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第26話 氷魔法
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リアムは王都での用事も終わり、タイガの故郷に寄って帰ることをセイラに相談し別行動することを伝えた。
セイラはココロとココロの両親と一緒に帰るためすんなりとOKをくれた。
ちなみにリアムの行動に対してセイラは一度もダメだと言ったことがないのが不思議であったが、リアムにとっては都合がいいので気にしないことにしていた。
そうしてタイガに案内されるままタイガの故郷に着いたのであるが、獣人の村だけあって、リアム達が村に入って行くと珍しい目で見られている。
タイガはリアムに待ってもらい、念のため村長に事情を説明しに行った。
村長はタイガを見て驚いた様子だが、今の強靭な肉体のタイガを見てすんなり了承してくれた。
そして例の件の家に到着し、タイガは事情を彼女の父親に話、彼女と会話させてもらうことになった。ちなみに母親は亡くなっており、父親がずっと面倒を見ているようだ。
お茶を出してもらい待つこと5分。
目にクマをした痩せ細った女性が2階から降りてきた。
「ユミル」
タイガは降りてきた女性の名前を呼んだ。
タイガを見たユミルは一度は驚いた表情を見せたが、氷のように冷たい表情にすぐに戻った。
「人殺しの私に何かよう?」
「人殺しって言っても正当防衛だったんだろ?」
「ええ。でも人殺しに間違いないわ」
「相手がユミルをレイプしようとしたと言う話は聞いている。ユミルの氷魔法が魔力暴走して相手が氷漬けになったことも、だから自分を責めるな」
「あんたに何がわかるのよ?毎日毎日、殺した相手が夢にでてきてお前のせいだと言うのよ。さらには殺した相手の家族からも父親を返せだの、私達の生活を返せだと言われる始末」
「それは筋違いな話だ、悪いのはミユルではなく相手だ。皆分かっているはずだ」
「分かってはいるでしょうね。それでも村の人達は相手の家族の味方をしたわ。人間の母さんとシロクマとのハーフの私を毛嫌いしてね」
タイガは自分もそうだったことからミユルの言葉を理解している。
「そ、それでも」
「もう、全てどうでもいいのよ、帰って‼」
タイガはユミルの冷たい目を見て覇気がなくなっていく。
今まで黙っていたリアムが口を挟む。
「私もすこし話をしてもいいかな?」
「貴方は誰?」
「いちよタイガの主となるリアムンドかな」
「何よ、その言い方?何がいいたいの?」
「では率直に聞こうかな。君は何がしたいの?人殺しだから何なの?」
ユミルはその言葉に驚くも、怒気を含めて答える。
「人殺しわ人殺しでしょ。何がしたい?そんな資格が私にあると思うの?」
「何故無いと思うの?」
「人を殺しておいて、好きに生きれえる程神経図太くないのよ」
「じゃあ、俺とタイガは神経図太いのかもな」
わけがわからないユミルはさらに声を荒げる。
「結局何がいいたいのよ?」
「俺もタイガも人殺しだってことだ。なぁ、タイガ」
「仰る通りです」
ユミルは目を丸くしている。
しばらく沈黙が続いたが、ユミルが口を開いた。
「貴方達は何故人を殺したのよ?」
「何故?相手が悪いことをしていたからかな?君と一緒だね」
そう言うとリアムは大げさにハッと気づいたフリをして再度話だす。
「あ、違うな。君は殺そうとして殺した訳ではないから偶然の出来事だ。でも、俺とタイガは殺そうとして殺したから故意な訳だから全然違うな」
「そうですね、リアムンド様」
「な、なんで故意に殺したのよ?」
「盗賊が弱者を襲ってたから?それじゃダメ?」
「ダメじゃないけど…。」
「君も襲われてる悪党を殺しただけだろう?」
「そ、そうだけど、相手には家族がいたのよ」
「だから何?」
「えっ、」
「悪党の家族に罪はなくても、被害者ずらするのはお門違いじゃないのか」
「…。」
「厳しい言葉を言ってもいいか?」
「な、なによ」
「君は殺したことよりも、スキルを制御できなかったことが一番の原因だ。心とスキルを制御しないといつか本当に後悔することになるぞ。本質を見誤るな、今君のすることは嘆くことじゃない、今後同じようなことが起きないようにスキルと心を磨くことだ」
ユミルはハッと気づかされる。
「…。」
「では最初の質問に移るけど、君は何がしたいの?」
「わ、私はもう同じ過ちを起こしたくない」
リアムはニッコリと微笑んだ。
「そう。じゃあ、スキルを制御できる程に氷魔法と魔力暴走のスキルを把握しレベルを上げないとね」
「で、でも、この村でもしまた制御を失敗したら…」
そこへ今まで話の成り行きを見ていたユミルの父親が声を掛けてきた。
「突然話しかけて申し訳ございません。貴族の方と見られますが私のお願いを聞いていただけないでしょうか?」
「なんでしょうか?」
「娘をどうか、この村から連れ出してもらえないでしょうか?」
リアムはユミルの父親の言いたいことはわかっている。
「その話を受け取ることはできません」
「そ、そこをどうにかお願い致します」
「話を最後まで聞いて下さい。あくまで彼女の人生は彼女のものです。なので彼女が違う村で一からスタートしたいと望めば答えたいと思っています」
その言葉を聞きユミルの父親はリアムに何度もお礼を言いながらユミルを見た。
ユミルは自分の人生を心配し、自分の道を選べるように差し伸べてくれるリアムを信じ一からやり直したいと考え、ユミルは泣きながら叫んだ。
「わ、わたしをどうか奴隷にして下さい」
「………。」
リアムとタイガは唖然としている。
「な、なんでそうなるの?せっかく綺麗な話で終わるところなのに、俺が悪役になるでしょうが」
「ユ、ユミル、ただ新しい村で人生一からやり直すだけでいいんだぞ」
リアムに続いてタイガも早口でまくしたてる。
「いいえ、もう決めました。タイガと同じようにリアムンド様の奴隷から始めて役に立って見せるわ」
「いや、仕えるのはいいとして奴隷にならなくても」
「でも、それだとタイガと違って不平等だわ」
リアムはタイガの今までの成り行きを話して、ようやく普通に仕える話で纏まったのであった。
セイラはココロとココロの両親と一緒に帰るためすんなりとOKをくれた。
ちなみにリアムの行動に対してセイラは一度もダメだと言ったことがないのが不思議であったが、リアムにとっては都合がいいので気にしないことにしていた。
そうしてタイガに案内されるままタイガの故郷に着いたのであるが、獣人の村だけあって、リアム達が村に入って行くと珍しい目で見られている。
タイガはリアムに待ってもらい、念のため村長に事情を説明しに行った。
村長はタイガを見て驚いた様子だが、今の強靭な肉体のタイガを見てすんなり了承してくれた。
そして例の件の家に到着し、タイガは事情を彼女の父親に話、彼女と会話させてもらうことになった。ちなみに母親は亡くなっており、父親がずっと面倒を見ているようだ。
お茶を出してもらい待つこと5分。
目にクマをした痩せ細った女性が2階から降りてきた。
「ユミル」
タイガは降りてきた女性の名前を呼んだ。
タイガを見たユミルは一度は驚いた表情を見せたが、氷のように冷たい表情にすぐに戻った。
「人殺しの私に何かよう?」
「人殺しって言っても正当防衛だったんだろ?」
「ええ。でも人殺しに間違いないわ」
「相手がユミルをレイプしようとしたと言う話は聞いている。ユミルの氷魔法が魔力暴走して相手が氷漬けになったことも、だから自分を責めるな」
「あんたに何がわかるのよ?毎日毎日、殺した相手が夢にでてきてお前のせいだと言うのよ。さらには殺した相手の家族からも父親を返せだの、私達の生活を返せだと言われる始末」
「それは筋違いな話だ、悪いのはミユルではなく相手だ。皆分かっているはずだ」
「分かってはいるでしょうね。それでも村の人達は相手の家族の味方をしたわ。人間の母さんとシロクマとのハーフの私を毛嫌いしてね」
タイガは自分もそうだったことからミユルの言葉を理解している。
「そ、それでも」
「もう、全てどうでもいいのよ、帰って‼」
タイガはユミルの冷たい目を見て覇気がなくなっていく。
今まで黙っていたリアムが口を挟む。
「私もすこし話をしてもいいかな?」
「貴方は誰?」
「いちよタイガの主となるリアムンドかな」
「何よ、その言い方?何がいいたいの?」
「では率直に聞こうかな。君は何がしたいの?人殺しだから何なの?」
ユミルはその言葉に驚くも、怒気を含めて答える。
「人殺しわ人殺しでしょ。何がしたい?そんな資格が私にあると思うの?」
「何故無いと思うの?」
「人を殺しておいて、好きに生きれえる程神経図太くないのよ」
「じゃあ、俺とタイガは神経図太いのかもな」
わけがわからないユミルはさらに声を荒げる。
「結局何がいいたいのよ?」
「俺もタイガも人殺しだってことだ。なぁ、タイガ」
「仰る通りです」
ユミルは目を丸くしている。
しばらく沈黙が続いたが、ユミルが口を開いた。
「貴方達は何故人を殺したのよ?」
「何故?相手が悪いことをしていたからかな?君と一緒だね」
そう言うとリアムは大げさにハッと気づいたフリをして再度話だす。
「あ、違うな。君は殺そうとして殺した訳ではないから偶然の出来事だ。でも、俺とタイガは殺そうとして殺したから故意な訳だから全然違うな」
「そうですね、リアムンド様」
「な、なんで故意に殺したのよ?」
「盗賊が弱者を襲ってたから?それじゃダメ?」
「ダメじゃないけど…。」
「君も襲われてる悪党を殺しただけだろう?」
「そ、そうだけど、相手には家族がいたのよ」
「だから何?」
「えっ、」
「悪党の家族に罪はなくても、被害者ずらするのはお門違いじゃないのか」
「…。」
「厳しい言葉を言ってもいいか?」
「な、なによ」
「君は殺したことよりも、スキルを制御できなかったことが一番の原因だ。心とスキルを制御しないといつか本当に後悔することになるぞ。本質を見誤るな、今君のすることは嘆くことじゃない、今後同じようなことが起きないようにスキルと心を磨くことだ」
ユミルはハッと気づかされる。
「…。」
「では最初の質問に移るけど、君は何がしたいの?」
「わ、私はもう同じ過ちを起こしたくない」
リアムはニッコリと微笑んだ。
「そう。じゃあ、スキルを制御できる程に氷魔法と魔力暴走のスキルを把握しレベルを上げないとね」
「で、でも、この村でもしまた制御を失敗したら…」
そこへ今まで話の成り行きを見ていたユミルの父親が声を掛けてきた。
「突然話しかけて申し訳ございません。貴族の方と見られますが私のお願いを聞いていただけないでしょうか?」
「なんでしょうか?」
「娘をどうか、この村から連れ出してもらえないでしょうか?」
リアムはユミルの父親の言いたいことはわかっている。
「その話を受け取ることはできません」
「そ、そこをどうにかお願い致します」
「話を最後まで聞いて下さい。あくまで彼女の人生は彼女のものです。なので彼女が違う村で一からスタートしたいと望めば答えたいと思っています」
その言葉を聞きユミルの父親はリアムに何度もお礼を言いながらユミルを見た。
ユミルは自分の人生を心配し、自分の道を選べるように差し伸べてくれるリアムを信じ一からやり直したいと考え、ユミルは泣きながら叫んだ。
「わ、わたしをどうか奴隷にして下さい」
「………。」
リアムとタイガは唖然としている。
「な、なんでそうなるの?せっかく綺麗な話で終わるところなのに、俺が悪役になるでしょうが」
「ユ、ユミル、ただ新しい村で人生一からやり直すだけでいいんだぞ」
リアムに続いてタイガも早口でまくしたてる。
「いいえ、もう決めました。タイガと同じようにリアムンド様の奴隷から始めて役に立って見せるわ」
「いや、仕えるのはいいとして奴隷にならなくても」
「でも、それだとタイガと違って不平等だわ」
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