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王宮絵巻
アラスタの凱旋
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本来、400の兵で1万の敵軍を退けたとなれば、王宮を挙げてのお祭り騒ぎとなる。
そうならないのには、それなりの理由があった。
国王や宰相にしてみれば、どう扱えばいいのか分からない。
第一王子の婚約者ともなれば、将来的には王妃となる存在だ。
それが王子側の身勝手な理由により、数々の手続きを無視して一方的に婚約破棄。
しかも理不尽にも、爵位を与えられたとはいえ、死地への赴任。
次席公爵家の、それも正室の長女である。
関わりたくないし、出来ることなら会いたくもない。
だが『会いたくありません』では国王は務まらない。
なので、非常に簡素に。
帝国との休戦協定も講和条約も結ばれていないことを大義名分に、非常に簡素に。
他の叙勲や慰労にくっつける形で、非常に簡素にすることにした。
その日、アラスタの姿は謁見の間にあった。
公爵家長女ではなく、男爵として、華美過ぎない相応のドレス姿で。
さすがに髪はバッサリと切ってしまったので、ウィッグで盛っているが。
「ベガドリア男爵アラスタ。
此度の働き、大義であった。
そなたの忠義に、最大の謝辞を送る。」
「はっ!
ありがたき御言葉、身に余る光栄にございます。」
アラスタの言葉に国王も頷く。
「さて、忠義に対しては報奨をもって応えねばならない。
何か望むものはあるか?」
「恐れながら、陛下。
私は、その陛下の意だけで十分でございます。」
「ならば、報奨として3万ゴールドを下賜する。
直轄地の駐在武官に申し伝える故、心得よ。」
「はっ!
過分なる御配慮、忠心より感謝申し上げます!」
発令の儀式、その中盤においてアラスタへの報奨式は終了した。
子爵への昇爵と栄転くらいは考慮できたが、それでは筆頭公爵に喧嘩を売ることになる。
国王は何も言わなかったし、アラスタもまた何も言わなかった。
何事もなく謁見は終わり、王家主催の舞踏会へと進んでいく。
そうならないのには、それなりの理由があった。
国王や宰相にしてみれば、どう扱えばいいのか分からない。
第一王子の婚約者ともなれば、将来的には王妃となる存在だ。
それが王子側の身勝手な理由により、数々の手続きを無視して一方的に婚約破棄。
しかも理不尽にも、爵位を与えられたとはいえ、死地への赴任。
次席公爵家の、それも正室の長女である。
関わりたくないし、出来ることなら会いたくもない。
だが『会いたくありません』では国王は務まらない。
なので、非常に簡素に。
帝国との休戦協定も講和条約も結ばれていないことを大義名分に、非常に簡素に。
他の叙勲や慰労にくっつける形で、非常に簡素にすることにした。
その日、アラスタの姿は謁見の間にあった。
公爵家長女ではなく、男爵として、華美過ぎない相応のドレス姿で。
さすがに髪はバッサリと切ってしまったので、ウィッグで盛っているが。
「ベガドリア男爵アラスタ。
此度の働き、大義であった。
そなたの忠義に、最大の謝辞を送る。」
「はっ!
ありがたき御言葉、身に余る光栄にございます。」
アラスタの言葉に国王も頷く。
「さて、忠義に対しては報奨をもって応えねばならない。
何か望むものはあるか?」
「恐れながら、陛下。
私は、その陛下の意だけで十分でございます。」
「ならば、報奨として3万ゴールドを下賜する。
直轄地の駐在武官に申し伝える故、心得よ。」
「はっ!
過分なる御配慮、忠心より感謝申し上げます!」
発令の儀式、その中盤においてアラスタへの報奨式は終了した。
子爵への昇爵と栄転くらいは考慮できたが、それでは筆頭公爵に喧嘩を売ることになる。
国王は何も言わなかったし、アラスタもまた何も言わなかった。
何事もなく謁見は終わり、王家主催の舞踏会へと進んでいく。
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