メクレロ!

ふしかのとう

文字の大きさ
75 / 118
第五章 四角三角

第15話

しおりを挟む

 ブルゼットを送った後、メラマさんに酒に誘われた。ブルゼットに好きだと言うところを目撃したことをミコに言わない代わりに付き合えとのことだ。でも…。

 「ミコには内緒でなくても良いですよ。知ってることだし。」

 「へぇ?ならますます楽しみだな。」

 楽しみ?

 「俺がこんなこと聞くのも変ですけど、怒ったりはしないんですか?」

 「怒る?ああ、幼馴染みだから大切にしろみたいなこと?別にそんなの無いよ。子供じゃあるまいし。」

 「なるほど。とりあえず、ミコに連絡しても良いですか?」

 「ん?ああ、手紙飛ばそうか?」

 「いえ、自分で飛ばしますよ。」

 メラマさんに会って、飲みに誘われたから帰るの遅くなる由を書いて飛ばす。

 「…驚いたな。今の、風のだろ?魔族は我々の魔法とは違うって話だけど…。」

 「ミコの魔法紙持ってるんですよ。魔法紙は知ってますよね?」

 「ああ。ロクラーンで発行されてるやつだろ?ミコの、っていうのは、ミコが作ったの?」

 「はい。だからか解りませんが、ミコに対してしか使えないみたいなんですけど…おっ?」


 ー了解。ブルの迎えはどうする?ミコ


 「良いらしいです。ただ、遅くても夕方までですけど良いですか?」

 「うん?ああ、そんなに拘束したらミコに怒られちゃうからね。タキ君の好きなようにしてくれ。」

 「解りました。」


 ー夕方までには帰るから一緒に行こうタキ


 「ミコはちゃんと手紙飛ばせるようになったんだな。」

 「そうみたいですね。前は下手だったって言ってましたけど。」

 「エルフは、誰か好きな人が出来れば上手くなるって話があるからね。君のお陰かな?」

 「ミコもそう言ってくれました。でも、本当にそういうことがあるん…。」


 ーそれなら後でそっちに行くから一緒に行きましょ?ミコ

 ーじゃあ家出る時に教えて。場所はその時に知らせる タキ


 「まとまったかい?よし。それじゃ、どこか入ろう。何が食べたい?好きな酒とかあれば…。」

 「こんな時間ですから、軽いものをつまみながら、強いお酒をのんびりやれるところがあれば…。」

 「なるほど。よし、そんな呑兵衛向きの店がある。そこに行こう。」

 「お任せします。それで、好きな人が出来たらって本当にそういうことがあるんですか?」

 「うん。まぁ、きっかけのひとつに過ぎないけどね。俺達の場合は、人間の魔法と違って、神の言葉を使わないで精霊にちゃんと伝える必要がある。その時の熱意みたいなものかな?それが足りないと上手くいかない。好きな人が出来て、好きな人に見せたいとか伝えたいという気持ちが自然と熱意となって伝わる。その感覚を覚えてしまえば、他の魔法も上手くいくって話さ。」

 「なるほど。」


 ー了解。メラマに変なこと言わないように聞かないようにミコ


 「こう言ってますけど?」

 「男の秘密の話を邪魔するなって言っておいて。」

 「あはは、怒られちゃいますよ。」

 「大丈夫だろ。どれ、俺が飛ばしてみよう。」

 メラマさんがさらさらと書いて飛ばす。

 「これでよし。それで、ここだ。ちょっと待ってて。」

 きぃぃ。

 ーどうも、2人で、外の席……。

 「…よし、良いそうだ。そっち座ろう。」

 角にある小さなレストランの外の席に座る。

 「適当に頼んでくるから、ちょっと待ってて。」

 そう言ってメラマさんはお店の中に入っていった。

 それにしてもお洒落な店だな。大人って感じだ。アッちゃんと来たりするのかな?

 「お待たせ。とりあえず飲み物持ってきた。食べ物は後で来るから、とりあえず、乾杯しようか。」

 「ありがとうございます。乾杯…良いお店ですね。アッちゃんと来たりするんですか?」

 「いや、2人で来たことは無いな。」

 「そうなんですか?」

 「ああ。前の彼女と偶に来てた店だからね。」

 それは連れて来にくいな。

 「だけど、もっと前から来てるから、こうやって早目に帰って、独りで飲む時なんかには偶に来るんだ。」

 「なるほど…それで、さっきの話に戻るんですけど、好きな人が出来て、それがきっかけになって上手くいくのは解ったんですけど、俺の場合は他の人に手紙を飛ばせなかったんです。それって、ミコの魔法紙だからなんですかね?」

 「ミコ以外に飛ばせないの?」

 「ええ。やってみたんですけど…。」

 「その魔法紙見せて貰える?」

 「はい…これです。」

 財布に入れておいた小さい紙片を渡す。

 「ありがとう…恥ずかしながら魔法紙を見るのが初めてでね。これって何も書いてないけど…。」

 「聖水で書いてあるんです。俺はその、魔族だからか、ちょっと温かく感じますけど、まぁ何も書いてないように見えますよね。」

 「ああ。これじゃ俺には何も解らないな。後でミコに聞いてみよう…それじゃ、さっきの女の子について聞いても良いかな?まぁ飲んで飲んで。」

 「メラマさんも飲んで下さいよ…あの子は、解りやすく言えば、俺が一夫多妻みたいになっちゃってて、その2番目の子です。」

 「また凄い話が出てきたな。一夫多妻?」

 「魔族が昔そうだったらしいんです。それで、まぁ色々あって、今俺がそういうことになったと。」

 「知らないことっていうのは案外多いものだな。ミコは1番目ってことだろうけど、他にも居るのかい?」

 「ええ、まぁ。ミコ以外に3人居ます。予定ですけど。」

 「予定?」

 「まぁ、俺がミコと結婚してから初めてそうなることになってます。」

 「ふぅん。さっきの子は人間だよね?」

 「そうですね。他の子も人間がもう1人と、ドワーフの子が1人居ます。」

 「多種族を股にかけるとか、色男だなぁ。同じ男としては羨ましい限りだ。」

 「変なことになっちゃったなって思いますけどね。」

 「俺は魔族のことは知らないけど、昔はよくあることだったんだろ?」

 「そうらしいんですけどね。」

 「もう今ではあまり聞かないことだったの?」

 「今では、っていうか、俺はそもそも自分が魔族だって知ったのが最近でして。」

 「えっ?なんで?」

 「こないだ聞いたかと思うんですけど、魔法で人を治すと記憶を無くしちゃうんです。そのことを知ったのも最近で、それまでは人間だと思ってました。」

 「ああ、そんなことを聞いたような…でもそれなら、人間の時にミコを口説き落としたのかい?」

 「ええ、まぁ。人間でも良いって言ってくれました。」

 「それはそれは、余程君に惚れたんだろう。あいつは昔からずっと、人間は好きにならないって言ってたからね。ほら、お祖父さんが人間だからさ。聞いたかも知れないけど。」

 「ええ。でも、リリーディアさんも応援してくれて。」

 「リリーディアに会ったのかい?」

 「ええ。俺の魔法と記憶のことを聞きに行ったので、その時に。」

 「それじゃ、リリーディアも君を認めたんだな。いやはや、君は大したやつさ。ルタが敵う相手じゃないってことだな。」

 「その、ルタさんはやっぱり…。」

 「ああ。まぁ、ちっちゃい頃ミコと同じ位の奴らは皆ミコを好きだったんだ。今でもってのはルタだけだがね。でもミコにその気が全然無かったから…ま、君は心配しなくても良いだろう。ミコはタキ君にべた惚れみたいだし。」

 「そっちの心配はしてませんが、皆さんの幼馴染みの集まりが変な雰囲気にならなければ良いなと。」

 「優しいな。でも、そっちの心配も要らないよ。俺達は、まぁタキ君もだけど、この先長いんだ。例え仲違いをして100年会わなくったって、100年後に笑えたら良い。そうだろ?それが死ぬまで仲違いが続くようなら、その程度の仲だったってだけさ。」

 「そういうものかも知れませんね。」

 「ま、そうは言ってもだ。さっき言ったこととは逆になっちゃうけど、ミコとは末永く仲良くして大事に可愛がってやってくれ。」

 「そのつもりですよ。逃げたってまた捕まえますし。」

 「ははっ、逃げるなんてことは無いだろうし…おっ、来たか。おーい。」

 「…メラマ!あんた騙したでしょ!?」

 ミコが怒鳴り込んできた。

 「騙してなんかないさ。タキ君好みの女の子が居る店になっただろ?」

 「えっ?あっ…あんたねぇ…。」

 赤い顔でジト目のミコ。可愛い。俺好みのミコ。

 「なんでミコがここに?」

 「えっ?いやまぁ…。」

 「俺がさっき手紙飛ばしたから、すっ飛んで来たんだろ。」

 「なんて書いたんです?」

 「話すな聞くなって書いてあったろう?だから冗談で、タキ君好みの女の子の居る店に行くからそんな話もしないだろうってな。それで、そんなとこ連れてくな!とか返事が来たら、嘘だから大丈夫って飛ばそうと思ってたんだけど、まさか慌てて探し回るとはね。」

 メラマさんがくっくと笑っているのを、ミコが睨んでる。

 「もう!何軒も入って、恥ずかしいったら無かったわよ!私も飲む!メラマの奢りだからね!」

 「仕方無いな、奢らせて頂きます。それで、来たとこ早々だけど、ミコの他に3人もタキ君の嫁さん候補が居るんだって?」

 「何よタキ君、そんなこと話したの?」

 「いや、俺がさっき、タキ君が女の子連れてるとこ見掛けたんだ。それで、女の子が照れて走って行っちゃったところを捕まえたから、事情を聞こうと思ってな。」

 「良い肴になると思っただけじゃないの?」

 「否定はせんがね。タキ君とは少し話してみたかったっていうのもある。大事な妹分の恋人だからね。」

 「ふん、どうだか。それよりメラマ、アッちゃんにも妹分とか言ってたんじゃないでしょうね?」

 そう言ってミコがメラマさんを睨む。

 「…それで?ミコはタキ君の周りに女の子が居て大丈夫なのか?さっきの様子だと、相当嫌そうに思えるけど?」

 無視するメラマさん。

 「誤魔化した…まぁ、その子達にはそれぞれ事情があるのよ。だから、私にとってはもう、家族みたいなものだと思ってるの。そんな訳だから、メラマはこれからもタキ君をそういうお店に連れてったりしちゃ駄目だからね?」

 「奥さんの束縛が厳しいな。タキ君?乗り換えるなら早目が良いぞ?さっきの子なんか、綺麗だしスタイルも良いしおしとやかっぽいし、丁度良いじゃないか。」

 「でも俺、1番俺好みの子がミコなんで。」

 「えっ…と…。」

 「それは残念。でも真っ赤な顔して喜ぶミコが見られたのは収穫だな。」

 「…もうアッちゃんに言うからね。メラマはそういうお店行ってるって。」

 「大人の付き合いがあること位あいつも知ってるさ。それにここ何年か、結婚してからは行ってないしね。」

 「ふぅん…あんた達、随分時間掛かったのね。きっかけは何だったの?」

 「えぇ?あんまり話したくないなぁ。アジにも怒られちゃうよ。ほら、タキ君もそんなに興味無いよな?な?」

 「興味が無いと言うと嘘になります。」

 「ほら、タキ君も聞きたがってるし!人にはやりたい放題やった癖に、自分の事は喋らない訳?」

 「でも、あんまり気持ちの良い話じゃないと思うぞ?」

 「なんでそれで結婚するのよ?良いから聞かせなさいよ。」

 「アジに、俺が言ったって絶対言うなよ?」

 「解った。」

 「…さっきミコが言った通り、アジも妹分の1人だと思ってたんだよ。だから、別の女の子と付き合って別れて、また別の女の子と付き合って別れてを繰り返してたんだ。」

 「その間アジは?」

 「ご飯作ってくれたり、洗濯してくれたり、掃除してくれたり、朝起こしてくれたり…。」

 予想よりひでぇ。

 「その時にメラマさんはやっぱりアッちゃんだ、って思わなかったんですか?」

 「まぁその、世話好きな妹だなって…。」

 「さいってーね。」

 「返す言葉が無い。」

 「それで?どうやってアジはそのすかぽんたんを落とした訳?」

 すかぽんたん。

 「最後の彼女に振られた時に言われたんだ。アジみたいな子を妹って言う男に大事にして貰える気がしないってな。それで、俺はアジに対しての感覚が、妹じゃないんじゃないかと思って…。」

 「それで、結婚してくれって?」

 「いや、アジに相談したんだ。こう言われて振られたんだがどう思う?って。」

 すげぇ。こんな鈍い人居るんだ…。

 「呆れて物が言えないって本当にあるのね。」

 「凄いな。アジも同じ事言ってた。」

 そりゃそうだ。

 「それで、まぁ…飲もうか。もうちょっと飲まないと話しにくい…。」

 そう言ってメラマさんはグラスの酒を飲み干した。

 「それでまぁ、怒ったアジが、俺をベッドに放り込んで、寝れば解るだろ!ってな。」

 てな。

 「それからまぁ、こいつ女だって理解して、そしたらどんどん凄く良い女だと思うようになって、まぁこうなった、と。」

 「ブルには絶対聞かせられないわね…。」

 口が裂けても言えないやつだ。

 「ま、なんだかんだ男女の問題を解決するのに1番手っ取り早いのは確かに寝ることだな。ミコ達は解ってるのかも知れないけどな、はっはっは。」

 「えっ?」「えっ?」

 「えっ?」



 何にも解ってないのは俺達の方だった。





 …それはそうと、メラマさんも酔いが進んできたら、おっさんぽいこと言うんだな。まぁ50近いんだもんな。

 学長に近いのかと思うと、ちょっと距離を置きたくなる感じ。見た目が爽やかなのが救いだ。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。

猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。 復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。 やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、 勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。 過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。 魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、 四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。 輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。 けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、 やがて――“本当の自分”を見つけていく――。 そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。 ※本作の章構成:  第一章:アカデミー&聖女覚醒編  第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編  第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編 ※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位) ※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

処理中です...