メクレロ!

ふしかのとう

文字の大きさ
102 / 118
第七章 降臨

第13話

しおりを挟む

 じじじ…。

 「そろそろですか?」

 「まだよ。ちゃんとお肉の脂が溶けるまで、じっと待つの。」


 私は今、マキさんに料理を教わってるところ。作る料理は、ズッキーニのソテー。

 ミコさんがタキさんの記憶を戻しに行って、ほっと溜め息を吐いたらオリアさんのお腹がくぅと可愛く鳴ったので夕飯を食べることになった。

 メニューは、折角だからズッキーニを食べましょうというザラさんの一言で決まった。私も一応、ちょっと確認しておかないとと思ってたし。

 お料理はマキさんが作ることになったけど、手伝わせて貰おうと思ったら、教えたげるからブルが作りなさいって言ってくれた。

 …なんだか嬉しかった。


 「そろそろ良いかしらね?そしたら、皮を上にして置いて?」

 「はい…それで、ひっくり返すんですよね?」

 「ええ。でも、まだ焼き色が付いてないから触っちゃ駄目。ちゃんと、お肉の脂の味と香りを移してあげるの。それに、焼き色が綺麗に付いてる方が美味しそうでしょ?」

 「はい…割と放っておくんですね?」

 「そうね、簡単でしょ?でも、これは野菜ソテーの基本だから覚えておくと良いわ。今日はズッキーニだけど、茄子でも玉葱でもキャベツでも、他にも色んな野菜で使えるからね。」

 「へぇ…あっ、そろそろ良いですかね?」

 「うん。それじゃ、ひっくり返して?火傷しないように気を付けてね?」

 「はい。」

 フライパンに触らないように気を付けて、えい。

 「うん、上手いわ。それで、ソースを掛けるからお塩はちょっとだけ。塩漬け肉の塩もあるしね。軽く指で摘まんでぱらぱらして、しばし待つっと。」

 本当に軽く塩を振るマキさん。

 マキさんがやると何でも格好良い。

 「どれくらい待つんですか?」

 「さっきよりもちょっと短いくらいね。焼き色を付ける時にある程度火は入ってるからそんなに焼かなくても良いし、あんまり長いと水分が出てきちゃって出来上がりがくたっとしちゃうの。」

 ズッキーニがくたっと…駄目駄目!今は料理中です!

 「そろそろ良いわね。これを取り出して…ほら、張りがあって美味しそうでしょ?」

 トングでズッキーニの端を摘まんで持ち上げて見せてくるマキさん。


 でろーん。


 マキさんごめんなさい。私はもう駄目です。

 「こんなこと言うのもなんだけど、やっぱりちょっと見た目がね…。」

 「オリアさんが変なこと言うから…。」

 タキさんのをズッキーニみたいなんて言うから。

 「でもさ、タッ君のがこれだとすると、ナイフを入れるのはちょっと可哀想になってくるわね。」

 「どんどん食べにくくなるんですけど。」

 「…早く作って早く食べましょ?私もあとで帰らないとだし。」

 「あれ?マキさん帰っちゃうんですか?明日もしタキさんのところに行くってなったら…。」

 マキさんは来ないの?

 「行くとしても明日の夕方でしょ?私はお店もあるし…あ、ブルは明日どうする?今日はちょっと色々あって疲れたでしょ?別に無理しなくても大丈夫だからね?」

 マキさんが気を遣ってくれる。でも、疲れてるのはマキさんも一緒。それに…。

 「私もお店に行きます。その、勿論タキさんのところに行くってなったら上がらせて貰いますけど、それまではちゃんと働きます。疲れてるのはマキさんも同じだし、私も一応、オズの家の人間だと思ってますから。」

 「…そっか。それもそうね。ごめん、変な気遣っちゃったわ。ブルも明日、ちゃんと来るのよ?寝坊したら怒るからね?」

 「うふふ、大丈夫です!」
 
 「よし!これで私はお昼まで寝てても大丈夫ね!」

 「もう、マキさんたら!駄目ですよ?うふふ…。」

 「うふふ…さ、それじゃブルはソテーしてって?私はソースと付け合わせ作るから、盛ったら順に持ってって?スープとパスタはすぐ出来るけど、一応パンも要るかしら?あとは…。」

 お家なのにお店みたい。でも、こうしてマキさんと一緒に台所に立つのは楽しい。私が卒業して、皆で一緒に住んだら毎日がこんな風になるのかな?


 …でも、そうなったら夜はどうなるんだろう?




 ・・・。


 「…うふふ、とっても美味しいわ?タキの、じゃなかったズッキーニ。」

 どんな間違え方なの?

 「ザラ?食べにくくなるでしょ?」

 「何が?」

 「何が?って、わかってて言ってるでしょ!?」

 「食べないなら私が貰うけど?」

 「食べるよ!折角ブルちゃんが作ってくれたんだから!ブルちゃん、それにマキちゃんもありがとね。」

 「どういたしまして。」

 「私はズッキーニ焼いただけで、殆どマキさんですから。」

 「一緒に作ったのよ?だから、お礼は一緒に受け取らないと。ね?」

 マキさん…。

 「はい、えへへ。」

 「ふふっ、なんか2人は姉妹みたいだね!」

 「そお?まぁミコも私達皆家族みたいなもんだって言ってたし、オリアも入るのよ?年齢的には私より上だから、ミコの次のお姉ちゃんだわね。」

 「そういえばそうか…うふふっ、なんか良いね姉妹って!」

 オリアさんもお姉ちゃん…だけど、オリアさんはちっちゃくて可愛いからどっちかというと妹なんじゃないかなって思わないでもない。言ったら怒られそうだけど。


 「それじゃあ、ミコーディアより年上の私は1番上のお姉ちゃんになるのかしらね?」

 ザラさんはお母さんでしょ?

 「なんでザラが入るのよ?ザラはタキちゃんのお母さんでしょ?」

 「でも、私知ってるけど、あなた達は竿姉妹って言うんでしょ?私も入れば、1番上のお姉ちゃんになるじゃない?私も竿姉妹ってことで。」

 さ、さお姉妹…。

 途端に爛れた関係みたいになっちゃった。

 「なんでザラまで入るのよ!?そ、それにそういう姉妹って意味じゃないから!家族ってこと!」

 「あら?私は家族に入れて貰えないの?」

 「家族だよ?お母さんだけど。」

 「でも、同じズッキーニを食べる仲じゃない?」

 ズッキーニの話なのか、タキさんの、の話なのか。


 「…ザラ?なんか酔ってない?」

 「酔ってないわ?」

 パパが酔っ払ってる時に言うやつ。

 そして、そう言うといつもママに怒られてるやつ。

 「お酒飲んだでしょ?」

 「大人ですもの。」

 「いつ飲んだの?」

 「お城で皆でご飯頂いてる時に、ちょこっとね。」

 「皆?マキちゃん達とってこと?」

 「ええ。」

 「…マキちゃん?ザラ、どれくらい飲んでたの?」

 「え?どのくらいって言われても…私とミコとママでぶどう酒1本だから大したこと無いわよ?」

 「…ザラ?大丈夫?気持ち悪いとか無い?」

 「別に?大人ですもの。」

 私はまだお酒飲んだこと無いけど、ザラさんのその大人ですものは、私でも変だと思う。


 「オリア?ママ、お酒弱いの?」

 「モーグ…こないだ亡くなったタキちゃんのお父さんに前に聞いた話だけど、ザラは全然飲めなかったって話なのよ。すぐ酔うし、酔うと大変なんだって。」

 「ああ、ママがお酒飲んで酔った勢いでタッ君のお父さんを…だっけ?」

 「あの頃は若かったわね。でも、今はもう大人ですもの、お酒くらい飲めるわ?ぶどう酒だって飲めるのよ?」

 「飲めるかどうかじゃなくて、今ザラが酔ってるかどうかが知りたいんだけど?」

 「あのねオリア?私はこう見えても、ちゃんと仕事や活動をしているの。そういうことをしていると色んな接待を受けたり、大人の付き合いがあるものなのよ?そういうところでまさか飲めないなんて言えないもの、昔とは違うわ。」

 お酒って慣れたりするものっていうのは知ってる。




 「ザラがザルになったってこと。」




 ……。

 「やっぱり不安なんだけど。」

 「大丈夫よ。ぶどう酒は好きなの。よく貰うから、家でも飲んだりするくらいだし…だから、ブルゼット?持ってきてくれる?でも、流石にそんなには飲めないから、マキもオリアも手伝って。ね?」

 「え?」

 良いのかな?

 「ホントに大丈夫なの?」

 「大人ですから。」

 「オリア?ママもこう言ってるし、大変なことって言っても私達だけだし、タッ君も居ないから襲われることも無いし、大丈夫じゃない?」

 「まぁ確かに、ザラとお酒飲むっていうのもちょっと良いなって思うから…ブルちゃん?良い?」

 「はい、それじゃ持ってきますね。」

 キッチンに行く。

 タキさんはこっちのやつが好き。きついけど甘いお酒で、塩辛いお料理に合うんだって言ってた。今は怖くて飲めないけど、いつか大人になったらお酒も教えてくれるのかな?2人でおしゃれなお店とかに行って、お酒飲んだりして、帰りにキスとか…ズッキーニとか?



 ・・・。



 「そういえば仕事で思い出したけど、トゥインクル・ザーラってザラでしょ?」

 「え?」

 占いの、ザラさんなの?

 「えぇっ!?ママ?」

 「ええ。良く分かったわね?」

 「私じゃなくて、タキちゃんが分かったの。タキタ・アイタ・タシタ・テルタのことを話したら、それは実はタキアイシテルになるって。」

 え?あの占いのおまじないってそういう意味だったの?

 「そんなのもう、ザラしか居ないじゃん。何やってんのよ?世界中の恋する女の子がタキ愛してるって日記に書いちゃってるじゃん。」

 「良いじゃない。お陰で恋が上手くいきましたっていう手紙も割と貰うのよ?」

 「そういう問題じゃないでしょ?違う男の子の名前書かせるのはどうなのよ?」

 「別に、それが裏で何を意味するのか分からなければ、信じさえすれば叶うの。叶うなら、それが何であれ問題無いわ。ねぇ、マキ?」

 ザラさんがマキさんに振る。

 「な、なんで私に…。」

 「あら?日記に書いてなかった?」

 「う…。」

 マキさんの顔が赤い。日記におまじない書いてたのかな?でも、マキさんは格好良いけど意外って言ったら失礼だけど、乙女なところがあるからカワイイ。

 …てか、もしかして…。

 「ブルゼットもそう思わない?」

 やっぱりだ…。

 「なになに?マキちゃんもブルちゃんも書いてたの?いやーん、恋する乙女じゃん!」

 「べ、別に良いでしょ!?それに、私達は間違いでもないし!ねぇ?」

 「そうです!私達は別に合ってるから良いもん!それにちゃんと…でも無いけど、なんとなく上手くいったし!」

 恋する乙女だし!

 「ふむ…確かに2人共なんとなく上手くいってるから、ザラのおまじないも効かない訳じゃないってこと?」

 オリアさんがザラさんに聞く。

 でもそんなこと、作った人に聞いても良いのかな?

 「ちゃんと効くわよ?」

 「でも、こんなこと言うのもなんだけど、書いてない私と同じと言えば同じじゃない?」

 「そうね。でも、オリアも書いてたら、今日あなたはタキとえっちしてたわ。」

 「えぇっ!?嘘!?」

 えぇっ!?そんなに変わるの!?

 「…って言ったら、書こうかなって思うでしょ?」

 「まぁ、そうかな?」

 「そして、この先もし、ミコーディアは当然としてもマキやブルゼットもタキとえっちしたのに、オリアはなかなかタキと2人きりになる機会が無い、なんてことになった時、それでもオリアはおまじないを書かない?」
 
 「その時は…タキちゃんは私のこと好きじゃないのかなとか、何か私の努力が足りないのかなとか思うけど、一応おまじないも書いてみるかも。」

 「そうね、書いた方が良いわ。私は、おまじないを書いた子に対して責任があるから、私はその子の願いのお手伝いをするの。オリアのことも、手伝ってあげたいわ。」

 なるほど。でも書いた方が良いのはわかったけど、それはおまじないが効くんじゃなくて、ザラさんが叶えてるだけなんじゃ…。

 「ブルゼット?それは違うわ?頑張るのはその子自身なのよ?私はあくまでお手伝いするだけなの。」

 「なるほど…あれ?」

 私、口に出しては言ってないのに…まさか考えてることがわかるのかな?

 「わからないわ。」

 「……。」

 絶対わかってる…なんでわかるのかはわからないけど。変なこと考えたりしたらすぐにばれちゃうんだ…変なことっていうのは、例えばズッキーニ…。




 「そういえば話は戻るけど、ズッキーニ姉妹の方が可愛いわね。」




 可愛くないし。

 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。

猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。 復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。 やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、 勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。 過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。 魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、 四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。 輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。 けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、 やがて――“本当の自分”を見つけていく――。 そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。 ※本作の章構成:  第一章:アカデミー&聖女覚醒編  第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編  第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編 ※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位) ※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

処理中です...