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第34話
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『コンコン』
ドアをノックする音に、俺はベッドに起き上がった。
別に寝てたわけじゃない。
ただごろごろしてスマホを見ていたのだ。
夜の11時。
明日のことを考えると、まだ眠る気になれなくて。
「はい」
『俺、入っていい?』
聞こえてきたのは瑞希の声だった。
「ああ、どうぞ」
ガチャっとドアが開き瑞希がひょこっと顔を出す。
「どした?」
「・・・・優斗くんと話したくて」
そう言いながら入ってくる瑞希。
「・・・俺も、瑞希と話したいと思ってた」
そう言って俺は自分の隣をポンポンと叩いた。
瑞希は頷いて俺の隣に座る。
肩が触れ合う距離。
なんとなく気恥ずかしいような嬉しいような・・・・。
まるで中学生の初恋みたいだ。
「・・・・優斗くん、俺がオーディションに受かってずっと向こうにいることになったら・・・・どうする?』
「どうするって・・・・でも帰って来るんだろ?その、ドラマが終わったら」
「うん、そのつもりだよ。でも―――そのドラマがきっかけで他の仕事の話があったら、残るかもしれない」
「そう・・・・なのか?」
「わからないけど・・・・向こうのエージェンシーから、こないだ連絡があったんだ」
「え、そうなの?」
「うん。まだ写真を送った段階だけど、ドラマのプロデューサーが俺のことを気に入ったみたいだって」
「すげえじゃん」
「うん、嬉しい。俺の演技も気に入ってもらえたらって思ってる」
「そうだな・・・・」
きらきらと瞳を輝かせる瑞希に、俺の胸は複雑だった。
瑞希の夢が叶うのなら嬉しい。
だけど―――
「優斗くんは・・・・アメリカに興味ある?」
「え・・・・」
「俺が向こうでずっと生活することになったら―――俺は、優斗くんに来てほしい」
「瑞希・・・・でも俺は・・・・」
瑞希が、真剣な目で俺を見つめていた。
―――俺が、アメリカに・・・・?
瑞希のことは好きだ。
でも・・・・
「―――無理だよね。優斗くんには仕事があるし、いきなりアメリカで生活なんて」
「・・・・でも、俺は瑞希が好きだよ」
「ほんと?」
瑞希の瞳が揺れた。
「好きだよ。だから、瑞希の夢を応援する。そして―――待ってる。ここで」
「ここで・・・・・?」
「うん。いつか・・・・帰ってきてよ。俺はずっと待ってるから・・・・」
俺は、何とか笑顔を作った。
次の瞬間、瑞希の瞳からきれいな涙が零れ落ち―――
そして、そのまま俺に抱きついた。
「帰って来る―――絶対帰って来るから、優斗くん、浮気しないで待っててね」
「それはお前だろ?金髪青い目のイケメンに言い寄られても浮気するなよ?」
「んふふ・・・・どうかな」
「おい―――っ」
俺が文句を言おうとして離れようとしたその時、瑞希の唇が俺の口を塞いだ。
白い腕が俺の首に回され、体が密着する。
俺はそのまま瑞希を抱きしめ―――ベッドに横たえた。
もしかしたら、これが最初で最後かもしれない。
そんな思いが、俺のブレーキを壊してしまったようだった。
瑞希の中を、俺でいっぱいにしたい。
俺の中を、瑞希でいっぱいにしたい。
俺は無我夢中で瑞希を抱いた―――。
ドアをノックする音に、俺はベッドに起き上がった。
別に寝てたわけじゃない。
ただごろごろしてスマホを見ていたのだ。
夜の11時。
明日のことを考えると、まだ眠る気になれなくて。
「はい」
『俺、入っていい?』
聞こえてきたのは瑞希の声だった。
「ああ、どうぞ」
ガチャっとドアが開き瑞希がひょこっと顔を出す。
「どした?」
「・・・・優斗くんと話したくて」
そう言いながら入ってくる瑞希。
「・・・俺も、瑞希と話したいと思ってた」
そう言って俺は自分の隣をポンポンと叩いた。
瑞希は頷いて俺の隣に座る。
肩が触れ合う距離。
なんとなく気恥ずかしいような嬉しいような・・・・。
まるで中学生の初恋みたいだ。
「・・・・優斗くん、俺がオーディションに受かってずっと向こうにいることになったら・・・・どうする?』
「どうするって・・・・でも帰って来るんだろ?その、ドラマが終わったら」
「うん、そのつもりだよ。でも―――そのドラマがきっかけで他の仕事の話があったら、残るかもしれない」
「そう・・・・なのか?」
「わからないけど・・・・向こうのエージェンシーから、こないだ連絡があったんだ」
「え、そうなの?」
「うん。まだ写真を送った段階だけど、ドラマのプロデューサーが俺のことを気に入ったみたいだって」
「すげえじゃん」
「うん、嬉しい。俺の演技も気に入ってもらえたらって思ってる」
「そうだな・・・・」
きらきらと瞳を輝かせる瑞希に、俺の胸は複雑だった。
瑞希の夢が叶うのなら嬉しい。
だけど―――
「優斗くんは・・・・アメリカに興味ある?」
「え・・・・」
「俺が向こうでずっと生活することになったら―――俺は、優斗くんに来てほしい」
「瑞希・・・・でも俺は・・・・」
瑞希が、真剣な目で俺を見つめていた。
―――俺が、アメリカに・・・・?
瑞希のことは好きだ。
でも・・・・
「―――無理だよね。優斗くんには仕事があるし、いきなりアメリカで生活なんて」
「・・・・でも、俺は瑞希が好きだよ」
「ほんと?」
瑞希の瞳が揺れた。
「好きだよ。だから、瑞希の夢を応援する。そして―――待ってる。ここで」
「ここで・・・・・?」
「うん。いつか・・・・帰ってきてよ。俺はずっと待ってるから・・・・」
俺は、何とか笑顔を作った。
次の瞬間、瑞希の瞳からきれいな涙が零れ落ち―――
そして、そのまま俺に抱きついた。
「帰って来る―――絶対帰って来るから、優斗くん、浮気しないで待っててね」
「それはお前だろ?金髪青い目のイケメンに言い寄られても浮気するなよ?」
「んふふ・・・・どうかな」
「おい―――っ」
俺が文句を言おうとして離れようとしたその時、瑞希の唇が俺の口を塞いだ。
白い腕が俺の首に回され、体が密着する。
俺はそのまま瑞希を抱きしめ―――ベッドに横たえた。
もしかしたら、これが最初で最後かもしれない。
そんな思いが、俺のブレーキを壊してしまったようだった。
瑞希の中を、俺でいっぱいにしたい。
俺の中を、瑞希でいっぱいにしたい。
俺は無我夢中で瑞希を抱いた―――。
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