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鬼の世界へ
4 食用動物…
しおりを挟む「ハ~ッハッハ! 冗談よ、冗談。食べないわよ~。殺さないから安心なさ~い」
逃げるに逃げられず、全裸のままソファーに身を丸くしながらチラッとお姉さんを見ると、優しく笑っています。
「ほ、ホントに食べない?」
「食べない」
「ほ、ホントに殺さない?」
「殺さないってば!」
「ホントに、ホント?」
「ホントだってば。だいたい、食べる気なら、何にも知らせずにサッサと捻っちゃった方が手っ取り早いでしょうに」
「ひ、捻る?! ま、まあ、それはそうですよね……。
い、いやいや、もしかして、生きて抵抗するモノのお腹割いて内臓を啜る方が美味しいとかって……」
「嫌ねえ。私を何だと思ってるのよ。河童じゃあるまいし、そんな野蛮なことしないわよ。
食べるんだったら、ちゃんと綺麗に解体して、焼くか煮るか調理するし~。
生の内臓を食べたがるのは河童ぐらいのモノよ」
「そ、そういうものなんですか?」
「そういうものよ。あなた方だって、牛や豚を丸のまま生で齧る?」
いいえ、そんなことしませんね。『お肉』として加工されたモノを、火を通して調理してから食べます。お姉さんのおっしゃる通りです。
それに、どっちみち、逃げ出せそうにありません。お姉さんを信じるしかありませんでした。
私には丈の少し短い和服のような着物を着せられ、眼鏡も返してもらいます。
そして、お姉さんの手で赤い色の首輪が付けられました。
硬い材質で小さなカギ穴の様なモノが付いています。多分カギが無いと外せない仕組みになっているのでしょう。
この首輪を付けているということは、所有者があるということ。他の妖は手を出せなくなるんだそうです。
とはいえ、この世界では人間は食用動物扱い。危険だから、絶対一人では出歩かないように注意されました。
特に河童は危険なんですって。首輪が付いていても平気で盗み食いするってことです。
さっきの河童も、いきなり襲ってきましたよね。
そうそう、あのときお姉さんに助けて貰えなければ私がどうなっていたかも、教えてもらいましたよ。不必要なほどに詳しく。
河童が尻子玉を抜くという話なんですけどね。当然、『尻子玉』なんて部位は人間にはありません。何をされるのかといいますと……。
まずですね。私は四つん這いにさせられて、お尻の穴を露出させられます。
……女の子としては、超恥ずかしい格好です。
それで、そのお尻の穴の中、肛門内部に手をズブッと突っ込まれます。
……うう~ん。ビックリですし、すっごくバッチイですよ! イヤだ~!!
そんでもって中にある大腸の『直腸』という部分を内側からビリッと破かれて、グッとシッカリ内部で大腸の端が掴まれます。
……ううう~っ、い、痛そう~っ!!
後は一気でアッと言う間のコト。大腸から小腸まで続けて、綺麗に全部、ズルズルズルズルーッと噴き出すように抜き出されます。
……ちょ、超、痛いですし、グロ過ぎる!!
そして、お尻から引きずり出された血も滴る私の大腸と小腸は、即座に残らず啜り食べられてしまうんだそうです。
……ひ、ひえええええ~!!!
これが尻子玉抜きの実際。
内臓を抜き出す様子が、お尻の栓を抜いて中身を噴出させるように見えることから、そう呼ぶんですって。
私ってば、四つん這いにさせられ、ショーツをずり下ろされ、お尻の頬を広げられていました。まさに間一髪でしたよ。
あの後を想像すると寒気がしますし、助けてくれたお姉さんには、もう、ひたすら感謝です。
……でも、ですね。
こ~んなトラウマになりそうな詳細は、聞きたくありませんでした!!
お姉さんってば、絶対に、私を怖がらせて楽しんでますよねっ!
この、人でなし! 鬼~!!!
あ、まんま、その通りでしたね・・・。
応援ありがとうございます!
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