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第五章 四角三角
第13話
しおりを挟む昨日は結局、俺は1人で風呂に入り、1人で寝た。
ミコとブルゼットは2人で風呂に入り、2人で寝た。
昨夜は、2人で話があるからと早々にミコの部屋に行ってしまった。疎外感を感じつつ1人で酒を飲んでも手持ち無沙汰なので、目が覚めないハーブティーを持ってパンツ一丁で突撃したものの、ありがとう風邪引くわよ等とミコが冷たいので、枕を濡らしながらさっさと寝たのである。
家族とはこんなに寂しいものなのか。
…で、まだ薄暗い時間に目が覚めて、今日こそブルゼットのパンツを拝むべく、ベッドで作戦を練っていると、部屋の外から囁くような会話が聞こえてきた。
ー良い?静かにね?はい……。
またミコだ。そしてブルゼットを連れている…よし。また寝惚けた振りをしてベッドに引き摺り込んで、捕まえたのがミコならお仕置き、ブルゼットなら…どうしよう?
カチャリ。
「オハヨーゴザイマス…。」
「オ、オハヨーゴザイマス…。」
律儀に小さい声で挨拶するのはなんなの?起きてた時はどうせ怪しいのに。可愛いミコめ。
近くに寄ってきた気配があり、囁くような会話を始めた。もしや、昨日言っていた俺の秘密とは、寝顔のことだったんだろうか。
「うん、寝てる。可愛いわよね。」
「…ホントだ。子供みたい。カワイイ。」
「あっ!ちょっと待って!言い忘れてたけど、タキ君は偶に起きてて、寝惚けた振りするから。」
「寝惚けた振り?」
「そう。ベッドに引き摺り込まれて、えっちなことされちゃうから気を付けてね?」
「えぇっ!?」
「しっ!起きちゃう!」
「あっ、ごめんなさい。」
「まぁ、実は起きてるかもだけど。」
起きてます。
「そしたら、ちょっと試してみます?」
「どうやって?」
「…ほっぺつんつん?」
発想が可愛いな、おい。
「起きちゃうし、起きてたら引き摺り込まれるわよ?」
「えっちなことされちゃうんでしたっけ?」
「そうね。」
「……。」
「……。」
「…私、行きます。」
「え?いえ、ここは私が行くわ。」
「……。」
「では……裏。」
「表。」
「……よし!それでは私が…。」
「待って!…このまま見てれば良いんじゃない?」
「ずるい!私今勝ったもん。つんつんします。」
「…あまり近付いたら駄目よ?」
「近付かないとつんつん出来ないから。ミコさんこそ、ちょっと離れてた方が良いよ?部屋の外とか。」
「あんたそのままえっちに持ち込もうっての?昨日話したばっかりじゃない!」
「でも、友達でも経験してる子居るし!引き摺り込まれたなら、それは事故です。」
「やっぱり私が行く。ブルに寝顔はまだ早かったのよ。」
寝顔に早いも遅いもあるか。とりあえず、どっちでも良いから早くして。唾が溜まって苦しい。
「つんつんを提案したのは私。勝ったのも私。起きてるかどうかは解らない。お姉ちゃんが決め事を守らないなら、私も守らないよ?良いの?」
何か2人で決めたらしい。ブルゼットはまだえっちしないとかかな?
「…解った。だけど、もし引き摺り込まれたら、身体をきゅっと小さくして耐えるのよ?後は私がなんとかする。」
「なんとかって?」
「…私も入る?」
「…それなら最初から2人で入ったら?」
「名案ね…と、言いたいところだけど、万が一起きてたら…。」
「ど、どうなるのかな?」
「…解らないから、一旦お風呂に入って考えましょう。」
「お風呂?なんで?」
「な、なんで?なんでって、ほら、他の人がお風呂にも入らないで勝手に自分のベッドに入ってたら嫌でしょ?だから、礼儀、そう礼儀だわ。」
「解った。えっちするつもりだ。」
「ち、違います。」
「でも、今タキさんが起きてたら、この会話も聞いてるってことですよね?」
「確かに…そうね。もし起きてたとしたら、きっとえっちなことを考えてる。そういう時の男の子って、その、まぁ、アレが大きくなるとかならないとか…。」
確かに少し元気だ。だが…。
「だから、その、毛布を捲ってみれば、見てみればタキ君が起きてるかどうかが解るんじゃない?」
「でも、私お兄ちゃんが居るから知ってるんですけど、男の人って朝とか寝てる時とかでもおっきくなるんですよ?だから、それだけだと起きてるかどうかは解らないのでは?」
ブルゼットはカンジのお陰で俺の今の状況を解ってくれてる。
「そういえば確かにそれは聞いた事があるわ。それじゃ見ても解らないか…。」
「……。」
「……見ても解らないかどうか解らないと思わない?」
「で、ですよねですよね?むしろ解るかも知れないし!」
「幸い、足の方から毛布を捲れば引き摺り込まれることも無い。そ、それじゃとりあえず確認してみましょ?」
「え、えぇ。確認ですもんね確認。」
…足の先から毛布を捲られている。少し恐るべき魔族のタッ君の様子はもうじき、えっち姉妹の目に晒される。ちょっぴり恥ずかしいが、今は魔族のタッ君に2人が夢中になってる隙に唾を飲み込む時間だ。
「…どう?」
「…寝巻きでよく解りませんね。」
「うん…。」
「……。」
「……。」
2人とも見過ぎだろ。
…いかん、見られてると思うと何だか、変な気持ちになって…。
「あっ!」
「動いた!…うわぁ。」
ブルゼットのうわぁは、なんのうわぁなのか。
「こんなのが私…。」
「しぃっ!タキさん起きてたら聞いてますからね!」
「あっ…っていうか、これはもう起きてる気がする。」
「私もなんとなくそう思います。なんとなくですけど…。」
ばれたか。まぁ、えっちな2人は、少なくともどちらかは何かしらやってくるだろう。えっちだから。そこを狙います。
「ふふっ。寝た振りしてえっちなことを考えてるタキ君はこのまま放っておいて、私達はもう少し寝ましょ?朝までまだあるし。」
「そうですね。まぁタキさんの無防備な顔と…無防備な顔が見れたから満足です…ふぁ、本当にまた眠くなってきました。」
「そうね。それじゃ…タキ君、また後でね。」
「おやすみなさい。」
…ぱたん。
家族とは何か。それは例えば、弄ぶだけ弄んで、はいさようならという類のものでは無い筈だ。見るだけ見といて、元気にするだけしといて、はいさようならとは何事か。えっち姉妹め。本気を出した男が如何程恐ろしいものか、思い知らせてやる…。
・・・。
カチャ。
「オハヨーゴザイマス…。」
そろそろ二度寝に入ったろう時間まで悶々と過ごして、ミコの部屋に来た。いつもならおはようのちゅうで起こすところだが、今日の俺はひと味違う。
寝てるミコの耳をたっぷりと可愛がって颯爽と出て行き、部屋で全裸待機する。するとミコは部屋に来るだろう。結果、朝からケーキを食べることとなる。我ながら完璧な作戦だ。
…2人ともぐっすりだ。
特に寝乱れてるところの無いのは残念だが、眠ってから時間も浅いので仕方ない。ブルゼットは寝てる姿も綺麗だ。ミコもいつも通り可愛い。
とりあえずいつものように、ミコの手に指を入れてきゅっと握られる、あの可愛い反応を…ん?…あれ?握ってくれないぞ?不審なのでミコを見ると…喉が動いた。
なるほど。ブルゼットは…そっちも起きてる。これは、俺が仕返しに来ることを予想して、2人で寝た振りしてやろうという魂胆だな。そして、俺が何をしてくるのかを楽しもうという、えっち姉妹ならではの遊び。そういうことなら、こちらも楽しませて貰おうじゃないか。
「うむ。2人ともぐっすりみたいだな。」
「……。」
「……。」
今更小さい声でも仕方ないし、わざと聞こえるように話して起きるかどうかの確認だ。起きないところを見ると、矢張り寝た振りで遊ぶつもりらしい。
「とりあえず、ミコにえっちなことをしよう。」
ぴくっ。
ミコの耳が動く。そこですな。
「目が覚めたとしても、隣にブルゼットが寝てるから声を出す事もあるまいて。」
独り言が多くて馬鹿みたいだなと思いつつ、そうっとミコ側の毛布を捲って…耳に口付ける。
「んふっ…。」
ぴくっ。
ミコの我慢した声にブルゼットが反応する。ブルゼットは仰向けだから目を開けられず、ミコが何をされてるのか解らない。
「ん…んふっ…。」
いつも以上に我慢するミコの声は扇情的で、このままがばっといきたい所だが我慢する。
「んんっ…あっ…。」
ぴくっ。
ミコの声が少し漏れてきた。ブルゼットの頭の中は今頃、相当盛り上がってるに違いない。ここらで耳はお終いにして次に行こう。
「そういえば、さっき足元から毛布を捲られてじっくり観察されたから、俺も見ておこう。」
…変態だ。俺は紛う事なき変態だ。
2人の足元に移動して毛布を捲る。もう静かにする必要も無いので、迷わずぱさっと捲ると…絶景だ。ミコの寝巻きは膝まであるが、ブルゼットは綺麗な脚は太腿まであらわである。2人共パンツタイプなので下着が見えなくて良かった。見えてたら、どうなるか自分でも解らない。
「どちらにしましょうかね?」
ぴくっ。ぴくっ。
…ちょっと面白い。
ミコの方は少しだけ悩ましげに脚が動いていて、見てると頭がおかしくなりそうになる位にそそられるが、ここはひとつミコのアピールを無視したい。これこそ、さっきの仕返しだ。
つまり、ここはブルゼットである。
ブルゼットの右足首にそっと触れて、これは我慢したらしい、それからそうっと持ち上げる。
…白くて綺麗な足だ。
その綺麗な足の先端、親指を咥えてみた。汚いことも無かろう。多分。
「んふっ…。」
…堪らん。16歳にこんなことしちゃいかん。
いかんのだが、そのまま足の指の間に舌を入れて…。
「んふああっ!あっ…。」
誤魔化さない位に声出てる。寝た振りじゃなくて、ただの我慢大会になっとる。俺はこのまま遡上して太腿まで頑張ってみたい。
「ふあぁあ、よく寝た!あら?もう朝ね!」
横で聞いてて耐えられなくなったのか、はたまた自分に来なかったことに対する抗議か解らないけど、ミコが今起きた振りをした。
「ブル?ほら起きて?朝よ?」
起こす振りだが、ブルゼットは起きているのだ。気にすることもなかろう。俺は今、忙しい。
「うんんっ!ふあっ!」
「ちょっと!?タキ君!終わり!もう終わりだから!大体何やって…」
がばっ!
「んが?」
ブルゼットの足を手にして爪先をがっぷり咥えた俺と目が合った。
「変態。」
・・・。
「散歩?」
「そう、お散歩。行きたいな?」
さっきあんな目に合ったのに、変態を散歩に誘うブルゼット。まぁ、デビイと行ったのを聞いてたんだろうな。前回は事情によりデビイと2人だったけど、今日は変態の恋人に事情は無い筈。3人でのんびり朝の清浄な空気を吸って、頭の中を掃除するのも悪くない。
「ミコも行くでしょ?」
「ううん、私は朝ごはん作るから。」
2人で話してこいってか。
・・・。
「手、繋いでも良い?」
「駄目だと言ったら離すのかな?」
「離しませんよ?」
「デビイは繋がなかったけど?」
「別にデビイの真似してお散歩って言ったんじゃないから!全くもう!」
「全くもう、はこっちですよ。家からずっと繋いでるじゃん。」
「まぁね。えへへ…でも、前もタキさんの家の前で会ったら手を繋いでくれてたでしょ?」
「まぁ、そうだけど。」
何だか色々なことがあって随分昔の話に思えるけど、最近の話なんだよな。特にブルゼットにとっては、ついこの間なんじゃなかろうか。
「最近のことなのに何だか懐かしい感じがします。」
違ったらしい。
「私、あの頃は絶対にタキさんと付き合うことになるって思ってた。まぁ、この乙女の勘は外れちゃったけどね。」
「外れたのかな?いずれ家族になるなら同じことだと思うけど。」
「結果は同じ…かどうかは解らないけど、途中が違うというか、無いんです。恋人ならではのドキドキとか…。」
「さっきドキドキしてたでしょ?」
「あああれは違います!もう!えっちなんだから!」
「あはは、俺は結構面白かったな。またやろっと。」
「えぇっ!?また!?それは、そんな…。」
「恋人ならでは、か…。」
「いきなり話を戻さないで下さい!」
「え?」
「え?…あ、いや、別に期待してる訳じゃないデスケド…。」
「もう、えっちなんだから。」
「なっ!?…もう怒りました。タキさんなんて、もう知らないから。」
「ごめんごめん。つい…。」
「つーん。」
「照れてるブルゼットが可愛くてさ…。」
「騙されません。つーん。」
「むぅ…。」
ご機嫌斜めになってしまった。
だけど手は離さないので、そこまででは無いらしい。きゅっ、きゅっと握る手に力を入れてみる。
「……。」
無言だけど、握り返してきた。もう一回やってみる。
「……タキさんは最低です。」
「すみません。」
「そうやって、ちょっと良い感じのことをするから、馬鹿な女の子が勘違いをするんです。こうすれば嬉しくなるって解っててやってるから最低なんですよ?」
「…すみません。」
「でも、好きです。」
「……。」
なんて返せば良いのか、咄嗟に出なかった。咄嗟にも何も、全然思い付かない。
俺がこっそり悩んでいると、ブルゼットは立ち止まってこちらを向いた。その顔は…笑顔。
「タキさん。話があります。聞いてくれる?」
話か。やっぱり、何か話があるから散歩に誘ったんだな。そして、ミコはそれを知っている。知ってて2人にしたということは、ミコはブルゼットの話を理解して賛同なり賛成をしているということだ。
…何の話だろうか?
にこにこしてるから、そこまで重い話でも無かろうが、少なくとも、明日はミコの番だとかそういう話じゃないことは確かだ。実は今日履いてないんですでも無かろう。
…この顔で、あの人と別れて私と一緒になって?ってナイフ突き出してきたら怖いな。
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