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第17話
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明らかに変わったと思う。
何がって、南が。
渉くんに対する南の態度が、以前とは明らかに変わっていたんだ。
仕事中でも、時々ちらちらと部長室の様子を窺ったり、渉くんに話しかけられると顔を赤くしたり・・・・。
なんでだ?
何があった?
昨日の歓迎会の後、南は店に残り、渉くんはいつの間にか姿を消していた。
マイペースな人だから、途中どっかの飲み屋にでも入ったのかと思っていたけど―――
「気になりますよね」
トイレで手を洗っていると、突然声を掛けられ驚いてそちらを見る。
「市原・・・・」
「課長って、わかりやすいですよね。仕事中も悠太くんのこと見てたし、渉―――部長が来るたびにイライラして」
市原が手を洗いながらそう言ってクスリと笑った。
その市原に俺はちょっとムッとして。
「お前だって同じだろ?」
「ま、そうですね。昨日、気付いたら部長がいなくなってて・・・あの後のこと、気になりませんか?」
「・・・・どうなったって言うんだ?」
「わかりませんけど・・・今日の悠太くんの様子からすると、店に戻ったんじゃないですかね」
「店に戻って・・・・南に会ったってことか?」
「それを、確かめてみますよ」
「え、直接?」
「その方が早いでしょ。どっちも嘘は苦手そうだし。部長はそもそも隠す気もなさそうだし」
「それだよな。あの人、もう少し隠そうとしてくれないと」
俺がため息とともに言うと、市原がおかしそうに噴出した。
「ふは!あはは!」
市原がそんな風に笑ったところを初めて見たので、俺はちょっと驚いた。
「確かに!さすが渉くんの幼馴染っすね。渉くんが課長を信用するのがなんでか、わかった気がしますよ。あの人にそこまではっきり言う人あんまりいないんで、嬉しいんでしょうね」
「・・・・そうかね。ま、とにかく、結果わかったら教えてくれよ。俺はこれから本社に行かなくちゃいけないんだ」
「了解でーす」
やる気があるのかないのか、飄々としている市原。
それでいて仕事はできる。
本社からの報告では仕事の正確さと速さは部署で一番だったとか。
それがなんでこっちの支社に出向することになったのか。
渉くんは、その辺の事情知ってるようだったけど―――
「あ、課長」
部署に戻る途中で、部屋から出てきた南と顔を合わせた。
「すいません、今課長の机の上に、さっき頼まれた資料を置いておきました」
「お、サンキュ。俺、これから本社に行ってくるから、帰ってきてから見るわ」
「わかりました。あ、なんか雨が降ってきたみたいなんで傘持ってった方がいいですよ。持ってます?」
「マジで?あー、たぶんこないだ持ってきた傘がそのまま置きっぱなしになってるから、大丈夫だよ」
「よかったです。じゃ、気を付けて行ってきてくださいね」
ニコッと笑ったその笑顔に、一瞬くらっとする。
「お、おお、サンキュ・・・・」
すれ違っていく南の背中をこっそり見送って・・・
―――昨日、俺も店に残ればよかったな・・・・
そんなことをつい考えていた。
何がって、南が。
渉くんに対する南の態度が、以前とは明らかに変わっていたんだ。
仕事中でも、時々ちらちらと部長室の様子を窺ったり、渉くんに話しかけられると顔を赤くしたり・・・・。
なんでだ?
何があった?
昨日の歓迎会の後、南は店に残り、渉くんはいつの間にか姿を消していた。
マイペースな人だから、途中どっかの飲み屋にでも入ったのかと思っていたけど―――
「気になりますよね」
トイレで手を洗っていると、突然声を掛けられ驚いてそちらを見る。
「市原・・・・」
「課長って、わかりやすいですよね。仕事中も悠太くんのこと見てたし、渉―――部長が来るたびにイライラして」
市原が手を洗いながらそう言ってクスリと笑った。
その市原に俺はちょっとムッとして。
「お前だって同じだろ?」
「ま、そうですね。昨日、気付いたら部長がいなくなってて・・・あの後のこと、気になりませんか?」
「・・・・どうなったって言うんだ?」
「わかりませんけど・・・今日の悠太くんの様子からすると、店に戻ったんじゃないですかね」
「店に戻って・・・・南に会ったってことか?」
「それを、確かめてみますよ」
「え、直接?」
「その方が早いでしょ。どっちも嘘は苦手そうだし。部長はそもそも隠す気もなさそうだし」
「それだよな。あの人、もう少し隠そうとしてくれないと」
俺がため息とともに言うと、市原がおかしそうに噴出した。
「ふは!あはは!」
市原がそんな風に笑ったところを初めて見たので、俺はちょっと驚いた。
「確かに!さすが渉くんの幼馴染っすね。渉くんが課長を信用するのがなんでか、わかった気がしますよ。あの人にそこまではっきり言う人あんまりいないんで、嬉しいんでしょうね」
「・・・・そうかね。ま、とにかく、結果わかったら教えてくれよ。俺はこれから本社に行かなくちゃいけないんだ」
「了解でーす」
やる気があるのかないのか、飄々としている市原。
それでいて仕事はできる。
本社からの報告では仕事の正確さと速さは部署で一番だったとか。
それがなんでこっちの支社に出向することになったのか。
渉くんは、その辺の事情知ってるようだったけど―――
「あ、課長」
部署に戻る途中で、部屋から出てきた南と顔を合わせた。
「すいません、今課長の机の上に、さっき頼まれた資料を置いておきました」
「お、サンキュ。俺、これから本社に行ってくるから、帰ってきてから見るわ」
「わかりました。あ、なんか雨が降ってきたみたいなんで傘持ってった方がいいですよ。持ってます?」
「マジで?あー、たぶんこないだ持ってきた傘がそのまま置きっぱなしになってるから、大丈夫だよ」
「よかったです。じゃ、気を付けて行ってきてくださいね」
ニコッと笑ったその笑顔に、一瞬くらっとする。
「お、おお、サンキュ・・・・」
すれ違っていく南の背中をこっそり見送って・・・
―――昨日、俺も店に残ればよかったな・・・・
そんなことをつい考えていた。
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