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きゅん
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「修吾さんに参考書持ってもらってたね」
「え?」
「田部さんと猫と遊んでたね」
「・・・・」
「新井さんと屋上でお弁当食べてたね」
「・・・見てたのかよ?」
放課後、生徒会室へ行くと先に来てゲームをしていたらしい成田が、ちらりと俺を見て言った。
「たまたまね」
「たまたま屋上にくんのかよ」
「・・・・あの人はずるいよね」
「誰?」
「いつも貴良くんの傍にいるし、授業中とか関係なく会いに行ってちゃっかり匠とか呼ばせてるし」
「匠のこと?」
「貴良くんの食べかけのおにぎり食べちゃうし」
あれ?
再び視線をゲームに戻した成田の声に、微かな違和感。
いつも飄々としてる成田の声が、ちょっとだけ不機嫌に響いていた。
「成田、もしかして、怒ってる?」
「・・・・・」
あ、当たってるっぽい
「もしかして、おにぎり食べたかった?」
「・・・・・・はい?」
成田が鳩が豆鉄砲くらったような顔で俺を見る。
あれ?違う?
「なんで怒ってるの?」
分からないことは聞いてみる。
「怒ってるわけじゃ・・・・・ただ・・・・」
「ただ?」
「・・・・・俺だって・・・・呼んでほしいのに・・・・」
??
なんだか歯切れが悪い。
成田らしくない。
不思議に思っていると、成田が急にすくっと立ち上がった。
「貴良くん!」
「え?」
「・・・・俺のこと、ナリって呼んでよ」
「え・・・・」
「新井さんは匠で、修吾さんはしゅーごくんなんでしょ?なんか、ずるいじゃん」
「そおか・・・・?」
「いいから、今日からナリって呼んで」
「いいけど・・・・そんなことで怒ってたの?」
「大事だよ!」
「そお?」
「・・・・呼んでよ」
「え・・・・改めて言われると・・・・恥ずかしいんだけど」
「いいって言ったじゃん」
「言ったけど・・・・」
「ほら、呼んで」
「・・・・・・・・ナリ」
え
びっくりした
ナリって、こんな嬉しそうに笑うんだ。
すげえ幸せそうに・・・・
なんかちょっと
きゅんとしちゃったじゃん・・・・・
「え?」
「田部さんと猫と遊んでたね」
「・・・・」
「新井さんと屋上でお弁当食べてたね」
「・・・見てたのかよ?」
放課後、生徒会室へ行くと先に来てゲームをしていたらしい成田が、ちらりと俺を見て言った。
「たまたまね」
「たまたま屋上にくんのかよ」
「・・・・あの人はずるいよね」
「誰?」
「いつも貴良くんの傍にいるし、授業中とか関係なく会いに行ってちゃっかり匠とか呼ばせてるし」
「匠のこと?」
「貴良くんの食べかけのおにぎり食べちゃうし」
あれ?
再び視線をゲームに戻した成田の声に、微かな違和感。
いつも飄々としてる成田の声が、ちょっとだけ不機嫌に響いていた。
「成田、もしかして、怒ってる?」
「・・・・・」
あ、当たってるっぽい
「もしかして、おにぎり食べたかった?」
「・・・・・・はい?」
成田が鳩が豆鉄砲くらったような顔で俺を見る。
あれ?違う?
「なんで怒ってるの?」
分からないことは聞いてみる。
「怒ってるわけじゃ・・・・・ただ・・・・」
「ただ?」
「・・・・・俺だって・・・・呼んでほしいのに・・・・」
??
なんだか歯切れが悪い。
成田らしくない。
不思議に思っていると、成田が急にすくっと立ち上がった。
「貴良くん!」
「え?」
「・・・・俺のこと、ナリって呼んでよ」
「え・・・・」
「新井さんは匠で、修吾さんはしゅーごくんなんでしょ?なんか、ずるいじゃん」
「そおか・・・・?」
「いいから、今日からナリって呼んで」
「いいけど・・・・そんなことで怒ってたの?」
「大事だよ!」
「そお?」
「・・・・呼んでよ」
「え・・・・改めて言われると・・・・恥ずかしいんだけど」
「いいって言ったじゃん」
「言ったけど・・・・」
「ほら、呼んで」
「・・・・・・・・ナリ」
え
びっくりした
ナリって、こんな嬉しそうに笑うんだ。
すげえ幸せそうに・・・・
なんかちょっと
きゅんとしちゃったじゃん・・・・・
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