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第十章 火山噴火

第二百十七話 実習受け入れが我が家に与えた影響

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「「「二ヶ月間お世話になりました」」」
「こちらこそ色々助かった。何時でも遊びにきていいからな」

 色々あった実習終了パーティーの翌朝、うちに残るカロリーナさんを除いた実習生はそれぞれの場所に帰っていった。
 皆優秀だから、きっと六年生は希望職種で一年の研修ができるはず。
 
「もしかしたら、うちで研修する人が出てくるかもね」
「それはそれで嬉しいかな」

 エステルがツッコミを入れたが、俺はそうなってもいいと思った。

 ちなみに実習生を見送るよりも朝早くに、昨日レイアにジュースをぶっかけた酔っ払い学園生の親が来た。
 昨日の謝罪に来たのかと思ったら、息子が停学になったので学園に軽減の願いをしてくれと、とんでもない事を言ってきた。
 丁重にお断りしたらギャーギャー騒ぎ始めたので、街の騎士隊を呼んでドナドナしてもらった。
 朝早くから、とんでもない迷惑だったな。

「カロリーナさんは、暫くはうちから学園に通うんだっけ?」
「はい。実は屋敷が引き渡されるのが、早くても一ヶ月後と言われてまして。サトー様にはご迷惑をおかけし、申し訳ないです」
「うちの事は気にしなくていいよ。それに屋敷に移っても近所なんだし」

 ブレンド子爵家の王都の屋敷は、物品の押収や書類上の手続きもありもう少し引き渡しされるのに時間がかかる。
 実はうちの屋敷の三軒隣だったので、たまに様子を見に行っている。
 今は庭木とかも伸びているので、手入れも必要だ。
 まあ、既にうちの子ども達はやる気満々なのだが。

 そして今回の実習受け入れで一番影響があったのが、来年入学する面々。
 実際の学園生に色々話を聞いて、学園に通う気持ちが強くなった様だ。
 エステルやリンとはいつもいるので、うちの外からの情報が良かったらしい。
 今では、ドラコも勉強を頑張る様になった。

「うがー! 疲れた!」
「ドラコ、もう少し頑張らないと」

 一緒に勉強しているシラユキにたしなめられているが、ドラコにはもう少し集中力を身に着けてもらいたい。

「学園を卒業する基準はあるの?」
「一年間の現場実習で問題なければ、卒業は大丈夫だよ」
「特に業績をあげた方は、卒業認定される事もあります。私も名誉爵位を頂きましたので、実質的に卒業認定されたと同じです」

 食堂でドワーフ自治領特産のお煎餅をバリバリ食べているエステルと、お茶を飲んでいたリンに学園の卒業について聞いてみた。
 卒業にそんなルールがあったなんて、少し面白いな。

「うちの家族は殆どが勲章とか持っているけど、これって学園じゃあ凄く有利なの」
「一部科目は免除されますし、成績にも加味されます。皆、学園に行くのが楽しみなので、可能な授業は受けると言ってますよ」

 その分野における功績だから、学園における勲章の位置づけは大きいんだ。
 学園生で勲章を貰うこと自体、かなり珍しいのもあるという。

「特にレイアなんかは功績凄いし、ぶっちゃけ入学しても即卒業認定だね」
「ミケちゃんも大きな功績がありますが、武功に偏っていますのでレイアちゃんの方が有利にはなります」

 それでも、ミケとレイアは学園に行くだろうな。
 特にミケは学園生活を楽しみにしていたし。
 レイアは仕事との兼ね合いもあるから、全部の授業は受けられないだろう。
 しかしエステルよ。一体何枚のお煎餅を食べているんだ?
 俺が来てから既に十枚は食べているぞ。

「大丈夫、大丈夫。お煎餅は別腹だから」

 絶対に大丈夫ではないぞ。
 リンもだめだこりゃって顔になっているし、後でフローラ様にチクっておこう。
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