メクレロ!

ふしかのとう

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エピローグ

終話

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 …ほんと、よく飽きないわね。


 ずっと下を向いて歩いて、時折しゃがみ込んで拾ったり掘ったり。前に宝探しみたいって言ったら、にこにこしてそうだよって、ちょっと可愛くてきゅんとしたからキスした。

 その可愛いタキ君はメクレロ魔法学校学長兼私の夫で、今現在学校の校舎の前の庭で球根拾いをしている。分球したり植え替えたり、本人曰くこれからしばらく忙しいらしいんだけど、あんまりそうは見えない。

 普段は何の変哲も無い原っぱは、秋の数日間だけ、真っ赤なリコリスが一面に咲いて、その間は恋愛成就祈願の女の子達よりも観光の人達で賑わう。

 恋愛成就の神様は、何の変哲の無い原っぱの隅にあって、これもタキ君が管理している。祀られてるのはタシタタンタ様だ。その陶器で出来た狸の像はあそこが大きい。どこで聞いてきたのか、女の子達がそれをそっと撫でて願掛けしてるのは、珍しいことではない。最初はびっくりしたけど。


 シン君。65歳の時に亡くなった。お医者さんの話だと本当は50歳まで持つかどうかみたいだったけど、タキ君が治したから。これは、トニーが処女かどうかの賭けでタキ君が勝ったからだ。

 今夜お兄ちゃんを、ター君を貸して下さい。そして、2人だけにしてくれませんか?一生のお願いです。

 オズ家の皆で私達の家に泊まりに来て海で遊んでいた時にこう言ってきた時のトニーの顔は、一生忘れないと思う。まぁ、あの時は何言ってるのか良くわからないまま、どうぞって言ったけど。

 後で聞いたら、本当は忘れん坊の王子様にあげる決意をしていたのだという。でも、あの子は忘れたままの王子様と兄妹になった。驚いたことに、仮とはいえ兄妹になったらえっちしちゃ駄目なんだって。それに、えっちは本当は2人きりでするものなんだって。そもそも、えっちは結婚式の日の夜に初めてするものなんだって。おうふ。真面目乙女過ぎて思い出しても眩しい。それなのに…トニーはきっと天使ね。

 でも、その時以来1度もしてないみたい。私がそういう時にどういう顔になるのか見てみたかったんだけど、なんか吹っ切れたからお兄ちゃんよりも良い男探すんだって言ってた。残念。でも、あれから大分経つけど、誰それよりおにいの方が格好良いとかおにいの方が優しいとかばかり言ってるから、そのうち私の興味は満たされると思う。タキ君もその方が良いみたいだし。


 トニー。元々、詐欺の罪で捕まって死刑になるところだった。私に似てるから関係があるんじゃないかって王様に言われて会ってみたら本当にそっくりで、しかもタキ君の顔を見たら泣き出して、ター君ごめんなさいって言ったの。それで事情を聞いたらタキ君が、忘れて本当に申し訳ないけどやったことの責任は取れって。でも私はどうしても助けてあげたくて王様にお願いして、引き取った。

 被害を与えた人達全員に謝りに行って、お金を全額返して、更に向こうの希望する額の慰謝料を払って、トニーは私達の妹になった。お金はお義母様にお借りして、トニーが今でも返し続けている。

 妹になった後、トニーの親が誰なのかということで、タキ君がこっそりチウンさんに聞きに行った。そしたらタキ君は何故かぼろぼろになって帰って来たけど、母親は亡くなってるとしか教えてくれなくて、次の日に長耳会が解散になって、その中のひとりが捕まって死刑になった。関係あったんだと思うけど、タキ君が言わないなら、聞かない。

 そういえば、ルタにも会った。でもルタは、お金はいらないし謝罪もいらないって言ってた。お陰で本当の幸せを見付けられたからだそうだ。まぁ何というか、良かったと思ったけど、タキ君にぺたぺた触るから殴っておいた。

 トニーはシン君が亡くなってリズが畳むまでオズの家で働いていたけど、それからはタキ君の資産運用をしている。色んなところに行くのも色んな人と会うのもお金の計算するのも好きだからって、楽しんでるみたい。


 タキ君の資産。これは、私達の結婚式の時にお祝いということで、お義母様の持ってる資産をタキ君に譲渡されたもの。もうそんなに要らないし、飽きちゃったからあとは宜しくねって、軽い感じで。皆で計算したら、多少覚悟してたのに目が飛び出た。

 そしてついでにお義母様はタキ君に、忘れる呪いの上から思い出す呪いを掛けてくれた。決まりだから消せないけど、重ねるのは良いわねって。そして私にはタキ君の本をくれた。文字は全然読めないけど、見てるとどんどん書き足されていく、不思議な本。


 タキ君の本。タキ君が魔法で誰かを治して記憶が消えても、本を持つ私がキスをすれば記憶が戻るというもので、お義母様曰く、私はタキ君の管理人。だから、私が横に居る時には魔法を使っても良いことになっている。

 でも、1度だけ、ひとりで出掛けた時に出会った犬に使ったらしくて少し子供みたいになっちゃって、治した犬の飼い主の人に送って貰って帰ってきたことがある。その頃はもうタキ君のことは有名だったから良かったけど、でも勝手に使うなんてと思ってお仕置きのつもりで少し戻さないでいた。それで、お風呂に入る時間になったんだけど、物凄く照れてるタキ君があんまり可愛いから、つい…。それからはタキ君が魔法を使ったらタキ君に内緒でそういう遊びをしてるんだけど、最近はもうタキ君は気付いてる気がする。いつキスしたかなんてわかんないし。


 犬といえばデビイだ。ブルが最初の長期休みが終わって帰ってしばらく経ったある日の朝、私は家の前でいきなり押し倒されて顔中舐められた。タキ君が笑ってたからこれがデビイだってわかったけど、知らなかったら本気で食べられちゃうと勘違いするくらい立派な犬だ。

 でも、どうして来たのかわからなかったからブルに手紙を書いて、とりあえずわかるまでは家に置いておこうという話になった。マキもオリアも、よく懐く大きな犬に喜んでたけど、さて夜になってお楽しみという時になったらデビイはタキ君のベッドに乗って寝ちゃった。降ろそうにも重過ぎて持てないし、デビイもタキ君と寝たかったんだろうということでその晩は皆諦めたんだけど、朝タキ君の部屋に行ったらデビイがタキ君の上に乗ってた。犬じゃないデビイが。裸のデビイが。

 そのまま流れで色々した後に話を聞いてみたら、ブルから話を聞いてタキ君に会いたくなっちゃって、犬なら馬車無しでも大丈夫だからって走って来たんだって。で、子供欲しいから交尾したと。なんで犬になれたのか、そしてそこからまた人間になれたのかは教えてくれなかったけど、多分お義母様よね。

 それからデビイは、帰って産むねと言って行ってしまった。その後に来たブルからの手紙には、デビイが家族皆にキスをして今までありがとうと言って出て行ったことが書いてあった。どこに行ったのかチウンさんに聞こうと思ったら、チウンさんの家に居た。犬の姿で。後で産まれた子供も犬だった。


 ブル。マキが出て行った後、ブルもすぐに出て行ってマキと2人で住んでた。そしてマキと2人で居酒屋を始めた。若いとは言えないけど美女2人のお店だからすぐに繁盛して、シン君が愚痴ってたのは覚えてる。

 マキが亡くなった後、ブルも追い掛けるように亡くなった。人間の夫婦で、奥さんが亡くなると旦那さんも早いって話は聞いたことあるけど、そんな感じだろうか?


 マキ。憎たらしいくらいに良い女だった。私が、タキ君がマキの事もマキに対して持っていた気持ちも思い出してることを言っても、1番はミコでしょ?って言ってくれた。結婚式も、魔族のところで皆でやろうって言ったのに、反対したのはマキだ。あんたが奥さんだって。でも、そんな風に一歩引いた姿は、タキ君にどんどん刺さっていったと思う。

 そして、マキが40歳になった時。綺麗な姿を覚えてて欲しいからって言って家を出た時に、タキ君の中でマキは特別になった。タキ君はもうあまりブルやオリアのことを話す事は無いのに、マキの誕生日だけは必ずさっさとひとりで寝る。私は、邪魔しない。


 オリア。マキ達が居なくなってからもしばらく居たけど、お義母様とリリーディアが長い旅行に行くって言った時に私もとついて行ってからは、偶にお義母様と一緒に寄る程度。ザラと一緒だと美味しいものばかり食べるから太ると言っていた。確かに少し太っていて、お義母様が子豚ちゃんねって言ってた。夜も子豚ちゃんだった。


 お義母様。実は翼が生えてるらしい。3人が言ってたんだけど私は見たことが無いし、そもそもキモノはあんなにきちきちなんだから畳んだって無理でしょって言ったら、それならお義母様本人に聞いてみようってなったんだけど、ないしょ、ですって。あるにはあるらしい。

 そういえば今度、タキ君と私をお義母様の御実家に連れてって下さるそうだ。お義母様に御両親、つまりタキ君のお祖父ちゃんお祖母ちゃんが居ることは話にも出ないし、全く思い付かなかったから気にもしてなかったけど、タキ君がその時に居たリリーディアを見てふと溢したら、ちゃんと居るわよ?って。それなら結婚式にもお呼びしたかったし、御挨拶したいですって私が言ったら、それなら行きましょうって。リリーディアがびっくりしてたけど、私だってもう大人だから挨拶くらい出来るわ。お土産はトライトンで1番美味しいケーキを持って行くつもり。


 トライトン。ロクラーンから名前を変えたこの国は、種族を問わず受け入れるようになって、今ではエルフどころかドワーフや魔族の人達も普通に歩いている。

 これはグレン君のお掃除のお陰。でもグレン君の生きてる間には国のお掃除は終わらなくて、奥さんのアリスとその子供達が意思を受け継いで終わらせた。

 私立ロクラーン魔法学校は学長が亡くなってからもしばらくは存在していたみたいだけど、国の騒乱の中で閉校になったらしい。ただ、建物と敷地は誰も管理も出来なくて長年放置されていた。良い場所だったし、建物もしっかりしてたし、魔法学校の需要は絶対ある筈だってことで、タキ君が買い取って、ちゃんとした魔法学校を作ることにした。フリジールが落ち着かなかったから丁度良かったし。


 フリジール。私は、持ち主に飛んで戻る魔法紙を完成させた。名前はメクレタ。皆でお酒を飲んでる時に、こんな魔法紙作ったけど名前をどうしようか悩んでるって話をしたら、オリアがブルのスカートを捲って言った。

 メイクレター、なんちゃって。

 おじさんの多い職場で鍛えられてたオリアの本領発揮だ。そして、ブルの下着を見てタキ君が、ピンクの三角形にしたら?って言い出して、可愛いから採用。お酒って怖い。

 この魔法紙は、飛ばして欲しい相手に渡しておけば、その相手が飛ばせばどこででも受け取れるもの。それを物書きの得意な魔族の人達を雇って大量に作り、1枚5ディミで売ったらまさに飛ぶように売れた。でも、これが教会としては面白くなかったみたい。

 若い子達の教会離れと魔法離れが酷くなっていって、自然と魔法も教会も無くても良いみたいな風潮になったから。それで教会はメクレタの発売禁止を求めたんだけど、当然反発する人達が居て、そのうち城も巻き込んでの騒動になっちゃった。

 その頃にはトライトンでも売ってたし、ちょっとフリジールを離れてそっち中心にしようかと思ってた時に、魔法学校の土地建物がそのままで放置されてるって話を聞いて、折角だし学校やろうかって。


 メクレロ魔法学校。共学で、勿論童貞処女に限らない。名前は、お義母様が勝手に看板作って、登録まで済ませちゃってた。でも、タキが初めて使えた治癒以外の魔法だから、って言われたら変える気にもならなくて、そのまま。

 私はここで教師として基礎魔法学を教えながら、私の研究室で魔法の研究や開発をしてる。私以外にも教師や研究者は居て、中にはメラマやアジも居る。メラマは研究者、アジは教師で魔法史を教えてる。

 私の研究室は、タキ君が本当に手作りで建ててくれたもの。私のお父さんと話してたら俺も自分でやってみたくなっちゃったって。男の子だなぁ。

 石を積んだり木を切ったり貼ったりで1年掛けて完成した私の研究室は、不格好だけど防火防水防音が完璧なもので、中で火を爆発させちゃった時も建物は無事だったし、大した騒ぎにならずに済んだ。

 その時、私の髪の毛も少し焦げちゃったから思い切ってショートにしたらタキ君は大層気に入ってくれたみたいで、声が出ちゃう私は研究室の防音性能に感謝する。


 …まぁ、髪が長い時も割と感謝してたか。


 …ふむ。

 後でタキ君が来たら防音性能の再確認を…。


 こんこん。

 早速来た。流石。

 「失礼します。ミコちゃん先生?言われた通り資料を取りに来ましたけど…。」

 違った。

 そうだ。昨日、今日の授業で使う資料運ぶの手伝って貰えるようお願いしてたんだった。

 この子はティミス。去年からの生徒で、人間の女の子。髪が長い茶色のふわふわで、ちょっとだけブルを思い出す。顔立ちは綺麗というより可愛い。人懐っこいこの子は質問や相談や雑談をしに、良くここに来る。

 「ありがと。そこの箱ごと持ってってくれる?そんなに重くないけど、足元気を付けてね。」

 「この本も持っていきますよね?」

 「ええ。でも本は重いから私が持つわ。」

 「大丈夫だよ?ミコちゃん先生より力持ちだし。」

 そう言って力こぶを作って見せる。

 別に私と変わらないけど、その仕草が可愛い。

 「ありがと。でも無理をして転んじゃったりして男の子達にサービスすることは無いわ?」

 誰かさんの趣味で制服のスカートは短いから、転んだら、周りに居る男の子達は素敵なものが見られる筈。

 「先生?私、先生にサービスする気も無いんですけど?」

 「何のことかな?」

 偶に捲ってることだ。

 「惚ける気?いっつも私のスカー…。」

 「メクレロ。」

 私がこう呟くと…ティミスは慌ててスカートを手で押さえた。

 ちっ。

 「あっぶな!」

 「惜しい。」

 「惜しいじゃないから!魔法覚える前にスカート押さえるの覚えちゃったじゃん!」

 「ティミス?魔法を実際に体験してみることは、魔法を覚える上では大事なことよ?それに、反射神経を鍛えることは悪い事じゃないわ?」

 「もっともらしいことを…大体私のパンツなんか見て何が楽しいんだか…。」

 「言ったと思うけど、可愛い反応が見たいだけ。」

 「素直に言えば良い訳じゃないから!」

 「別に良いじゃない、あなたと私以外誰も居ないし。」

 「他の人は勿論、ミコちゃん先生も駄目ですからね?もうやめて下さいよ?ほんとに。」

 「はいはい。」

 「はいは1回。」

 「はい。」

 …ふむ。

 こんな時はペンケースを…。

 「あ、やっぱりこれも箱に入れて持ってって?」

 軽く放る。

 「うわっとと…ちょっと、いきなり…。」

 がちゃり。

 「ミコ!雨が降ってきたから洗濯もの…。」




 「メクレロ!」





  ~~ 完 ~~


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