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第十六章 収穫祭
第三百三十六話 開会式
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格闘技大会の準備も万全。
選手も集まったので、これから開会式が始まります。
「うー、緊張します」
「ハハハ、戦場よりも緊張するか?」
「人の目がある分、こういった所の方が緊張します」
ビューティさんとシルク様がお互いに話をしているが、傍目から見たら筋肉もりもりの大女と小さな少女が物騒な話をしている。
そんな中、気になる反応が二つある。
今回の出場者は十六人。
その中の二人から怪しい気配がしている。
近くにいたルキアさんに、こっそりと聞いてみた。
「ルキアさん、どうも二人程怪しい気配の男がいますよ」
「はい、名前から素性を追ってもわかりませんでした」
「何をしてくるか、要警戒ですね」
「ですので、二人とも一回戦はビューティーさんとシルク様を当てる事にしました」
「あ、そうですか。なら安心ですね」
予選から、ビューティーさんとシルク様の試合は魔法障壁を張ることになっている。
なので、あの怪しい人物が何かをしようとしても、観客には影響はない。
怪しい人は、さっさと倒してもらおう。
「さて、会場の準備も整い、選手も揃いました。これから、選手入場です」
「「「うおー!」」」
司会のアナウンスで会場の観客が盛り上がる。
あれ?
この声ってどっかで聞いたような。
「ルキアさん、もしかしてこの声は」
「はい、アルス様のお姉様です。是非ともやりたいとの事で」
確か声楽をしていると聞いたけど、絶対に王妃様の血の影響がありそうだ。
ものすごくノリノリでアナウンスをしている。
「それでは、選手入場です!」
「「「うおー!」」」
観客の声援を受けながら、選手が入場してきた。
筋肉自慢の大男から、スピード自慢の人まで、色々なタイプの人が参加している。
その中でも、ビューティーさんは観客からの一番人気だ。
シルク様は、ダークホース的な存在だ。
俺とルキアさんも、選手に続いて入ってきた。
「それでは、ルキア様より挨拶を頂戴します」
「「「うおー!」」」
司会の紹介で、ルキアさんが選手の前にでてきた。
しかし、観客はいちいち騒ぐね。
既にテンションが高いよ。
「皆様、収穫祭を楽しんでもらえていますか?」
「「「いえーい!」」」
「今年は色々とありましたが、こうして皆と収穫の喜びを分かち合えてとても嬉しいです」
「「「うおー!」」」
うん、いちいち観客の反応が凄いな。
格闘技大会を楽しみにしていたのと、ルキアさんの人気の両方あるだろう。
「ここに、精鋭十六人が揃いました。参加者の勇姿に、どうか大きな声援をお願いします」
「「「うおー!」」」
うん、既にとっても大きな声援が届いているぞ。
参加者は手を振ったりと、観客にアピールをしている。
「ハハハ、大会は中止にしてもらうぞ!」
「「「ブーブー」」」
ここで、突如としてステージに男が乗り込んできた。
観客からは一斉にブーイングが上がっている。
何だろう、全身黒尽くめで如何にも怪しいといった感じだ。
そして、男はなにかの魔道具を使って魔物を呼び出した。
「ハハハ、地獄の番犬ケルベロスだ。血の海にしたくなければ、降伏を……え?」
「ガゥ……キュンキュン」
男は魔物を呼び出してルキアさんに降伏を迫ったが、逆にルキアさんの怒りに火をつけてしまった様だ。
ケルベロスは登場して直ぐにルキアさんからの殺気をモロに浴びてしまい、一瞬吠えたと思ったけどキュンキュン鳴いて怯えてしまった。
そしてケルベロスはちょっとずつこちらにくると、ルキアさんの前で寝転んでお腹を見せていた。
「アハハハ、何が地獄の番犬だよ」
「一瞬でルキア様に懐いてしまったぞ」
「ぐっ」
観客から、ケルベロスがあっという間にルキアさん服従したと男に向かって大笑いがそこら中からしていた。
男は焦っていたのか、何やら別の行動に出てきた。
「くそー、住民を皆殺しにしてやる!」
男は住民に向けて魔法を放った。
しかし、舞台の外に魔法が出ることはなかった。
「このようにして会場内は聖女様バリアで守られております」
「ガハハハ、結局駄目じゃん」
「アハハハ」
「くそ、何でだよ」
冷静に司会のアナウンスが流れると、再度男を馬鹿にする観客一同。
男は焦っているけど、俺だってそのくらいの手はうちますよ。
そして、無言のまま近づいていくルキアさん。
「あなたには退場してもらいます!」
「ぐぼ!」
ルキアさんの右ストレートが男の顔面に炸裂する。
男は会場の端まで吹っ飛び、待ち構えていた兵に拘束されていった。
あら、完全に失神しているぞ。
「こほん、おまたせしました。これより格闘技大会を開催します」
「「「うおー!」」」
ルキアさんの華麗な悪党退治もあり、更にボルテージが上がる観客。
そして、ルキアさんの事を信じられない目で見ているケルベロス。
再びプルプルと震えだした。
うん、君の野生の勘は正しかったよ。
このまま大人しくルキアさんに従った方が身のためだよ。
選手も集まったので、これから開会式が始まります。
「うー、緊張します」
「ハハハ、戦場よりも緊張するか?」
「人の目がある分、こういった所の方が緊張します」
ビューティさんとシルク様がお互いに話をしているが、傍目から見たら筋肉もりもりの大女と小さな少女が物騒な話をしている。
そんな中、気になる反応が二つある。
今回の出場者は十六人。
その中の二人から怪しい気配がしている。
近くにいたルキアさんに、こっそりと聞いてみた。
「ルキアさん、どうも二人程怪しい気配の男がいますよ」
「はい、名前から素性を追ってもわかりませんでした」
「何をしてくるか、要警戒ですね」
「ですので、二人とも一回戦はビューティーさんとシルク様を当てる事にしました」
「あ、そうですか。なら安心ですね」
予選から、ビューティーさんとシルク様の試合は魔法障壁を張ることになっている。
なので、あの怪しい人物が何かをしようとしても、観客には影響はない。
怪しい人は、さっさと倒してもらおう。
「さて、会場の準備も整い、選手も揃いました。これから、選手入場です」
「「「うおー!」」」
司会のアナウンスで会場の観客が盛り上がる。
あれ?
この声ってどっかで聞いたような。
「ルキアさん、もしかしてこの声は」
「はい、アルス様のお姉様です。是非ともやりたいとの事で」
確か声楽をしていると聞いたけど、絶対に王妃様の血の影響がありそうだ。
ものすごくノリノリでアナウンスをしている。
「それでは、選手入場です!」
「「「うおー!」」」
観客の声援を受けながら、選手が入場してきた。
筋肉自慢の大男から、スピード自慢の人まで、色々なタイプの人が参加している。
その中でも、ビューティーさんは観客からの一番人気だ。
シルク様は、ダークホース的な存在だ。
俺とルキアさんも、選手に続いて入ってきた。
「それでは、ルキア様より挨拶を頂戴します」
「「「うおー!」」」
司会の紹介で、ルキアさんが選手の前にでてきた。
しかし、観客はいちいち騒ぐね。
既にテンションが高いよ。
「皆様、収穫祭を楽しんでもらえていますか?」
「「「いえーい!」」」
「今年は色々とありましたが、こうして皆と収穫の喜びを分かち合えてとても嬉しいです」
「「「うおー!」」」
うん、いちいち観客の反応が凄いな。
格闘技大会を楽しみにしていたのと、ルキアさんの人気の両方あるだろう。
「ここに、精鋭十六人が揃いました。参加者の勇姿に、どうか大きな声援をお願いします」
「「「うおー!」」」
うん、既にとっても大きな声援が届いているぞ。
参加者は手を振ったりと、観客にアピールをしている。
「ハハハ、大会は中止にしてもらうぞ!」
「「「ブーブー」」」
ここで、突如としてステージに男が乗り込んできた。
観客からは一斉にブーイングが上がっている。
何だろう、全身黒尽くめで如何にも怪しいといった感じだ。
そして、男はなにかの魔道具を使って魔物を呼び出した。
「ハハハ、地獄の番犬ケルベロスだ。血の海にしたくなければ、降伏を……え?」
「ガゥ……キュンキュン」
男は魔物を呼び出してルキアさんに降伏を迫ったが、逆にルキアさんの怒りに火をつけてしまった様だ。
ケルベロスは登場して直ぐにルキアさんからの殺気をモロに浴びてしまい、一瞬吠えたと思ったけどキュンキュン鳴いて怯えてしまった。
そしてケルベロスはちょっとずつこちらにくると、ルキアさんの前で寝転んでお腹を見せていた。
「アハハハ、何が地獄の番犬だよ」
「一瞬でルキア様に懐いてしまったぞ」
「ぐっ」
観客から、ケルベロスがあっという間にルキアさん服従したと男に向かって大笑いがそこら中からしていた。
男は焦っていたのか、何やら別の行動に出てきた。
「くそー、住民を皆殺しにしてやる!」
男は住民に向けて魔法を放った。
しかし、舞台の外に魔法が出ることはなかった。
「このようにして会場内は聖女様バリアで守られております」
「ガハハハ、結局駄目じゃん」
「アハハハ」
「くそ、何でだよ」
冷静に司会のアナウンスが流れると、再度男を馬鹿にする観客一同。
男は焦っているけど、俺だってそのくらいの手はうちますよ。
そして、無言のまま近づいていくルキアさん。
「あなたには退場してもらいます!」
「ぐぼ!」
ルキアさんの右ストレートが男の顔面に炸裂する。
男は会場の端まで吹っ飛び、待ち構えていた兵に拘束されていった。
あら、完全に失神しているぞ。
「こほん、おまたせしました。これより格闘技大会を開催します」
「「「うおー!」」」
ルキアさんの華麗な悪党退治もあり、更にボルテージが上がる観客。
そして、ルキアさんの事を信じられない目で見ているケルベロス。
再びプルプルと震えだした。
うん、君の野生の勘は正しかったよ。
このまま大人しくルキアさんに従った方が身のためだよ。
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