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第十一章 帝国編
第二百二十八話 久々のビアンカ殿下
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全員の送迎が終わったので、最後にドラコとシラユキとルシアをうちに送る。
ちなみにスラタロウは、ノースランド公爵に夕食を作ってから帰ってくるという。
「お、早速遊んでいるな」
昼寝から起きたオーウェン皇子とベラ皇女が、マシュー君達とコタローと一緒に庭で追いかけっこをしている。
子ども達の周囲を囲むように馬とバハムートとシルがいるので、どうやっても二人をさらうのは無理だろう。
「サトー様、お帰りなさい」
「ソフィー皇女、ただいま戻りました。元気に遊んでいますね」
「そうですわね。普段は安全のために屋敷にこもっていますので、あんな笑顔は久々に見ました」
ソフィー皇女も二人のはしゃいでいる姿を見て、とっても良い笑顔だった。
初めて見せた、ホッとした表情だった。
「そちらも、少しは落ち着いた様じゃな」
「ビアンカ殿下、久々ですね」
と、ここで暫く自身の誕生パーティーの調整で忙しかったビアンカ殿下が久々に姿を見せた。
「いやはや、来年から学園に入園するのもあってな、学園関係者も呼ばんといかん」
「学園に入園すると、付き合いがどうしても増えますからね」
ビアンカ殿下と簡単な話をしていたが、直ぐにビアンカ殿下がソフィー皇女に向き直った。
「そちが帝国皇女ソフィーじゃな。妾は王国王女のビアンカと申す」
「ご丁寧に紹介頂き、誠に有難うございます。帝国皇女ソフィーと申します。この度はビアンカ王女の事を入国のだしに使ってしまい、誠に申し訳ございません」
「何も問題はないし、大体の事情は聞いておる。双子の兄妹共々、無事でなによりじゃ」
流石はビアンカ殿下、既に殆どを把握していた。
誕生パーティーの件も、全く気にしていなかった。
「当日は父上達のそばにいて、一言二言話せば終いじゃ」
「ご配慮頂き感謝致します」
「妾としては、ここで行う誕生パーティーの方が気楽でいいのだかな」
「王族というのは、ままならないですね」
殆ど打ち合わせにならない様な内容だけど、何もしないよりは良い。
ビアンカ殿下も、形式張ったものよりも気楽な方が良いだろう。
「そういえばビアンカ殿下、貴族主義の連中が暫く迎賓館押えているみたいですけど、何か話を聞いていますか?」
「いや、何も聞いておらぬ」
「ちょっと不安なので、ミケ達の巡回の際に探りを入れておきます」
「妾の方でも調べておこう。せっかくの誕生パーティーを台無しにされたら、たまったものじゃないぞ」
迎賓館の件は、ビアンカ殿下も知らなかったのか。
貴族主義の連中が絡むとロクでもない事しか起きないから、何も起こらなければいいが。
「個人的にはスラタロウにパーティーで出すメニューを頼んでおるので、それが一番の楽しみなのじゃ」
「最近、スラタロウはすっかり料理人ですね」
「既に王城の料理人ともやり取りをしておったな。それで王城の食事が美味しくなるなら、大歓迎じゃ」
「私もお昼を頂きましたが、あんなに美味しい料理は初めてでした」
美味しい料理は万国共通で、誰でも笑顔になる。
と、ここでノースランド公爵へ夕食を作ってきたスラタロウが帰ってきた。
「スラタロウか、何だか新しい魚料理を考案したらしいのう」
ビアンカ殿下がスラタロウに話しかけると、スラタロウは自信ありげに体を揺らしていた。
そして、当たり前の様に食堂に入っていった。
「ソフィー皇女、今日の夕食も楽しみにしていて下さい」
「はい、二人も楽しみにしていると思います」
「今日は妾も久々に泊まるのでな。ちょうどタイミングが良かったのじゃ」
夕食は子ども達の大好物のグラタンに、アクアパッツァやワンスプーン料理などビアンカ殿下の誕生パーティーに出す予定の試作品もあった。
どれも大変美味しく、ビアンカ殿下はどの料理を出すか悩んでしまった位だった。
ちなみにスラタロウは、ノースランド公爵に夕食を作ってから帰ってくるという。
「お、早速遊んでいるな」
昼寝から起きたオーウェン皇子とベラ皇女が、マシュー君達とコタローと一緒に庭で追いかけっこをしている。
子ども達の周囲を囲むように馬とバハムートとシルがいるので、どうやっても二人をさらうのは無理だろう。
「サトー様、お帰りなさい」
「ソフィー皇女、ただいま戻りました。元気に遊んでいますね」
「そうですわね。普段は安全のために屋敷にこもっていますので、あんな笑顔は久々に見ました」
ソフィー皇女も二人のはしゃいでいる姿を見て、とっても良い笑顔だった。
初めて見せた、ホッとした表情だった。
「そちらも、少しは落ち着いた様じゃな」
「ビアンカ殿下、久々ですね」
と、ここで暫く自身の誕生パーティーの調整で忙しかったビアンカ殿下が久々に姿を見せた。
「いやはや、来年から学園に入園するのもあってな、学園関係者も呼ばんといかん」
「学園に入園すると、付き合いがどうしても増えますからね」
ビアンカ殿下と簡単な話をしていたが、直ぐにビアンカ殿下がソフィー皇女に向き直った。
「そちが帝国皇女ソフィーじゃな。妾は王国王女のビアンカと申す」
「ご丁寧に紹介頂き、誠に有難うございます。帝国皇女ソフィーと申します。この度はビアンカ王女の事を入国のだしに使ってしまい、誠に申し訳ございません」
「何も問題はないし、大体の事情は聞いておる。双子の兄妹共々、無事でなによりじゃ」
流石はビアンカ殿下、既に殆どを把握していた。
誕生パーティーの件も、全く気にしていなかった。
「当日は父上達のそばにいて、一言二言話せば終いじゃ」
「ご配慮頂き感謝致します」
「妾としては、ここで行う誕生パーティーの方が気楽でいいのだかな」
「王族というのは、ままならないですね」
殆ど打ち合わせにならない様な内容だけど、何もしないよりは良い。
ビアンカ殿下も、形式張ったものよりも気楽な方が良いだろう。
「そういえばビアンカ殿下、貴族主義の連中が暫く迎賓館押えているみたいですけど、何か話を聞いていますか?」
「いや、何も聞いておらぬ」
「ちょっと不安なので、ミケ達の巡回の際に探りを入れておきます」
「妾の方でも調べておこう。せっかくの誕生パーティーを台無しにされたら、たまったものじゃないぞ」
迎賓館の件は、ビアンカ殿下も知らなかったのか。
貴族主義の連中が絡むとロクでもない事しか起きないから、何も起こらなければいいが。
「個人的にはスラタロウにパーティーで出すメニューを頼んでおるので、それが一番の楽しみなのじゃ」
「最近、スラタロウはすっかり料理人ですね」
「既に王城の料理人ともやり取りをしておったな。それで王城の食事が美味しくなるなら、大歓迎じゃ」
「私もお昼を頂きましたが、あんなに美味しい料理は初めてでした」
美味しい料理は万国共通で、誰でも笑顔になる。
と、ここでノースランド公爵へ夕食を作ってきたスラタロウが帰ってきた。
「スラタロウか、何だか新しい魚料理を考案したらしいのう」
ビアンカ殿下がスラタロウに話しかけると、スラタロウは自信ありげに体を揺らしていた。
そして、当たり前の様に食堂に入っていった。
「ソフィー皇女、今日の夕食も楽しみにしていて下さい」
「はい、二人も楽しみにしていると思います」
「今日は妾も久々に泊まるのでな。ちょうどタイミングが良かったのじゃ」
夕食は子ども達の大好物のグラタンに、アクアパッツァやワンスプーン料理などビアンカ殿下の誕生パーティーに出す予定の試作品もあった。
どれも大変美味しく、ビアンカ殿下はどの料理を出すか悩んでしまった位だった。
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