転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千三百二話 パレードは無事に終わったようです

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 ルーカスお兄様たちのパレードは続いているので、僕はその間に披露宴の司会の式次第を確認します。
 うん、一箇所追加になっている項目があるけど、このくらいなら全く問題ありません。
 因みに追加になったところはリズも知っていて、サンディや子どもたちと一緒にあるものを急いで準備していました。

 シュイン、もわーん。

「えっと、今のところあの令嬢以外は問題ないですね。引き続き確認かな?」

 広範囲探索魔法で披露宴会場内を確認するけど、取り敢えず悪意のある人はいないみたいです。
 これ以上騒ぎを起こすとマズイと思ってくれればいいのですが。
 そして、披露宴用の衣装に着替えた王妃様とアリア様が、披露宴会場に姿を見せました。

「アレク君、色々と対応を任せちゃってごめんね。あの令嬢は、ルーカスもアイビーも招待するかかなり迷っていたのよ」
「両親も、度々あの令嬢に鎮静化の魔法をかけるために聖職者を派遣していたみたいね。でも、アレク君の鎮静化魔法も効かないレベルだとどうしようもないわ」

 王妃様とアリア様も、あの令嬢のことは知っていたみたいです。
 王妃様はあくまでも招待したのはルーカスだと言っていて、アリア様も両親はできるだけの手を打ったと言っています。
 両親を責めることはしないと言っていたし、僕もあの令嬢個人の問題だと思うなあ。
 そして、僕はこの場にいない人について質問しました。
 もしかして……

「アレク君の予想通りよ。ウエストサイズを直したのに、それでも駄目だったのよ。いったい、どれだけ美味しいものを食べていたのでしょうね」
「せっかくなので、ルーカスたちの朝の訓練に混ぜさせることにしたわ。一ヶ月も動けば、だいぶ体調も変わるでしょうね」

 王妃様とアリア様も敢えて誰とは言っていないけど、暫くは厳しい訓練を受けることになるでしょうね。
 でも健康にもいいことだし、頑張ってもらいましょう。

 トトトト。

「おかーさま、あいさつしてきたよー!」
「あら、ありがとうね」
「エリは、誰かさんと違ってとても偉いわね」

 ここで、エリちゃんがネコちゃんと共に元気よくやってきました。
 エリちゃんがティナおばあさまと共に挨拶をしていたのは本当だし、元気よく挨拶をしていたのも本当です。
 確かに、誰かさんよりもいっぱい動いているね。
 因みに、挨拶周りにはルカちゃん、エドちゃん、メアリ、セリーヌ様も行っていて、特にちびっ子たちの挨拶は好評でした。
 早速王妃様とアリア様も挨拶回りを始めていて、あるものを作り終えたリズたちも挨拶周りに駆り出されていました。
 リズが恨めしい目で僕のことを見ていたけど、僕はまだ司会の準備で忙しいんですよ。
 そして、噂の人物もようやくお色直しを終えて姿を現しました。

「ふう、ようやく着替え終えたぞ」
「陛下、自業自得だと思いますよ」
「アレクよ、それ以上言うな。さっき散々言われた」

 陛下は用意されている自分の席にどっかりと座り、グラスに入った水を一気に飲み干しました。
 程なくして多くの貴族が陛下のところに挨拶に来るようになり、なぜか僕も陛下と一緒に立ち会うことになりました。
 こうして、ルーカスお兄様たちのパレードが王城に到着するまでみんなで手分けしての挨拶対応が続きました。

「間も無く、パレードの御一行が王城に到着します」
「「「迎えに行くー!」」」

 王都内のパレードも終了すると連絡があり、ルカちゃん、エドちゃん、エリちゃんは、挨拶対応からお兄ちゃんを出迎えに動き出しました。
 もちろんちびっ子たちも一緒に動き出すけど、残念ながら僕はまだまだ司会の準備があるので披露宴会場に残ります。
 この様子だと、パレードは特に問題なかったみたいですね。
 因みに、ルーカスお兄様たちも休憩を兼ねて披露宴用の衣装に着替えます。
 そして、少しするとちびっ子たちと共にジンさんたちも披露宴会場に入ってきました。
 なぜかドラちゃん一家も披露宴会場に入ってきたけど、今日はとっても頑張っていたから問題ないですね。

「ジンさん、お疲れ様です。その、披露宴後は宜しくお願いします」
「正直言って、今日の中で一番気が重いぞ。パレード自体は何も問題なかったな。地方からもパレードを一目見ようと多くの人が集まっていて、沿道に集まった客がとんでもない人数くらいだ」

 ジンさんも、陛下と同じように用意された水を一気に飲み干していました。
 本当に平和なうちにパレードは終わり、もの凄い大歓声が上がっていたそうです。
 念入りに警備計画を練っていたし、ジンさんたちの苦労もこれで報われたね。

「でだ、その馬鹿なことをした令嬢は一体何をしたんだ?」
「新郎新婦の席に飾られていた花飾りを破壊したんです。興奮状態だったので、兵が取り押さえなければもっと破壊行為をしていたかと」
「よりによって、新郎新婦の席に手を出したのか。恋破れて憎しみに変わったとはいえ、やりすぎは良くないな」

 ジンさんは、通信用魔導具に送られた内容を再確認してきました。
 ほぼ簡単な内容しか書いてなかったけど、大体のことは把握していたみたいです。
 因みに、破壊王のお二人にはまだ連絡がいっていないみたいです。
 僕も、あのお二人に連絡するのは披露宴後でいい気がします。
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