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第二十四章 お兄ちゃんの官僚としての忙しい日々

六百三十三話 僕達の新しい仕事が増えちゃった

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 何でこの魔獣化の薬が後方支援部隊長の部屋にあるのか分からないので、尋問して本人から聞くしかないよ。

「軍に保管されている魔獣化の薬は、厳重に管理されていますよね?」
「勿論だ。普通の人は入れない所で、特に厳重に管理されている」

 軍務卿が念の為に確認してくれたけど、保管されている魔獣化の薬は問題なく管理されていた。
 あまり考えたくないけど、軍の中に闇組織と繋がっていた者がいた事になる。

「頭が痛いが、部隊の立て直しをしないとならない。幸いにして後方支援部隊の上層部がごっそりと抜けたから、風通しは良くなるだろう」

 軍務卿の苦笑が、事態の深刻さを物語っていました。
 証拠品が集まったので、軍の調査部門に後を任せます。
 僕達は、もう一度会計部隊の所に向かいました。

「軍務卿、お騒がせいたしました」
「いや、そなたが無事だったのが何よりだ。逆に駆けつけるのが遅くなり申し訳ない」

 会計部隊には、怪我をしていた女性が戻っていました。
 酷い目にあったのだから休んでいていいと思ったのだけど、どうも責任感の強い人みたいです。
 茶髪の髪をおかっぱに切り揃えていて、眼鏡をかけています。

「こちらに不正会計の証拠を集めております。本来の正しい帳簿もつけ終えております」
「流石だな。暫定ではあるが、エブリンを会計部隊の代理部隊長に任命する。当面の補助として、宰相補佐官のアレクサンダー殿下をつける事にした。既に陛下の許可を得ている」
「承りました。精一杯勤めます」

 あの、軍務卿?
 さり気なく、僕が会計部隊の手助けをするのが決定しているのですが。
 という事は、僕は暫くの間は宰相の補助をしつつ軍での勤務も行うのですか……
 思わず僕は、がっくりとしてしまいました。

「レオ君、陛下より一度全員を王城に連れて来てと言われている。軍の事は、これから詰めよう」
「はい……分かりました……」

 僕はがっくりしたまま、王城にゲートを繋いで皆で戻りました。
 エブリンさんが、気の毒そうに僕の事を見ているのが印象的でした。

「それで、何でミカエルとブリットも騎士服姿なんですか?」
「そりゃ、人手が足らないから追加したに決まっておる」
「にーに、頑張ったよ!」
「ブリも頑張った!」

 子ども達の部屋に集合という事で行ってみると、やり切ったという表情のミカエルとブリットが僕に抱きついてきた。
 どうも、マジカルラットも加わっての宝探しで結構な活躍をしていた様です。

「先ず、武器商人とガンコ侯爵が繋がっていたのは間違いない。証拠も押さえた。ガンコ侯爵以外の軍の関係者は不正会計を認めている」
「当のガンコ侯爵はどうなっていますか?」
「魔獣化の薬も出てきたので、特別取調室で尋問を受けている。尋問の結果は、もう少ししないと分からないだろう」

 となると、あの魔獣化の薬がどの経路で手に入ったのかはまだ分からないんだね。
 意外とこの問題は、根が深いかもしれないよ。

「あと今後の事だが、アレクは週四で宰相と軍の所に行って貰う。宰相の手伝いには、ルーシーがあたってもらうぞ」
「「えっ!」」

 僕の仕事の日が増えたばかりか、ルーシーお姉様も仕事をする事になってしまった。
 二人して、びっくりした表情をしてしまったよ。

「ルーシーは充分に学問を学んでいる。ルーカスもアイビーも、春休み中は余の仕事を手伝わせる方針だ。ジンらは、暫く捜査に専念させるぞ」
「「「「「はっ?」」」」」

 もうこれは、陛下は使える人材は使う作戦に出たみたいです。
 この際だから、膿を出し切る方向にしたようですね。

「リズとエレノアは勉強を増やすか。サンディとイヨもだな。リズとエレノアは、アレクの代わりに要人との面会もさせるとしよう」
「「「「えーーー!」」」」

 ついでというか、リズ達も仕事が増えてしまった。
 今回の軍の事件は、僕達殆ど全員が何かしらに巻き込まれてしまう結果となった。
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