転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
1,027 / 1,192
第三十二章 新入生

千二百二十三話 話し合い二日目です

しおりを挟む
 翌日もルーカスお兄様の結婚式の会議を行い、無事に話を詰めることができました。
 ジンさんにも参加してもらい、警備の懸念なども詰めていきます。
 すると、ジンさんがこんなことを言っていたそうです。

「ドラちゃんとリボンちゃんだけじゃ不安だから、母親も参加するって言っていたぞ」
「良いのではないかしら。ドラちゃんのお母さんは、ルーカスたちのことも知っているわ」

 実はたまたま今朝の訓練の際にドラちゃんのお母さんが来ていて、パレードの護衛の件を説明しました。
 そうしたら、ドラちゃんのお母さんはあんた大丈夫なのかとドラちゃんのことをバシバシと叩いたのです。
 その勢いで、息子では不安だから自分も参加すると言ったのでした。
 ティナおばあさまの言う通り、僕も別に問題ないと思うけどなあ。
 あと、話で多かったのはスラちゃんやマジカルラット部隊なら不審者を確実に捕まえるだろうということです。
 そこで、今月から各所への捜査を再開するそうです。

「では、話し合いはこのくらいにしよう。ウキウキが止まらないものがいるみたいだな」
「あう……」

 陛下に指摘されて、リルムはちょっと顔を赤くしてもじもじとしていました。
 今日は午前中レシステンシアさんのところに遊びに行った後、午後は冒険者として辺境伯領で行われる結婚式のお手伝いをすることになりました。
 暖かくなってきて、結婚式を行うカップルも増えてきました。
 しかも、今日は結婚相手が冒険者なので披露宴のお手伝いをします。
 冒険者ギルドで披露宴をやるのも増えたけど、ギルドマスター曰く良いことだと言っていました。
 ということで、ワクワクが止まらないリルムをレシステンシアさんの屋敷に連れていき、僕は辺境伯領の教会に行って結婚式の打ち合わせに行きます。

「ははは、次期国王陛下の結婚式の打ち合わせの次は、俺たちの結婚式の打ち合わせか。アレクも中々大変だな」
「本当よね。でも、アレク君わざわざありがとうね」

 冒険者夫婦は、忙しく動き回る僕の話を聞いて苦笑していました。
 とはいえ、どんな結婚式も大切なことだもんね。

「僕が神父役で、リズとサンディが司会、ミカエルたちがフラワーボーイとフラワーガールを務めます」
「なんというか、辺境伯領の凄い子ども勢が揃いだな。それでいて、規定の料金でいいんだから凄いな」
「追加料金が必要だったら言ってね。これだけのことをしてくれるんだから」

 僕たちが結婚式のお手伝いをする時は、規定の料金って決めています。
 儲けようとは思っていないから、高い料金を取ろうとおもっていないんだよね。
 あっ、そうだ。

「あの、もしかしたらお手伝いが五人くらい増えるかもしれないけど大丈夫ですか?」
「子どもがそのくらいの心配はするな。高い料金じゃないんだからな」
「そうよ、アレク君のお友達ならいい人だろうし、心配しなくていいのよ」

 リルムたちが追加参加するのは今日決まったけど、冒険者の新郎新婦は快く受け入れてくれました。
 これで、準備は大丈夫です。
 僕は、一度屋敷に向かいました。

「ただいま」
「「「おかえりー!」」」

 僕が玄関に姿を見せると、ミカエル率いるちびっ子たちが姿を現しました。
 みんな仲良く遊んでいたみたいですね。
 そんなちびっ子たちに、あることをお願いしました。

「午後の結婚式のお手伝いに、リルムの弟と妹も来るかもしれないの。フラワーボーイとフラワーガールのやり方を、一生懸命教えてあげてね」
「「「任せて!」」」

 ちびっ子たちはお手伝いするのが大好きだから、教えるのも大得意です。
 それにリルムの弟と妹は顔見知りだし、コミュニケーションも問題ありません。
 既に、ちびっ子たちはあれこれ話をしていました。
 さてさて、僕は自室に行って少し休憩しましょう。
しおりを挟む
感想 287

あなたにおすすめの小説

『伯爵令嬢 爆死する』

三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。 その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。 カクヨムでも公開しています。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。

下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。 ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。 小説家になろう様でも投稿しています。

豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。

下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。 豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。 小説家になろう様でも投稿しています。

こうしてある日、村は滅んだ

東稔 雨紗霧
ファンタジー
地図の上からある村が一夜にして滅んだ。 これは如何にして村が滅ぶに至ったのかを語る話だ。

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。