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第十一章 帝国編
第二百三十七話 白龍王の山への道のり三日目
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次の日も朝早くから出発。
ちなみにソフィー皇女の従魔マーモを旅に連れて行くには特訓が必要との事なので、今日はオーウェン皇子とベラ皇女と一緒にいる。
お屋敷に残る他の従魔が、マーモに色々教える気満々。
とりあえず今日のところは、ホワイトがマーモに教えるという。
うちに帰ってきた時に、マーモがダウンしていないかちょっと心配。
朝食をとって街道を進んでいくと、一面の畑が広がる光景から段々と宿場町に変わっていった。
王都に近づくに連れて街並みも都会っぽくなってきたが、不穏な噂も多くなってきた。
一番多い噂は「皇帝陛下が亡くなるのでは」というもので、「ワース金融に資産を取られた」や「ワース商会でボッタクリにあった」というのもある。
中には「皇帝を廃位して内務大臣が新たな皇帝になる」などという噂もあったりと、とにかく色々な噂が混ざっていた。
ワース商会とワース金融の件は、本当の話だろうな。
「噂が噂を呼んで、何がなんだかわからなくなっていますね」
「王都はもっと酷い可能性があります」
「どれが正しい情報なのか、皆さん疑心暗鬼になっています」
馬車の中で皆話をしていたが、わざと色々な情報を流している可能性がある。
このあたりが内務大臣の小賢しい所なのかもしれない。
そして王都に近づくにつれて、明らかに獣人を見かける数が少なくなった。
特に大通りでは殆ど見ない。
迫害を受けているのか真相はわからないが、良くない事態であるのは間違いなさそうだ。
そしてお昼前には王都に到着。
城門の先にでっかいお城が建っている。
うーん、王国のお城よりも大きいな。
だけど、俺が気になったのは城門の警備。
「なんだか、かなり厳しくない?」
「どう見ても、王都に都合の良くない人を入れたくないみたいだね」
「内務大臣に都合の悪い人を、城門で見つけて捕縛する事も考えられますね」
エステルとリンの意見に、俺も皆も賛成。
他の街と比較しても、明らかに厳重すぎる。
無理すれば王都に入れなくはないけど、今この状況で王都に入る危険は冒したくない。
ということで、満場一致で王都はスルーして白龍王の山へ向かう事にする。
「王都で、何か起きているのは間違いなさそうですね」
「あまりにも警備が厳重過ぎて、かえって不自然です」
昼食を食べながら皆で話をするが、ネズミ一匹通さないと言わんばかりの警備だった。
ある意味、王都が大きな監獄になっている。
というか、もしかしたらそれが正解なのかもしれない。
関係者を逃亡させないための檻のような気がしてきた。
この辺は、城に突撃した時に調べれば良いか。
さて、王都から遠ざかって行き山地へ向かう。
普通の馬車でも二日あれば着くらしいが、結構な山道だ。
しかしながら、道中は綺麗に整備されている。
どうも山の麓に白龍王の社があるらしく、普段であれば観光客が沢山訪れるという。
白龍王は帝国の開祖ともいわれていて、お参りすると縁起が良いと言われているらしい。
「ところが、今ではこの有様さ。内務大臣が白龍王信仰を禁止してしまってな。近い内に、国教を人神教にするとまで噂されているよ」
山の麓は閑散としていた。
お茶屋のおばちゃんに団子などを注文して色々話を聞いていたけど、信仰にまで関与し始めているのか。
聞けば、他の宗教も規制されているという。
弾圧までいっていないけど、人神教が国教になったら一斉に弾圧するのだろうな。
夕方になってからの山登りは大変危険なので、明日の朝にする。
寝不足での山登りは危険なので、睡眠はしっかりととってから出かける予定だ。
とはいえ、山頂への山道は整備されていて、素人でも半日程度で登れるらしい。
「「おかえり!」」
「ただいま、マーモは?」
「ねんねしている。疲れたんだって」
「あらら」
お屋敷に着くと、直ぐにオーウェン皇子とベラ皇女がやってきたがマーモの姿はなかった。
近くにいたタラちゃんに話を聞いたけど、特に無理させるような特訓もしていない。
あ、もしかして。
「今日はマーモと遊んだの」
「楽しかった!」
そういう事か。
従魔ができて嬉しい二人に、マーモはずっとつきあわされたのか。
それは疲れるよな。
「マーモは体が小さいのだから、休み休みで遊んであげてね」
「「はーい!」」
ソフィー皇女の忠告に元気よく手を上げて答えていた二人たけど、きっと朝起きたら忘れていそうだな。
ちなみにソフィー皇女の従魔マーモを旅に連れて行くには特訓が必要との事なので、今日はオーウェン皇子とベラ皇女と一緒にいる。
お屋敷に残る他の従魔が、マーモに色々教える気満々。
とりあえず今日のところは、ホワイトがマーモに教えるという。
うちに帰ってきた時に、マーモがダウンしていないかちょっと心配。
朝食をとって街道を進んでいくと、一面の畑が広がる光景から段々と宿場町に変わっていった。
王都に近づくに連れて街並みも都会っぽくなってきたが、不穏な噂も多くなってきた。
一番多い噂は「皇帝陛下が亡くなるのでは」というもので、「ワース金融に資産を取られた」や「ワース商会でボッタクリにあった」というのもある。
中には「皇帝を廃位して内務大臣が新たな皇帝になる」などという噂もあったりと、とにかく色々な噂が混ざっていた。
ワース商会とワース金融の件は、本当の話だろうな。
「噂が噂を呼んで、何がなんだかわからなくなっていますね」
「王都はもっと酷い可能性があります」
「どれが正しい情報なのか、皆さん疑心暗鬼になっています」
馬車の中で皆話をしていたが、わざと色々な情報を流している可能性がある。
このあたりが内務大臣の小賢しい所なのかもしれない。
そして王都に近づくにつれて、明らかに獣人を見かける数が少なくなった。
特に大通りでは殆ど見ない。
迫害を受けているのか真相はわからないが、良くない事態であるのは間違いなさそうだ。
そしてお昼前には王都に到着。
城門の先にでっかいお城が建っている。
うーん、王国のお城よりも大きいな。
だけど、俺が気になったのは城門の警備。
「なんだか、かなり厳しくない?」
「どう見ても、王都に都合の良くない人を入れたくないみたいだね」
「内務大臣に都合の悪い人を、城門で見つけて捕縛する事も考えられますね」
エステルとリンの意見に、俺も皆も賛成。
他の街と比較しても、明らかに厳重すぎる。
無理すれば王都に入れなくはないけど、今この状況で王都に入る危険は冒したくない。
ということで、満場一致で王都はスルーして白龍王の山へ向かう事にする。
「王都で、何か起きているのは間違いなさそうですね」
「あまりにも警備が厳重過ぎて、かえって不自然です」
昼食を食べながら皆で話をするが、ネズミ一匹通さないと言わんばかりの警備だった。
ある意味、王都が大きな監獄になっている。
というか、もしかしたらそれが正解なのかもしれない。
関係者を逃亡させないための檻のような気がしてきた。
この辺は、城に突撃した時に調べれば良いか。
さて、王都から遠ざかって行き山地へ向かう。
普通の馬車でも二日あれば着くらしいが、結構な山道だ。
しかしながら、道中は綺麗に整備されている。
どうも山の麓に白龍王の社があるらしく、普段であれば観光客が沢山訪れるという。
白龍王は帝国の開祖ともいわれていて、お参りすると縁起が良いと言われているらしい。
「ところが、今ではこの有様さ。内務大臣が白龍王信仰を禁止してしまってな。近い内に、国教を人神教にするとまで噂されているよ」
山の麓は閑散としていた。
お茶屋のおばちゃんに団子などを注文して色々話を聞いていたけど、信仰にまで関与し始めているのか。
聞けば、他の宗教も規制されているという。
弾圧までいっていないけど、人神教が国教になったら一斉に弾圧するのだろうな。
夕方になってからの山登りは大変危険なので、明日の朝にする。
寝不足での山登りは危険なので、睡眠はしっかりととってから出かける予定だ。
とはいえ、山頂への山道は整備されていて、素人でも半日程度で登れるらしい。
「「おかえり!」」
「ただいま、マーモは?」
「ねんねしている。疲れたんだって」
「あらら」
お屋敷に着くと、直ぐにオーウェン皇子とベラ皇女がやってきたがマーモの姿はなかった。
近くにいたタラちゃんに話を聞いたけど、特に無理させるような特訓もしていない。
あ、もしかして。
「今日はマーモと遊んだの」
「楽しかった!」
そういう事か。
従魔ができて嬉しい二人に、マーモはずっとつきあわされたのか。
それは疲れるよな。
「マーモは体が小さいのだから、休み休みで遊んであげてね」
「「はーい!」」
ソフィー皇女の忠告に元気よく手を上げて答えていた二人たけど、きっと朝起きたら忘れていそうだな。
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