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魔導王国アミリ朝クテシア編 〜砂塵と共に流れる因縁の章〜
怪談
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二週間後、あちこちが崩落しかけていたクテシア城の整備が終わり、拠点の一つとして機能するようになった。そこには連合の兵士達だけでなく、投降したり帝国から寝返ったりした者達の協力もあった。
そしてその間も投降するつもりの無い敵兵の処刑や物資の押収が行われ、舞蘭と社龍の強い希望もあって武公梦蝶の処刑も執行された。
「こらぁぁぁ!アレン、逃げるな!」
アレンは今、フレデリカに追い掛け回されていた。
「やだ!その目薬滲みる!」
「餓鬼じゃあるまいんだから逃げない!」
左眼を負傷したアレンはコンラッドから目薬を渡されたが、とにかく滲みる。
「アリシア、コーネリアス、あいつ追い掛けて!」
フレデリカの絶叫にも近い叫びを聞いた二人は談笑を止めて追跡を始める。
フレデリカは息を切らしながらふらふらと腰を降ろした。
(暑い…)
昼の砂漠は暑いのに、目薬を嫌がるアレンのせいで余計な汗をかいてしまう。
その時、兵士達が近くで談笑を始めた。
「なあ、苏安の怪談話知ってるか?」
「怪談話?大和の『厠の花実さん』しか知らないけど」
話しているのは、国も種族もバラバラの兵士達だ。フレデリカは脚をだらしなく広げたまま耳を澄ます。
「何でも、凰龍京で夜な夜な女の幽霊が出るらしい」
「あ、それ苏安の奴から聞いたよ。赤い衣の痩せこけた女だろ?手に心臓握った不気味な女だってな。見つかったら心臓が抜き取られちまうらしい」
「へぇ、肝試しには良さそうだな」
「馬鹿言え、貴族街と宮殿内での話だ。貴族街より向こうには入れねぇよ」
「大方、後宮で謀られて死んだ哀れな妃嬪の亡霊だろ」
「いや、それがな…女帝弥月だって噂もある。ほら、緋月が昇ってから現れたからさ。それに目が血のように赤かったって」
フレデリカは立ち上がった。今は忙しい時期だというのに、暑さを凌ぐ怪談話も大した事がなかった。
(そろそろアレンが捕まった頃かしら)
アレンの足の速さはアリシア譲りだ。アリシアも足が速く、コーネリアスと協力すれば捕獲は容易い。
歩いてコーネリアス達が向かった方へ歩くと、玉座の間の前に人だかりができている。
玉座の間は拠点に通じる〈鍵〉をおいてあり、物資や人が絶えず出入りしている。
「ちょっと、道を塞いだら駄目でしょ」
そう言って人を押し退けると、そこには苏安の重鎮である謝将軍と玉相国が居た。
「謝将軍に、玉相国まで!?どうしたのよ重鎮が雁首揃えて!」
玉相国は社龍の妻となった胡蝶の父で、普段は丞相として皇帝の政務を支えているが、緊急事態の現在は相国という緊急時のみの最高官位に就いて政を行っている。
「物資を届けに来たのですが、少し気になる事がありましてな。陛下とアレン殿を交えてお話がしたいのです」
「…あー…」
フレデリカは思わず間抜けな声を出した。
「アレンは大丈夫だけど、苏月は最近体調が優れないみたいだから、美凛でも良いかな」
謝将軍と玉相国は人の良さそうな笑みを浮かべて頷いた。
「ええ、構いません」
フレデリカは群衆を押し退けると、美凛に連絡しながらアレン達が走り去った方へ、二人とその護衛達を案内した。
しばらく歩くと、中庭から悲鳴が聞こえてくる。
「いぎゃあああああ!」
聞いたこともないようなアレンの悲鳴だ。
「こーら大人しくしろー?」
「アレン、もう一回で終わりよー?」
暴れるアレンをコーネリアスが押さえつけ、アリシアがコンラッドに処方された目薬を持っている。
「ぎゃああああああ!」
アレンの聞くに堪えない絶叫が中庭に響き、老将軍と相国が苦笑いする。
目薬に悶絶するアレンはごろごろとのたうち回り、来客には気づいていないようだ。
「随分と表情豊かになりましたな」
フレデリカは顔を押さえるアレンの腕を掴んで引っ張り起こす。
「ほら、謝坤のお父さんと胡蝶のお父さんが来たよ」
アレンは悪態を吐きながらも起き上がると、左眼を押さえながら挨拶した。
「お久しぶり。確か、ラダーン陥落以来か」
「お久しぶりです、アレン将軍。本日は相談があってですね⸺」
その時、美凛が走って来た。
「公主様に拝謁致します」
二人が御辞儀をすると、美凛は八重歯を見せて笑った。
「顔を上げて、二人とも。ごめんね、父上は体調が悪いから、今日は私が代理ね」
二人は軽く世辞を言うと、本題に入った。
「凰龍京の幽霊騒ぎ、貴方達は御存知ですか?」
アレンは頷いた。
「ああ、兵士達の間で人気の怪談話だな」
玉相国は顎髭を撫でて言った。
「それが、只の幽霊ではないのですよ。皇家とも繋がりのある、やんごとなき御方だとか」
「しまいには女帝弥月であると言い出す者まで」
アレンは立ち上がると二人の顔を見た。世代的には女帝弥月の顔を知っていてもおかしくない。なにせ二人は高齢だ。
「その顔からして、その亡霊は弥月ではないと考えているのか?」
「ええ」
玉相国は美凛をちらりと見た。
「その亡霊、緋月が昇った夜から目撃証言が相次いでいるのです。最初は貴族街でしたが、今度は焼失した麒麟宮跡と朱雀宮に現れるようになりまして」
「朱雀宮に?」
朱雀宮といえば、五年前に美凛が誘拐された皇后の寝殿だ。
「はい。女帝弥月は皇后ではなく淑妃でしたから、寝殿は朱雀宮ではなく玄武宮が寝殿でした」
「元々皇后様は麒麟宮にお住まいでしたが、美凛公主がお生まれになる九ヶ月に隕石が落ちてきまして。確か、御懐妊が判明する四ヶ月ほど前でしたか?」
苏安の後宮の最高位である四夫人は、下から徳妃が白虎宮、賢妃が青龍宮、淑妃が玄武宮、貴妃が朱雀宮に寝泊まりしている。しかし、美凛が生まれる前に皇后の麒麟宮が隕石によって焼失し、寝殿の移動が行われた。
(成る程、女帝弥月なら皇帝の寝殿か玄武宮に現れるはず)
「謝将軍と玉相国はこの件に、緋月か俺達が関与してると考えてる訳だ」
亡霊自体は珍しいものじゃない。しかし、赤い月と共に現れた女は少し気になる。
「苏安へ戻れば良いの?」
美凛の問いに謝将軍は首を振った。
「いえ。今貴女様が戻れば、本家派の残党が『皇帝が崩御した』とか訳の分からん噂を流すでしょう。なので、こちらに来れるか交渉してみます」
「何だって?」
思わずその場に居た者達は目を剥いて問い返した。
女は心臓を片手に夜な夜な現れては人を襲うという。実際、女の目撃談があった場所で男の死体が見付かるという事もあった。
「なあ謝将軍、あんたが謝坤の親父さんだから強いのは知ってるよ。けど話通じるのか?噂を真に受ける訳じゃないけど、殺された奴も居るらしいじゃないか」
アレンの問いに美凛はこくこくと頷く。美凛としても幼馴染の父親が心配なのだ。
「大丈夫ですよ。逃げた者は追わないとの事でしたし、手を出さなければ大丈夫かと思われます」
玉相国は謝将軍の方を向いた。
「これでヘマをしたら、孫の深緑と貴殿のとこの謝坤との婚約は破棄させるからな」
「おいおい、今それは関係ない無いだろうて…では、用意が整いましたらそちらに連絡致します」
年寄り達は軽口を叩き合いながらもアレン達に一礼してその場を離れた。
「…美凛、あの爺さん達…本当に大丈夫なのか?」
年とはいえ、万が一の為に苏月が国に残してきた戦力だ。何かあれば背後が危なくなる。仮に無事に連れて来られても、誰かが何かやらかして暴れられたらアスラン城まで撤退せざるをえなくなるかも知れないのだ。
「大丈夫だよ、多分」
アレンは溜息を吐いた。次はいよいよ国境のスィナーン城だと言うのに、何故こうも不安要素をお土産のように持って来るのだろう。
(まぁ、マンネリ化を防ぐには良いが…)
帝国との決戦が控えているというのに、このままでは不安過ぎる。しかし赤い月が現れたからには普通ではない事が起きているのは確かだ。
フレデリカも面倒だと思ったのか、アレンと顔を見合わせて同時に溜息を吐いた。
そしてその間も投降するつもりの無い敵兵の処刑や物資の押収が行われ、舞蘭と社龍の強い希望もあって武公梦蝶の処刑も執行された。
「こらぁぁぁ!アレン、逃げるな!」
アレンは今、フレデリカに追い掛け回されていた。
「やだ!その目薬滲みる!」
「餓鬼じゃあるまいんだから逃げない!」
左眼を負傷したアレンはコンラッドから目薬を渡されたが、とにかく滲みる。
「アリシア、コーネリアス、あいつ追い掛けて!」
フレデリカの絶叫にも近い叫びを聞いた二人は談笑を止めて追跡を始める。
フレデリカは息を切らしながらふらふらと腰を降ろした。
(暑い…)
昼の砂漠は暑いのに、目薬を嫌がるアレンのせいで余計な汗をかいてしまう。
その時、兵士達が近くで談笑を始めた。
「なあ、苏安の怪談話知ってるか?」
「怪談話?大和の『厠の花実さん』しか知らないけど」
話しているのは、国も種族もバラバラの兵士達だ。フレデリカは脚をだらしなく広げたまま耳を澄ます。
「何でも、凰龍京で夜な夜な女の幽霊が出るらしい」
「あ、それ苏安の奴から聞いたよ。赤い衣の痩せこけた女だろ?手に心臓握った不気味な女だってな。見つかったら心臓が抜き取られちまうらしい」
「へぇ、肝試しには良さそうだな」
「馬鹿言え、貴族街と宮殿内での話だ。貴族街より向こうには入れねぇよ」
「大方、後宮で謀られて死んだ哀れな妃嬪の亡霊だろ」
「いや、それがな…女帝弥月だって噂もある。ほら、緋月が昇ってから現れたからさ。それに目が血のように赤かったって」
フレデリカは立ち上がった。今は忙しい時期だというのに、暑さを凌ぐ怪談話も大した事がなかった。
(そろそろアレンが捕まった頃かしら)
アレンの足の速さはアリシア譲りだ。アリシアも足が速く、コーネリアスと協力すれば捕獲は容易い。
歩いてコーネリアス達が向かった方へ歩くと、玉座の間の前に人だかりができている。
玉座の間は拠点に通じる〈鍵〉をおいてあり、物資や人が絶えず出入りしている。
「ちょっと、道を塞いだら駄目でしょ」
そう言って人を押し退けると、そこには苏安の重鎮である謝将軍と玉相国が居た。
「謝将軍に、玉相国まで!?どうしたのよ重鎮が雁首揃えて!」
玉相国は社龍の妻となった胡蝶の父で、普段は丞相として皇帝の政務を支えているが、緊急事態の現在は相国という緊急時のみの最高官位に就いて政を行っている。
「物資を届けに来たのですが、少し気になる事がありましてな。陛下とアレン殿を交えてお話がしたいのです」
「…あー…」
フレデリカは思わず間抜けな声を出した。
「アレンは大丈夫だけど、苏月は最近体調が優れないみたいだから、美凛でも良いかな」
謝将軍と玉相国は人の良さそうな笑みを浮かべて頷いた。
「ええ、構いません」
フレデリカは群衆を押し退けると、美凛に連絡しながらアレン達が走り去った方へ、二人とその護衛達を案内した。
しばらく歩くと、中庭から悲鳴が聞こえてくる。
「いぎゃあああああ!」
聞いたこともないようなアレンの悲鳴だ。
「こーら大人しくしろー?」
「アレン、もう一回で終わりよー?」
暴れるアレンをコーネリアスが押さえつけ、アリシアがコンラッドに処方された目薬を持っている。
「ぎゃああああああ!」
アレンの聞くに堪えない絶叫が中庭に響き、老将軍と相国が苦笑いする。
目薬に悶絶するアレンはごろごろとのたうち回り、来客には気づいていないようだ。
「随分と表情豊かになりましたな」
フレデリカは顔を押さえるアレンの腕を掴んで引っ張り起こす。
「ほら、謝坤のお父さんと胡蝶のお父さんが来たよ」
アレンは悪態を吐きながらも起き上がると、左眼を押さえながら挨拶した。
「お久しぶり。確か、ラダーン陥落以来か」
「お久しぶりです、アレン将軍。本日は相談があってですね⸺」
その時、美凛が走って来た。
「公主様に拝謁致します」
二人が御辞儀をすると、美凛は八重歯を見せて笑った。
「顔を上げて、二人とも。ごめんね、父上は体調が悪いから、今日は私が代理ね」
二人は軽く世辞を言うと、本題に入った。
「凰龍京の幽霊騒ぎ、貴方達は御存知ですか?」
アレンは頷いた。
「ああ、兵士達の間で人気の怪談話だな」
玉相国は顎髭を撫でて言った。
「それが、只の幽霊ではないのですよ。皇家とも繋がりのある、やんごとなき御方だとか」
「しまいには女帝弥月であると言い出す者まで」
アレンは立ち上がると二人の顔を見た。世代的には女帝弥月の顔を知っていてもおかしくない。なにせ二人は高齢だ。
「その顔からして、その亡霊は弥月ではないと考えているのか?」
「ええ」
玉相国は美凛をちらりと見た。
「その亡霊、緋月が昇った夜から目撃証言が相次いでいるのです。最初は貴族街でしたが、今度は焼失した麒麟宮跡と朱雀宮に現れるようになりまして」
「朱雀宮に?」
朱雀宮といえば、五年前に美凛が誘拐された皇后の寝殿だ。
「はい。女帝弥月は皇后ではなく淑妃でしたから、寝殿は朱雀宮ではなく玄武宮が寝殿でした」
「元々皇后様は麒麟宮にお住まいでしたが、美凛公主がお生まれになる九ヶ月に隕石が落ちてきまして。確か、御懐妊が判明する四ヶ月ほど前でしたか?」
苏安の後宮の最高位である四夫人は、下から徳妃が白虎宮、賢妃が青龍宮、淑妃が玄武宮、貴妃が朱雀宮に寝泊まりしている。しかし、美凛が生まれる前に皇后の麒麟宮が隕石によって焼失し、寝殿の移動が行われた。
(成る程、女帝弥月なら皇帝の寝殿か玄武宮に現れるはず)
「謝将軍と玉相国はこの件に、緋月か俺達が関与してると考えてる訳だ」
亡霊自体は珍しいものじゃない。しかし、赤い月と共に現れた女は少し気になる。
「苏安へ戻れば良いの?」
美凛の問いに謝将軍は首を振った。
「いえ。今貴女様が戻れば、本家派の残党が『皇帝が崩御した』とか訳の分からん噂を流すでしょう。なので、こちらに来れるか交渉してみます」
「何だって?」
思わずその場に居た者達は目を剥いて問い返した。
女は心臓を片手に夜な夜な現れては人を襲うという。実際、女の目撃談があった場所で男の死体が見付かるという事もあった。
「なあ謝将軍、あんたが謝坤の親父さんだから強いのは知ってるよ。けど話通じるのか?噂を真に受ける訳じゃないけど、殺された奴も居るらしいじゃないか」
アレンの問いに美凛はこくこくと頷く。美凛としても幼馴染の父親が心配なのだ。
「大丈夫ですよ。逃げた者は追わないとの事でしたし、手を出さなければ大丈夫かと思われます」
玉相国は謝将軍の方を向いた。
「これでヘマをしたら、孫の深緑と貴殿のとこの謝坤との婚約は破棄させるからな」
「おいおい、今それは関係ない無いだろうて…では、用意が整いましたらそちらに連絡致します」
年寄り達は軽口を叩き合いながらもアレン達に一礼してその場を離れた。
「…美凛、あの爺さん達…本当に大丈夫なのか?」
年とはいえ、万が一の為に苏月が国に残してきた戦力だ。何かあれば背後が危なくなる。仮に無事に連れて来られても、誰かが何かやらかして暴れられたらアスラン城まで撤退せざるをえなくなるかも知れないのだ。
「大丈夫だよ、多分」
アレンは溜息を吐いた。次はいよいよ国境のスィナーン城だと言うのに、何故こうも不安要素をお土産のように持って来るのだろう。
(まぁ、マンネリ化を防ぐには良いが…)
帝国との決戦が控えているというのに、このままでは不安過ぎる。しかし赤い月が現れたからには普通ではない事が起きているのは確かだ。
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