転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百四十一話 無事に披露宴も終了です

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「「「お肉おいしー!」」」
「グルル!」

 既にミカエルたちとドラちゃんはお肉を美味しそうに頬張っていて、ワイワイと盛り上がっていました。
 手伝ってくれたレシステンシアさんやサキさんたちも、昼食を美味しそうに食べています。
 結婚式のお手伝いが上手くいったのもあって、ホッとしている空気も漂っていました。

「もう少ししたら、僕たちも新郎新婦のところに挨拶にいくよ」
「「「はーい!」」」

 僕はミカエル達に声をかけたけど、実は今はギルドマスターを始めとした冒険者ギルド関係者が新郎新婦に挨拶をしていた。
 ギルドマスターはまだ号泣していたけど、部下でもある新婦は結婚後も冒険者ギルドで働く予定ですよ。
 そして冒険者達が虎視眈々と挨拶に行くタイミングを見計らっていたけど、手にはお酒を持っていて間違いなくグタグタになりそうだった。
 なので、僕たちが冒険者たちよりも先に挨拶させて貰いました。

「じゃあ、挨拶しましょうね」
「「「おめでとうございます!」」」
「ふふ、皆ありがとうね」

 ちびっ子たちが元気よく挨拶をすると、新婦がニコリとしながらお礼を言っていました。
 そうそう、僕も話をしないと。

「あの、僕の神父役は大丈夫でしたか? 何か失敗とかしましたか?」
「何も失敗していないし、流石はアレク君だとみんなが言っていたよ」
「特に良い感じに光を当ててくれたから、とても幻想的な結婚式になったわ」

 新郎のお礼はいいとして、新婦のお礼は僕はノータッチなんだよね。
 完全に偶然だったんだけど、それでも楽しめて良かったと言っていました。
 冒険者達がまだかなとウズウズしながら待っていたので、僕達の挨拶もこのくらいにしておきました。
 再び席に着くと、僕達が待ってましたと言わんばかりに新郎新婦の所に向かっていきました。

「アレク様は、本当に器用に何でもこなしますわね。神父役も、初めてとは思えないくらい堂々としていましたわ」
「その、下手な聖職者よりもずっと上手でした。たまに儀式とかで派手に間違える聖職者もいますので」

 レシステンシアさんは普通に僕のことを褒めてくれたけど、個人的にはサキさんの言っている聖職者がどんな失敗をしたかが気になります。
 リズたちもミカエルたちに頑張ったねと褒めていたけど、今日はエレノアとサンディとイヨに裏方を全部やってもらっちゃったもんね。
 今度、別のお仕事の時に挽回してあげないと。
 すると、小さい子の引率役だったティナおばあさまがもの凄くびっくりする事を言ってきました。

「ルーカスの結婚式の時に、最悪親父役をアレク君に頼むことができるわね。王都の大教会の司教様も高齢で、本人が体調面で心配していたのよ」
「「「おおー!」」」

 ティナおばあさま、流石に王太子様の結婚式の神父役はやりませんよ。
 ここにいる人も、僕なら大丈夫だと気安い歓声を上げないでね。

「ふふふ、ならリズもお兄ちゃんを手伝うんだよ!」
「エレノアも、アレクお兄ちゃんを手伝うの」
「二人は、来賓対応で決定しているから、おばあちゃんと一緒に頑張りましょうね」
「「ええー!」」

 リズとエレノアの来賓対応は、特に変更なかったみたいです。
 二人はティナおばあさまに文句を言っているけど、多分変わることはないんだろうなあ。
 こうして、何とか無事に結婚式と披露宴も終えることができました。
 そして、その後も結婚式の指名依頼が何回かあったけど、全部僕が神父役をやるのが前提になっていました。
 今回の結婚式で僕は何もやっていなくて普通に奇跡を起こしたと思われていて、僕が神父役をすると縁起が良いことが起きるというよく分からない噂が広がったからです。
 町の人達は、「双翼の天使様にとって、奇跡くらいは普通に起こすでしょう」と謎の納得をしていました。
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