メクレロ!

ふしかのとう

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メクレロ!サイドストーリー

メクレタ 第1話

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 「終わったな。」

 「終わった…何もかも…。」

 試験が終わった時には、時代や国や地域を問わず必ずこういった光景が見られる。それはメクレロ魔法学校Cクラスも例外では無い。

 スキャロは落ち込んでいるターブを励まし慰め笑う為に、放課後の定位置となっている学食テラスへと誘うのであった。

 「ブー行こうぜ。今日は奢ってやる。」

 「奢られるぜ。ンジューは?」

 「ンジューには行く時声掛けることになってる。」

 「ティミスさんは?」

 「あいつは別に良いだろ?」

 「誘わないのか?」

 「なんで急にあいつ誘うことになるんだよ?お前好きなの?」

 「そういう訳じゃないけど、偶には?」

 「あいつに他の女の子誘って欲しいの?」

 「そうではぬ。ぬ、だ。」

 「ぬ、なら別に良いだろ。」

 こうして、いつものように軽口を叩き合っていると、1人の派手な化粧をした女子が話し掛けてきた。

 「スキャちん、試験どうだった?」

 「まぁまぁ。」

 「いつもまぁまぁでしょ?」

 「パムはいつも通り出来たんだろ?」

 「まぁね。」

 スキャロとパムが2人で話していると、焦ったようにターブが割り込んだ。

 「あのぅ、パムさん?俺には聞いてくれませんので?」

 「ブーちんの冬の休みの予定は補修?」

 「まぁその通りなんだが…。」

 憎からず思う女子の言葉にがっくり項垂れるターブ。

 「ふぅん…その、それで?スキャちんは、休みの予定は?」

 「俺?まぁ、コクトに行こうかと思ってるくらいかな?」

 スキャロの言うコクトとはトライトン国立図書館の略称である。つまり、スキャロの休みは趣味に走るということだ。

 スキャロの趣味は書である。文字を見るのも書くのも好きで、特に内容に拘りが有る訳ではなく、並びや語感に好みがあれば眺めたり書いたりする。国立図書館に行けば古い文献が多く閲覧出来るので、美しい文字の海に溺れるには都合が良い。

 そんな色気の無い返事にも、パムはつまらないような顔をせずに、僅かに期待を込めて応じた。

 「コクトか…良いねコクト。」

 「良いだろうコクト。」

 「良いねコクト。私行ったこと無いんだよね。」

 「そうなんだ?良いよコクト。」

 ターブはこの時、友人の鈍さに感謝した。俺なら、お?それなら一緒に行くか?って言うのに!だがターブ、お前は補修だ!

 「さてブー、ンジューが待ってるぜ。」

 「お、そうだな。またなパム。」

 「あ、うん。2人とも、またね…。」

 Aクラスに向かうべく、2人はパムに別れを告げた。小さな勇気が空振りしたパムも、まだ残っている女子の輪に入っていった。

 「さて、キャロさん。Aクラスです。」

 「はてブーさん?それが何か?」

 「ティミスさんはAクラスのみならず、学年でも可愛いと評判で。」

 「幼馴染みとして鼻が高いです。でも俺には良くわからないから、見た目だけで言ったら…例えばパムとかの方が可愛いと思うな。化粧落としたら知らんけど。」

 「お前は生まれた環境の有り難みについて、きちんと真面目に向き合って考えて行動するべきだ。」

 「女は化粧で化けるという。その元の造形も見てみたいような、見たくないような…。」

 「腹が減っているのに、手の届くところにある甘いお菓子を食べないというのは、間違っている。」

 「ンジュー!アンジュー!」

 ターブの相手をするのが面倒臭くなってきたスキャロは、Aクラスの部屋の手前から大声で、友人の名を叫んだ。

 すると、扉を開けて大柄な、太った、図体の大きな、しかし優しい顔立ちの青年が出て来た。通称ンジューのアンジューである。

 「キャロ?廊下で名前を叫ばれると、流石に恥ずかしいよね。」

 「それが、ブーのやつが変なんだよ。あ…テラスで話すけどさ。」

 本人が居るかもしれない、本人が居なくてもその友達に聞こえるかも知れない部屋の扉が開いている。

 「ブーが?…ふぅん。」

 アンジューはいつも柔らかい表情をしているが、考えは読めない。にこにこしながら毒を吐くこともあるから、スキャロは、アンジューのふぅんを、ターブが変であることに納得したものだと思った。

 「それで、ンジューは試験どうだったの?」

 3人並んでテラスに向かう途中、スキャロがアンジューにも試験の具合を聞いた。

 「俺は、まぁそれなり。スキャロはまぁまぁ、ターブは駄目なのと同じく、いつも通りだよ。」

 「俺まだ言ってないのに。」

 ターブが一応抗議する。

 「ブーが変になったって話だからね。」

 「試験のせいだったか。」

 「違うわ…さ、コーヒーを奢っておくれ。俺は席を取ってくるから。」

 「うん。偶にはンジューにも奢ってあげよう。」

 「そうかい?それなら有り難く奢って貰おうかな?今度返すね。」

 「ああ。買ってくるから荷物宜しく。」

 そしてスキャロがコーヒーを買って戻ると、再びターブが変になった。

 「キャロはティミスさんのことどう思ってるの?」

 「ンジュー。試験が終わってからずっとこの調子なんだよ。」

 「なんだろうね。」

 「でもさ、ンジューも勿体無いと思わない?幼馴染みだぜ?しかも可愛いとくる。」

 「俺には勿体無いっていう感覚は解らないなぁ。小さい頃から知ってるってだけでしょ?まぁ、ちょっとだけ羨ましいなって思うけど、本人達がそうでもないなら別に良いじゃない。」

 「ンジューは冷静かつ常識的で、実に頼もしい。」

 アンジューまで変にならなくて良かったと思うスキャロ。

 「そりゃまぁ?俺達が大人になって、お互い良い歳になって、お互い売れ残ってたら可能性もあるかも解らんが、あいつモテるだろうし、そんな心配は無いかなぁ。」

 「だよね。」

 「誰がティミスさんの心配をしとるか。」

 「ブー。」

 「ブー。キャロの心配してるなら、キャロだって…。」

 「違うわ!俺の話を聞け!いや聞いて欲しい!」

 ターブの変の加速度に驚く2人。

 「お、おう。どうした?」

 「もうじき長期休みである。俺もそろそろ恋人が欲しい。こういった感情は世間的に珍しいものではない。」

 「まぁ、ちらほら聞くよね。」

 ンジューが相槌を打つ。

 「そこで、だ。キャロ、お前がティミスさんと付き合う。仲良くする。すると、周囲の女子達が羨ましくなる。私も!という雰囲気が出来る。結果、俺にも恋人が出来て長期休みを幸せに過ごせるという算段だ。」

 「別に俺じゃなくても、誰でも良いと思うけど。」

 「ブーは補修だよ?」

 アンジューはいつも冷静。

 「ンジューは鬼か?鬼も恋人は欲しくないのか?」

 「俺はまぁ…別に良いかな?」

 「ンジュー!アンジュー!」

 「ブー。テラスで俺の名前叫ぶのはやめて欲しいよね。」

 周囲の目を集めて恥ずかしがるアンジュー。

 「なぁ、キャロ。頼むよ。」

 「いや、俺は別に…。」

 「嫌なのか?」

 「そういう訳じゃないけど…。」

 「恋人は欲しくないのか?」

 「そんなことも無いが…。」

 「ティミスさんが恋人だと不満か?」

 「不満ってことは無いが…。」

 「良いかキャロ。お前が知ってるか知らんが、ティミスさんのことを好きだというやつは多い。だが、何人かが告白しているらしいがそれは断られているらしい。これには、もしかしたらスキャロという男が居るせいではないか?あいつさえ居なくなれば俺にも可能性が出来るのではないか?という話がある。」

 「ああ、それなら俺も聞いたことがあるよ。」

 アンジューがターブの話の信憑性を上げる。

 「それなら俺が別の子と…。」

 「それじゃ駄目なんだよキャロ。ティミスさんがもしお前のことが好きだったら、幼馴染みだしいつかは!ってなことで待ちの体勢になっていよいよ可能性が無くなるだろうが。」

 「いや、それは俺があいつと付き合っても同じだろ?」

 「その場合は、幼馴染みだし仕方無いなと諦められるんだ。もやもや中途半端なのが一番困る。キャロさん、ここはひとつ、皆の為に覚悟を決めて下さい。」

 頭を下げるターブ。

 「俺が覚悟を決めたとて、あいつにその気が無きゃ話にならないよ。」

 「いや、お前が告白をして振られたなら、もはやティミスさんは恋人を作る気が無いことが判明するだろ?」

 「しないだろ。あいつの男の好みが、俺では無いことが判明するだけだ。」

 「少なくともキャロでないことが判明するだけでも良いんだ。救われる命は多い。」

 「ふむ…。」

 スキャロは考えた。

 確かにティミスと付き合えたならば、何かしら新しい関係が生まれて、女子との触れ合いという今までとは違う何かはあるかもしれない。近しいティミスとはいえ、女っぽさが出てきているのは興味の対象ではある。人の言うその可愛さは、見慣れてるから良くわからないけど、可愛くないとは全然思わないし。

 別に失敗したとて、大して痛くないというのも良い。小さい頃と違ってべったりという訳でも無いから、多少気まずくなっても然程には問題無い。ティミスは、あいつから告白された等と言い触らしたりはしないと思うから恥ずかしいことも無い、多分。

 それでブーが納得し、あいつを好きな男達が納得して、平穏な休みを過ごせるなら良いのかもしれない。


 …と、スキャロの気持ちがターブの神輿に乗り掛けたところで。


 「でも、もしキャロが上手くいかなかったら、ブーの当初の目的は果たされないよね?」

 「……。」

 「ンジュー…やっと先生がその気になって下さったというところに水を差すような真似を…。」

 冷静なアンジューの突っ込みに焦るターブ。このままではキャロをティミスさんとくっ付けて傷心のパムを慰めて点数を稼ごう作戦が!例え上手くいかなくてもティミスさんが周りの女子達に話せば自然とパムの耳にも伝わって傷心のパムを慰めよう作戦が!

 しかし、アンジューはそんなターブの気持ちを知ってか知らずか、こう続けた。

 「でもまぁ、俺はキャロならいけると思うな、ティミスさん。」

 「おお!ンジューもそう思うか?キャロ、どうよ?」

 思わぬ援軍に復活したターブ。

 「どうよって…まぁ、そうだな。やってみるか。」

 「俺はキャロを信じてた。信じてたぞキャロ。」

 流れがこちらに向いてきたことに感動するターブ。

 「でも、もし駄目だったらターブは奢れよ?」

 「勿論だ。」

 「ンジューの分もだぞ?」

 「なんでだよ?」

 「仮にも失恋の自棄食いなんだから、沢山食べるやつが居た方がそれっぽいだろ?」

 「むむ…まぁ良いだろう。上手くいけば良いだけだし。」

 「だよね。俺も陰ながら祈っておくよ。」

 アンジューは自分が上手くいく方と食べる方のどちらを祈るのか、と思ったところでスキャロは気が付いた。

 「なぁ?俺はどうすれば良いんだと思う?」

 ティミスに告白する方法である。どこかに呼び出すのも変な感じだし、家に来た時だといよいよ変な感じだ。いつ来るかも分からないから心の準備も出来ない。

 「なぁキャロ?お前は今まで何の為に字を書いてたんだよ?ティミスさんのメクレタ持ってるんだろ?想いの丈を書き綴って飛ばせよ。」

 「そんなに想いの丈が無いんだよな。」

 「そんな告白、聞いたことないぞ?」

 「元々お前が無理強いしてきたんだろうが。」

 「まぁ、無ければ無いで用件だけ書けば?」

 「事務的だなぁ。ンジューは何か良い案無い?」

 ターブは頼りにならないと諦めたスキャロは、頼りになるであろうアンジューに聞いた。

 「うーん…ターブと同じようなもんだけど、変に凝ったりしなくても良いと思うんだよね。元々知らない同士じゃないし。」

 「それじゃそうしてみるわ。流石ンジュー。」

 「俺と同じこと言ってるのに、サスガンジュー。」





 ……という、男子ってホントに馬鹿ねの話。

 


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