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第二十二章 新たな魔獣

五百二十六話 冒険者ギルド内で暴れた冒険者

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 こうしてルーカスお兄様のお友達とも交流を進めていきながらも、闇ギルドへの捜査は進んで行きます。
 中々闇ギルドの足取りが掴めない中、事件は意外な所から進展する事になりました。

「おや? 何だかギルドが騒がしいなあ」
「この騒ぎは何だ?」

 薬草採取をする為に辺境伯領の冒険者ギルドにジンさんと来たけど、ギルド内がとってもざわざわしています。
 因みにミカエル達は勉強タイムで、ルシアさんとククリさんは辺境伯家のお手伝いをしています。
 レイナさん達も、今日は屋敷に残って子ども達の面倒を見ています。
 なので、ノエルさんが僕達と一緒についてきました。

「ぐふ、ぐふふふ!」
「おい、こいつから離れろ。剣を持って暴れてるぞ」
「誰か怪我人の治療を。何人も切られたぞ」

 ギルド内の騒ぎのする方を見て、僕達はとってもびっくりです。
 何と、どう見ても正常な状態じゃない冒険者の男が、冒険者ギルド内で大暴れしています。
 しかも何人も怪我人が出ていて、まるで戦場みたいな状態です。

「お兄ちゃん、あの人おかしいよ」
「あ、本当だ。状態異常って出ている」
「という事は、魔獣化しているって事か。なら、対応策があるな」

 ジンさんのいう通り、魔獣化しているなら直ぐに対応ができる。
 早速僕は、リズと共に魔力を溜め始めました。

「「えーい」」

 キラーン。

「ぐおおおお!」

 やっぱりというか状態異常回復魔法がとっても良く効いて、暴れていた冒険者はばったりと床に倒れました。

「あっ、今度はちょこっとだけ白髪になったね。おじいちゃんにはならなかったよ」
「本当だ。あの三男みたいにならなかったね」
「もしかしたら、薬を服用した期間が短いのかもな」

 恐らくジンさんの予想通りなのだろうけど、それにしても今度は冒険者が魔獣化していたなんて。
 一体、どこから薬を手にしたのだろうか。
 ともあれ、皆で怪我人の手当てと壊れたギルド内の備品を片付けます。

「おーおー、騒がしいと思ったら派手にやった馬鹿がいるな。辺境伯様と守備兵に連絡してこい」

 騒ぎを聞きつけたギルドマスターが、現場の状況を把握して直ぐに職員に指示を出していました。
 そして、ギルドマスターとジンさんとノエルさんは直ぐに倒れた冒険者の身体検査を行います。

「何だか変な物がいっぱい出てくるな。お、これだな」
「間違いない、これは魔獣化の薬だ。この前、ティナ様に言われて屋敷を捜索した際に見たものと一緒だ」
「流石はジンだな。ちゃんと子爵の仕事もしているんだな」
「茶化すなよ。しかし、これは大事件だぞ。頭が痛いなあ。ノエル、王城に連絡できるか?」
「近衛騎士経由で連絡します」

 冒険者の荷物から、何だか凄い物が出てきちゃったよ。
 しかし、何で魔獣化の薬をこの冒険者が持っていたのだろうか?
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