは覚えてない?」
「ごめんねクリア。そもそも、何故かわからないけどどうして私達が捕まってこの荷車にいたのか、全然思い出せないの。気がついたらここに居て……そういえば、私が意識をはっきり取り戻したのは、端末の着信音が鳴った時だったかな?」
——ヒカリは捕まった時の一時的な記憶を無くしている……?
妙に引っかかる情報に、クリアは頭を捻らせるが、もはや考えて答えを導き出せる領域では無いと判断した。
「うーん、仕方ない。このままここで考えてもわからないだろうから、直接実行犯に聞いてくるよ」
ヒカリのお陰で少しは作業が捗ったとはいえ、やはり全員分の枷を外すにはそれなりに時間がかかってしまっていた。
これ以上このままこの中で過ごして居ても、事の解決にならないだろう。
「私も行った方がいい?」
答えを聞く前に着いてこようとするヒカリに、クリアは手で制して待って欲しいと伝える。
「ごめん。もしもの事があったら困るから、ヒカリはミヤやこの人達を見ててもらってもいいかな?」
正直なところ、これから外で一悶着あると踏んでいる以上、ヒカリをそれに巻き込みたく無いという思いがクリアにはあった。
——何かあった時すぐに逃がせるよう、できるだけヒカリ達には固まっていて欲しい。
「わかった。気を付けてね」
ヒカリの言葉に、「大丈夫」という意味合いを込めて笑顔で手を振って応えたクリアは、枷を幾つか手にして荷車の外に出た。
すると、王女が目を覚ましたのか、レッドと何か会話をしているのがクリアの視界に入ってきた。
——王女ももう目覚めたのか……。
益々謎が深まるばかりだが、とりあえず話を進めようとクリアはレッドに声をかける。
「レッドさん、その方は意識を取り戻したんですね」
「ああ、ついさっきな。……そうだ! クリア、この子もその荷車に乗せて匿ってくれないか? 何か事情があるらしくてさ、別に悪い事はしてないのにこの国の騎士に追われてるらしくてさ」
——……レッドさんという人は、どこまで単純なのだろうか。
レッドの言葉に唖然としつつ、そんなことを思いながらクリアは【不可視疑の一部】で捕縛している四人の手足に持ってきた枷をはめていく。
全員にはめ終えたクリアは、【不可視疑の一部】での拘束が不要になったことを確認してその【力】を体の中に戻していった。
そして、王女にどういう話をされたのかはわからないが、その話を信じて自分の立場が危うくなる可能性がある事を顧みず騎士達と敵対していたらしいレッド。
一言、流石にこのまま匿うのはよろしく無いと思ったクリアは、未だレッドに正体を明かさないローブの人物とレッドに問いかける。
「……匿うのは、お二人にそれぞれ質問をした後でもいいでしょうか?」
「ん? なんだ急に」
「…………」
レッドはクリアの言葉に不思議がるように頬をかいて返し、ローブの人物はクリアの方を見ることもせず無言で返した。
恐らく、ローブの人物はクリアが自分の正体に気付いている事に気付いているのだろう。
そうでなくとも、声を聞かれるだけで例年顔を合わせているクリアには正体が気付かれる可能性も考慮したのかも知れないが。
「レッドさん、そのローブの方がどんな方か知っていますか? ……そしてそちらのローブの方、何を目的として城を抜け出したのですか?」
「どんな方って? わからないけど困ってそうだったから助けたかったんだよな。そういえば名前もまだ聞いてないし自己紹介もまだだったよな! 俺はレッドだ。よろしくな」
「…………」
クリアにあっけらかんと返しつつ、マイペースと言えばいいのか自己紹介をしたレッドと、変わらず沈黙を貫くローブの人物。
「というか、城から抜け出したって? クリアはこの子の事を知ってるのか?」
クリアの言葉にようやく気付いたように聞いてくるレッドに、首を縦に振ってクリアは応える。
流石にここまで大事の事件に発展してしまった以上、そろそろ正体と目的を明確にして説明してもらわないとクリアも納得することはできない。
さらには巻き込まれたレッドやグリーン、そしてヒカリ達が不憫だと思うクリアはローブの人物に向けて真剣な眼差しで口を開く。
「お答えください。いくらあなたが相手でも、理由を説明して頂かないと巻き込まれた人達全員が不憫で仕方ありません。
……その中には、ミヤお嬢様を始めとしたボクの大切な人もいたのです。さあ、理由をお聞かせください、この国の王女、セインテッド・アーク・イエナ様!」
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