小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第八章 帝国との紛争

第五百三十三話 サンダーランド辺境伯領に到着

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 翌朝、僕たちはサンダーランド辺境伯領に向かうための準備を進めます。
 泊めて貰った部屋を片付けて、朝食も頂いちゃいました。

「一晩泊めて頂き、ありがとうございました」
「いやいや、急に治療を頼んだのにこれくらいしかおもてなしが出来なくて済まないな。道中気を付けてくれ」

 アイリーンさんが挨拶をすると、マンデラ様も代表して挨拶してくれました。
 そして、ハルカさんとヒカリさんとハグをして、僕たちは馬車に乗り込みました。

「行ってきます!」
「アオン!」
「「気をつけてね」」

 ディフェンダーズ伯爵家の皆さんに見送られながら、僕たちを乗せた馬車は出発しました。
 問題なければ、夕方前にはサンダーランド辺境伯領に到着予定です。
 天気も曇り空だけど、何とか持ちそうです。
 でも、馬車内は昨日の多数の兵の治療の件で空模様みたいにどんよりとしていました。

「前にサンダーランド辺境伯領に行った時もたくさんの兵を治療したけど、今度はもっとたくさんの怪我人がいるってことですよね」
「それは間違いないわ。軍に確認したら、かなりの怪我人が運び込まれているそうよ。町の人の治療を圧迫しているのも間違いないわ」

 町に治療施設は四つあって、きっと多くの怪我人で満床なんでしょうね。
 でも、治療施設にいる人を治療しても、また多くの兵が運ばれて来ちゃうよ。

「だから、ここからは手分けして治療を行いましょう。私とケイト、カーラで、前線基地に行って治療を行うわ。レオ君とマイアで、町にいる兵を治療しましょう」
「「「はい!」」」
「仮に、今日治療する場合は全員で全力で行いましょう。そして、町の治療施設での治療が終わったら、レオ君とマイアも前線基地に合流ね」

 アイリーンさんが素早く指示を出してくれたけど、やる事はたくさんありそうです。
 サンダーランド辺境伯領での治療経験があるシロちゃんはもちろんのこと、ユキちゃんも気を引き締めていました。
 休憩も取りつつ、予定通り夕方前にはサンダーランド辺境伯領に到着しました。
 そして、第一治療施設を兼ねる教会前を通ると、大変なことになっていました。

「あっ、教会前にもたくさんの兵が!」
「これはマズイわね。直ぐに治療を始めるわよ」

 なんと、教会前にも毛布に寝かされている兵がたくさんいました。
 ここまでの状況は想像していなかったので、僕たちもとてもビックリです。
 しかも、その中には領主のボーガン様の姿がありました。
 僕たちは、馬車から降りて急いで駆けつけました。

「負傷した兵は、このスペースに運べ! ポーションはないのか!」
「ボーガン様!」
「うん? おお、レオ君か。来てくれたのか」

 僕に声をかけたボーガン様は、明らかに疲労の色が見えていました。
 きっと、大規模な戦闘が始まってからずっと現場指揮をしていたんですね。
 すると、アイリーンさんをはじめとする面々がボーガン様の前に膝をついたので慌てて僕も膝をつきました。

「サンダーランド辺境伯様、宮廷魔術師のアイリーン・ノーヴェでございます。同じく宮廷魔術師の王国騎士爵レオとともに、特別治療班を結成して駆けつけました」
「サンダーランド辺境伯、ボーガンだ。はるばる王都より駆けつけ、大義である。早速、傷ついた兵の治療を頼む」
「畏まりました」

 こういうのは、きちんとやらないと駄目みたいですね。
 でも、わざわざ僕のことまで紹介しなくても良いと思います。
 「黒髪の天使様が駆けつけてくれた」とか、「あのレオ君が騎士爵に」とか、「黒髪の魔術師様が、本当の魔術師になられたぞ」などと、僕の事を知っている住民が色めき立っています。
 でも、僕たちのやる事は代わりありません。
 早速、治療に取り掛かります。

「レオ君とシロちゃんで、重傷者を治療してくれ。私たちで、その他のものを治療する」
「頑張ります!」
「アオン!」

 役割は、ディフェンダーズ伯爵領の時と同じです。
 ユキちゃんも、頑張るぞとアイリーンさんの後をついていきました。
 僕とシロちゃんも、案内をしてくれるシスターさんの後をついていきます。
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