メクレロ!

ふしかのとう

文字の大きさ
24 / 118
第二章 魔法使い

第10話

しおりを挟む

 ーーこんばんは。  ミコーディア・ミック


 博士から短い手紙が飛んできた。今なら良いぜの合図である。



 …でも、明日からじゃないのか?

 寝る前に明日の天気知りたくて雲を見ようと窓を開けたら丁度来たのだ。明日の天気を知りたくて良かった。明日も晴れるだろう。


 ーー明日からかと思ってましたが嬉しいです。おやすみなさい。 タキ


 やはり1通となると、書こうと思っても書けないもので、無難な感じに落ち着く。もう夜も遅いし、おやすみなさいでも…しまった!おやすみなさいでこないだやっちまったんじゃねぇか!精霊さん、戻ってきて!初回からやらかしてたんじゃ目も当てられないよ!…お?ホントに帰ってきた!精霊さん、ナイスです。


 ーー明日からのつもりだったけど私がちゃんと飛ばせるか不安だったから一応お試しです。タキ君は本当に飛ばすのが上手ね。もう寝るとこ?   ミコーディア


 …これは罠か?返事を返すと、1日1通って言ってたじゃないの!もう手紙も禁止!っていう流れになるとか…まぁ博士はそんなことをするような人じゃない。多分。


 ーー質問されたら1通じゃなくなっちゃいます。これは1通に含まれません。まだ寝ません。   タキ


 …また来た。博士も調子が良いらしい。


 ーー私から聞いた場合は良いことになってます。今日、マキちゃんからタキ君のフリジールの話を聞いて、タキ君はどう思ったのかなって。   ミコ


 どう?どうと言われましても…。


 ーーやっぱり、魔法を使ったら記憶が無くなっちゃったんだなと思いました。   タキ


 そういえばどうでも良いけど、名前のところがミコになってて可愛い。


 ーー普通だね。でもそれ位しか無いか。マキちゃんのことは?  ミコ


 元々そっちを聞きたかったのかな?


 ーー話してると、やっぱりシンのお姉ちゃんだなと思いました。   タキ


 シンが女だったらあんなだろう。


 ーーマキちゃんはタキ君の記憶が無くなる前に告白する予定だったって言ってたけど、前のタキ君は付き合ってたと思う?   ミコ


 ーー付き合ってたと思いますよ。  タキ


 何回も2人で出掛けたりしてたみたいだしな。普通の男女がそんなこと繰り返してたなら正式な付き合いがいつ始まってもおかしくはない。マキちゃんが告白しなくたって2人はいずれ付き合ってただろう。


 ーーそうかもね。今のタキ君はマキちゃんと付き合わないの?   ミコ

 ーー言うの禁止って言ってるのに言わせようとするのはずるくないですか?  タキ

 ーーごめんなさい。そんなつもりじゃなかったの。でもあんなに好きって言われてたらタキ君も好きになっちゃうんじゃないかな?って思って。   ミコ


 ……うん。

 これはつまり、俺が好きって言ってるから博士の方でも俺のこと好きになっちゃったってことだよな?だから今の、好き禁止は…ん?


 ーー晩ごはん何食べた?


 誤魔化すの下手過ぎるだろ!?どんなことを書いたのか飛ばした後に気付いて、慌てて書いて飛ばしたのだろう。名前書き忘れてるし。可愛過ぎる。博士をベタ惚れにさせるつもりなのに、俺がどうにかなっちゃいそう。
 

 ーートマトソースのパスタです。   タキ


 ーーそうなんだ。ではそろそろ寝ましょう。おやすみなさい   ミコ


 ーーーおやすみなさい   タキ



 



 「おはようシン。朝から良い天気だね。」

 「おう。タキは朝から気持ち悪いな。研究室出入り禁止は辛いだろうが、そんなになっちまうのか?夜になったら手紙来るから待ってろ。」

 「実は昨日来た。」

 「まじか。だから気持ち悪いのか。」

 「なんとでも言え。俺は今世界で一番寛大だ。」

 「なんて送ったの?」

 「色々。なんだかんだ1時間くらいやり取りしてたから。」

 「え?1通じゃないの?」

 「博士からの質問は答えて良いんだろ?」

 「なにそれ?そんなの知らんよ?」

 「…おい、シン。」

 「ああ…タキ、もうちょっとの辛抱だ。」

 「もうちょっとだな。いやしかし、短い手紙を飛ばし合ってたんだけど、楽しかったわ。博士が今どんな顔して書いてるのかなとか考えてるだけで楽しくてしょうがなかったわ。」

 「完全に恋に溺れとるな。まぁ俺の言った通り、悪いことにはならなかったろう?」

 「本当にありがとうございます。この恩はいつか身体で返すわ。」

 「その際は存分に堪能させて貰おう。その時まで磨いておくがよい。」





 ーーこんばんは。今日の授業はどうだった?   ミコ


 家に帰って窓を開けてから風呂に入って適当に晩ごはんを作って食べていると博士から手紙が飛んで来た。シンも素晴らしい日課を作ってくれたもんだ。

 それにしても。

 これまた1通で終わらせる気が無いよな。またやり取りしてくれるつもりなんだと思うと小躍りしたくなっちゃう。食べてるから出来ないけど。


 ーー社会的心理学で女の子の口説き方を教わりました。   タキ

 ーーなにそれ?そんなことやったの?   ミコ

 ーーいつもそんな感じですよ。担当の講師がモテなさそうなんで眉唾な授業です。    タキ

 ーー参考にしてるんじゃないでしょうね?   ミコ

 ーー最初は参考にしようと思ったんですけど例に出てくる状況がいつも特殊なんで全然参考にならないんですよ。   タキ

 ーーそうなんだ。私は人間関係の構築に必要な心理学っていう説明しか知らないからそんな内容だなんて知らなかったな。
 なんだかこうして短い手紙のやり取りをしてると学生の頃を思い出すわね。   ミコ

 ーーごめんなさい。タキ君は記憶を無くしてるのに無神経でした。本当にごめんなさい。   ミコ

 ーー良いんですよ。今楽しいですから。本当に気にしないで下さい。それより学生の頃はどんなやり取りしてたんですか?   タキ

 ーー授業中に先生にばれないようにこっそり隣の席の子に手紙を渡すの。席が離れてたら隣の子が更に隣の子に渡してとかで教室の反対にでも届くの。内容はほとんどどうでも良いことばかりなんだけどそんなことを毎日やってました。   ミコ

 ーーどんな内容だったんですか?   タキ

 ーー先生の服の袖が汚れてるよ、とかダレダレちゃんがドコソコのダレダレを好きみたいとか別に休み時間に話せば良いんだけど皆でそういう遊びをしてたの。楽しかったなぁ。   ミコ

 ーー俺は今のこのやり取りも楽しいですよ。   タキ

 ーー私も楽しいです。そろそろ寝ましょう。おやすみなさい   ミコ

 ーーおやすみなさい   タキ

 



 「おい、シン!なんとかなるんだろうな?」

 「わからん。窓開けて聞いてみろ。」

 「…駄目だって!シン!ああ!」

 「本当に開けるやつがいるか!濡れるだろうが!しょうがないだろ、雨なんだから。」

 「天気が悪いから特別に会いに行くのは良いんだろうか?」

 「駄目だ。俺は博士と約束したことがいくつかあるが、その中のひとつに、タキが研究室に行こうとしたら止める、も入ってる。」

 「ぐぬぬ、因みに他のは?」

 「おとっつぁん、それは言わない約束よ?」

 「ぐぬぬ…どなたか!この中に雨を止ませられる方はいらっしゃいませんか!?」





 ーー昨日は雨で残念だったね。   ミコ


 結局夜まで雨で手紙が飛ばず、諦めて寝て起きたら快晴だった。今日は絶好の文通日和。そんなこと言ってて夜に風が強くなったら困るので後で風の精霊にお願いしとこう…などと考えながら家に帰って洗濯してたら手紙が来た。

 まだ昼ぞ?

 もしかして夜まで待ち切れなかったのだろうか?それなら可愛過ぎるだろ。別に夜に決めてた訳じゃないけど、なんとなく全て終わらせて寝る前にやるもんかと思ってた。雨上がりを心待ちにしてたのは俺だけじゃなかったんだな。


 ーー残念過ぎて早く寝ちゃいました。ところでまだ昼過ぎですけど博士は研究室じゃないんですか?   タキ

 ーー実験結果をまとめてるだけだからテスト期間中だし自宅でやってるのです。   ミコ

 ーーそうなんですね。頑張って下さい。   タキ

 ーー今は休憩してます。   ミコ


 暇だから構えってことか?可愛過ぎるだろ!これはなんとかならんか。本当にどうにかなってしまう!

 ーーそういえば先日、シンに手紙を飛ばしてみたんですけど全然上手くいきませんでした。この博士の魔法紙は博士向けだけに使えるなんてことがあるんでしょうか?   タキ


 書き始めて気付いたが、禁止言葉のせいでロマンチック魔法についての詳しい話がしにくい。とは言え、研究内容についてだからそんな博士の個人的感情を気にする必要あるか?といえば違う気もするが、それならそれでちゃんと研究室でやれば良い。この手紙は雑談だ。

 ーーそういうこともあるかも知れないわね。それはまた今度ちゃんと検証してみましょう。ところでタキ君は今何してるの?   ミコ

 ーー洗濯です。昨日は雨で干せなかったんで今日は晴れて良かったです。博士と手紙のやり取りも出来ますし。   タキ


 これくらい書くのは大丈夫だろうか…?


 ーーそうね。晴れて良かった。邪魔しちゃ悪いからこの辺で。またね。   ミコ


 …大丈夫らしい。

 そして、俺はやらかした。洗濯なんて言わないでお茶飲んでたとか言えばもっと続いたかも知れないのに!まぁ良いや、明日から気を付けよう。さて、言ったからにはとりあえず洗濯だ。


 ーーこんばんは。もう寝るとこ?   ミコ


 夜になって。テストが入学試験みたいに名前だけ書いて終わりなら良いけど、万が一に備えて魔法学の本を読んでいてそろそろ疲れてきた頃に博士から手紙が飛んできた。どうやら博士の方で暇になったらいつでも飛ばしてくれるらしい。

 さっきは洗濯してると答えて気を遣わせて打ち切りになったから、今度は気を付けなければならない。

 まだ寝ない、だと何してる?本読んでます邪魔しちゃ悪いわねの流れになる危険がある。しかし、寝るとこです、だとそれじゃおやすみで終了。寝てます、は頭おかしい。となると…。


 ーー昨日早く寝過ぎたせいで眠くならなくってどうしようか悩んでたところです。   タキ

 ーー私も。だから少しお話しない?   ミコ

 ーー喜んで!でも何の話を?   タキ

 ーー何か聞きたい話とかある?   ミコ


 聞きたい話?聞きたい話か…フリジールにあんまり帰ってないみたいだけど、その理由とか?でもそれは微妙に繊細な話になりそうで、今聞くのは違う気がする。博士の話か。


 ーー博士の小さい頃の話とか良いですか?   タキ

 ーー良いわよ。ただ長くなるかもしれないからちょっとずつ書いて飛ばすね。眠くなったら寝ても良いからね。   ミコ


 博士の小さい頃。それはそれはとんでもなく可愛かったに違いない。その姿を見ることは叶わないが、想像するだけで悶絶ものだ。


 …待てよ?


 もしや博士が子供を産んだらそんな悶絶ものの可愛い子供なんじゃ無かろうか?おおお…嫁さんも子供も世界一可愛いが、厳密に世界一なのはどっちなのか悩む日々を送らにゃならん!


 …という取らぬ狸のなんとやら。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。

猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。 復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。 やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、 勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。 過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。 魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、 四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。 輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。 けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、 やがて――“本当の自分”を見つけていく――。 そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。 ※本作の章構成:  第一章:アカデミー&聖女覚醒編  第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編  第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編 ※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位) ※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

処理中です...