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第2 少年の過去
休憩
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小さな物音で目が覚めた。
目の前には壁にもたれ掛かり、眠っているシエルと、隣には毛布に包まって眠るベルがいた。
いつの間にか寝ちゃってたんだ。
私は目を擦り、周りを見渡した。
あれ?止まってる……?
ガタガタと揺れていたはずの馬車が止まっていることに気が付いた。
そして馬車の出入り口付近で何かの音が聞こえてくる。
目が覚めた原因はこの音みたい。
私は2人を起こさないようにそっと立ち上がり、馬車の出入り口に近づいた。
外のを覗き見ると、数人の兵士さんたちが馬車の様子を見ていた。
何をしてるんだろう?
その様子を見つめていると、
「ごめん。起こしちゃったかな?」
一人の男の人が近づいてきた。
シエルの友達……でいいんだよね……?
確か名前はクラウスさんだったはず。
「今は休憩中だよ。あとちょっとした点検。終わり次第、すぐに出発するよ。」
そんなことを話しながら、クラウスさんは私をじっと見つめる。
どうしたんだろ……何か付いてる?
困惑していると、クラウスさんは笑顔を見せる。
「警戒するのは無理も無いか。でも安心して。別に怪しんでいるとかじゃないから。」
クラウスさんがにこやかに話してくれるため、少し緊張がほぐれる。
「シエル隊長が連れてる人なら悪い人じゃないでしょ。」
「あ。」
気になることがあって思わず声が出た。
「どうしたの?」
クラウスさんは小首を傾げてそう聞いた。
クラウスさんからシエルのことが聞きたかった。
どうして隊長って呼んでいるのか。シエルはどんな人なのか。
でも私は言い出せなかった。
ちょっと前にシエルに怒られたことがあるからだ。
私と違って皆、思い出したくない過去があるからと。
「そっか!まだちゃんと紹介してなかったね。」
私の思ってることとは全然違うけど、クラウスさんはコホンと咳払いをした。
「僕はフレンリュー国の忠実なる騎士、偵察隊件、捕縛隊の隊長を務めているクラウス・オウルアイズだよ。」
得意気に話すクラウスさんだけど、私には何のことかさっぱり分からない。
ていさつたい?ほばくたい?
聞いたこと無いものばかりだ。
隊長というのがなんとなく偉い人っていうのは分かる。
でもこの人もシエルと同じ隊長と呼ばれているみたい。
「サヘラです。」
私も本当かどうかも分からない名前で返した。
「じゃあ、サヘラ。僕から質問いいかな?」
「は、はい。」
「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。それにシエル隊長が言っていた通り、別に敬語じゃなくても僕は気にしないから。」
そう言ってクラウスさんは倒木に腰をかけた。
「まず、サヘラはシエル隊長とはどういう関係?」
「昨日森で迷ってた私を助けてもらって……」
「昨日?じゃあ、そこまで仲がいいというわけではないのか。でも珍しい。シエル隊長が赤の他人にここまで接するなんて……」
クラウスさんは私に対するシエルの行動に驚いている様子だった。
ますますシエルがどんな人なのか気になってしまう……
「他にも聞かせてもらっていいかな?」
それから私は順を追って説明した。
私が記憶喪失なこと、シエルとの出会い、そしてエデュス国に狙われたことも。
「─────なるほどね。シエル隊長が君に接触する理由がなんとなく分かったよ。」
なぜかクラウスさんの表情は悲しそうだった。
「さ。次は君の番。」
その言葉に私は小首を傾げる。
「僕ばっかり質問する訳にもいかないでしょ。記憶喪失ならなおさら聞きたいこともいっぱいあるんじゃない?例えば……身近なものだとシエル隊長のこととか?」
まさに質問するか悩んでいたことを言い当てられて少しドキッとする。
するとクラウスさんがクスクスと笑う。
「君は分かりやすいね。記憶が無くなっている分、感情に表れやすいのかな?」
「……そうかも……です。」
「敬語はいいよ。そっちの方が話しやすいでしょ。」
「シエルと同じこと言ってる。」
「え、本当?やだなぁ……」
そんなことを言って私たちは笑い合った。
「……本当に聞いていいの?シエルのこと。」
「全然いいよ。もしかしてシエルに聞くなって言われた?」
その言葉に私は小さく頷いた。
「確かにシエル隊長は聞かれたくない過去を持ってるかもしれない。でも、全てを隠して……全てを背負って……全て自分でどうにかしようとする。それは僕は間違ってると思ってる。……あの日だって……」
その時、私はクラウスさんが真剣な表情をしていることに気が付いた。
「……やっぱり聞かない方が……」
「いや、君はなんだか……うん。話した方がいい気がする。」
理由はすごく曖昧だけど、話してくれるみたい。
「でもその前に───」
クラウスさんは突然立ち上がり、馬車の方を向いた。
すると、馬車から一人の兵士さんが小走りで近付いてきた。
「馬車の点検、終了しました!いつでも出発できます!」
「了解。」
外で話している間に、馬車の点検が終わっていた。
馬は貨車に繋がれていて、いつでも動ける状態になっている。
「あ。ここからは僕も客側の馬車に乗るよ。荷物はそっちに置いていくからお願いね。」
「はい!」
クラウスさんがこちらを向いた。
「じゃあ続きは馬車の中でしよう。」
「こっちに来て大丈夫なの?」
「いいでしょ、多分。それにシエル隊長と一緒にいた方が君も安心でしょ。」
その言葉と共にクラウスさんは笑みを浮かべた。
目の前には壁にもたれ掛かり、眠っているシエルと、隣には毛布に包まって眠るベルがいた。
いつの間にか寝ちゃってたんだ。
私は目を擦り、周りを見渡した。
あれ?止まってる……?
ガタガタと揺れていたはずの馬車が止まっていることに気が付いた。
そして馬車の出入り口付近で何かの音が聞こえてくる。
目が覚めた原因はこの音みたい。
私は2人を起こさないようにそっと立ち上がり、馬車の出入り口に近づいた。
外のを覗き見ると、数人の兵士さんたちが馬車の様子を見ていた。
何をしてるんだろう?
その様子を見つめていると、
「ごめん。起こしちゃったかな?」
一人の男の人が近づいてきた。
シエルの友達……でいいんだよね……?
確か名前はクラウスさんだったはず。
「今は休憩中だよ。あとちょっとした点検。終わり次第、すぐに出発するよ。」
そんなことを話しながら、クラウスさんは私をじっと見つめる。
どうしたんだろ……何か付いてる?
困惑していると、クラウスさんは笑顔を見せる。
「警戒するのは無理も無いか。でも安心して。別に怪しんでいるとかじゃないから。」
クラウスさんがにこやかに話してくれるため、少し緊張がほぐれる。
「シエル隊長が連れてる人なら悪い人じゃないでしょ。」
「あ。」
気になることがあって思わず声が出た。
「どうしたの?」
クラウスさんは小首を傾げてそう聞いた。
クラウスさんからシエルのことが聞きたかった。
どうして隊長って呼んでいるのか。シエルはどんな人なのか。
でも私は言い出せなかった。
ちょっと前にシエルに怒られたことがあるからだ。
私と違って皆、思い出したくない過去があるからと。
「そっか!まだちゃんと紹介してなかったね。」
私の思ってることとは全然違うけど、クラウスさんはコホンと咳払いをした。
「僕はフレンリュー国の忠実なる騎士、偵察隊件、捕縛隊の隊長を務めているクラウス・オウルアイズだよ。」
得意気に話すクラウスさんだけど、私には何のことかさっぱり分からない。
ていさつたい?ほばくたい?
聞いたこと無いものばかりだ。
隊長というのがなんとなく偉い人っていうのは分かる。
でもこの人もシエルと同じ隊長と呼ばれているみたい。
「サヘラです。」
私も本当かどうかも分からない名前で返した。
「じゃあ、サヘラ。僕から質問いいかな?」
「は、はい。」
「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。それにシエル隊長が言っていた通り、別に敬語じゃなくても僕は気にしないから。」
そう言ってクラウスさんは倒木に腰をかけた。
「まず、サヘラはシエル隊長とはどういう関係?」
「昨日森で迷ってた私を助けてもらって……」
「昨日?じゃあ、そこまで仲がいいというわけではないのか。でも珍しい。シエル隊長が赤の他人にここまで接するなんて……」
クラウスさんは私に対するシエルの行動に驚いている様子だった。
ますますシエルがどんな人なのか気になってしまう……
「他にも聞かせてもらっていいかな?」
それから私は順を追って説明した。
私が記憶喪失なこと、シエルとの出会い、そしてエデュス国に狙われたことも。
「─────なるほどね。シエル隊長が君に接触する理由がなんとなく分かったよ。」
なぜかクラウスさんの表情は悲しそうだった。
「さ。次は君の番。」
その言葉に私は小首を傾げる。
「僕ばっかり質問する訳にもいかないでしょ。記憶喪失ならなおさら聞きたいこともいっぱいあるんじゃない?例えば……身近なものだとシエル隊長のこととか?」
まさに質問するか悩んでいたことを言い当てられて少しドキッとする。
するとクラウスさんがクスクスと笑う。
「君は分かりやすいね。記憶が無くなっている分、感情に表れやすいのかな?」
「……そうかも……です。」
「敬語はいいよ。そっちの方が話しやすいでしょ。」
「シエルと同じこと言ってる。」
「え、本当?やだなぁ……」
そんなことを言って私たちは笑い合った。
「……本当に聞いていいの?シエルのこと。」
「全然いいよ。もしかしてシエルに聞くなって言われた?」
その言葉に私は小さく頷いた。
「確かにシエル隊長は聞かれたくない過去を持ってるかもしれない。でも、全てを隠して……全てを背負って……全て自分でどうにかしようとする。それは僕は間違ってると思ってる。……あの日だって……」
その時、私はクラウスさんが真剣な表情をしていることに気が付いた。
「……やっぱり聞かない方が……」
「いや、君はなんだか……うん。話した方がいい気がする。」
理由はすごく曖昧だけど、話してくれるみたい。
「でもその前に───」
クラウスさんは突然立ち上がり、馬車の方を向いた。
すると、馬車から一人の兵士さんが小走りで近付いてきた。
「馬車の点検、終了しました!いつでも出発できます!」
「了解。」
外で話している間に、馬車の点検が終わっていた。
馬は貨車に繋がれていて、いつでも動ける状態になっている。
「あ。ここからは僕も客側の馬車に乗るよ。荷物はそっちに置いていくからお願いね。」
「はい!」
クラウスさんがこちらを向いた。
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