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鬼の世界へ
9 お風呂と、夜…
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食事の後に案内されたのは、別棟のお風呂場。温泉なんですって。
清掃中以外は、いつでも入って良いということです。
広い浴槽に、無色透明だけどトロッとした上等なお湯。湯加減も丁度よく、最高です。
異世界に迷い込んで、温泉入り放題。食事もキチンと用意してもらえる。
至れり尽くせりです。こんな好待遇、普通はあり得ませんよね。
だから、その食事の内容に文句なんかつけちゃダメ。バチが当たります。ありがたく頂戴するのが礼儀です。
それに…。よくよく思い出してみますとですね、リューサさんってば、一言もあれが「人肉だ」って言っていないんですよね。最高肉だとか、15歳の女の子とは言ってましたけど。
もしかして、やっぱり違うのかもしれませんよ。羊の15歳の女の子とか!
そうか、それよ! あれは15歳の雌の羊!
・・・。
あ、なんか、虚しくなってきましたね。
そんなはず無いです。テレビの動物番組で少し前に見ましたよ。
確か、羊の寿命って10年ちょっとです。15年も生きないし、超長生き羊だったとしても、そんなの硬くて臭くて食べられませんよ。
牛にしたって寿命は同じくらいのはずです。あり得ません。
もう良いです。認めましょうよ。私は食べてしまったのですよ。同年の若い女の子を。
で、その肉は案外美味しかったってことなんですよ。
そう言えば、たしか、社会科の先生に薦められて読んだ『古事記』に書いてありましたね。こんなような話が…。あ、いや、人肉を食べる話じゃないんですけどね。
元々、「日本の神話って結構エロくって面白いから読んでみな」ってことでした。
国を産むのに男神と女神が性器を合わせあうとか、アメノウズメノミコトがオッパイ出して陰部もみせて裸踊りしたりとか、そんな話が書いてあるんだなんて…。
そんなこと言われましたらですね、そういうことが気になるお年頃ですもん。読みますよね。興味湧かないはず無いじゃないですか!(あ、社会科の先生、女ですよ)
で、それに書いてあったのが「ヨモツヘグイ」。
イザナミノミコトが火の神を産んで陰部に大火傷して死んでしまいました。(ここでも陰部が出てくるのよね……)
それを悲しんだ夫のイザナギノミコト、黄泉の国(死者の国)へ妻を連れ戻しに行きます。
だけど、イザナミノミコトは「ヨモツヘグイ」をした後で、もう帰れない。どういうことかというと、黄泉の国の食べ物を食べてしまったということ……。
黄泉の食べ物を口にしてしまえば、もう、元の世界には戻れないというのです。
私がしたのは、まさにこの「ヨモツヘグイ」ですよね……。
ここは、一歩間違えば私があのステーキになっていても何の不思議もない世界なんです。
リューサさんの御機嫌を損ねれば、私もあんなステーキになってしまうのです。
この世界では、この世界のルールに従って生きていくしか無いんです。
この世界では、アレは高級で美味しい食べ物なのです。
だから、私がアレを食べたのは、悪いことじゃないですよね。
仕方ないじゃないですか。
この世界の当り前…。
そう、当り前……。
私は、悪いことはしていません。当たり前のことをしただけです。
だけど……。
人肉食という「ヨモツヘグイ」をしてしまった私は、この異界の仲間入り……。
これで私も、完全に、この世界の住人……。
私は、もう元の世界には戻れなくなったのです。
物思いにふけってしまい、長湯してしまいました。
待っていてくれたイマさんとカリさんに、離れの寝室へ案内されました。来客用寝室みたいです。
取り敢えずのところ、今日はここで寝るようにということでした。
深夜…。何だか目が覚めてしまって、横になったまま眼鏡をかけました。
部屋には常夜灯のホンノリの灯りがありますので、真っ暗ではありません。
と、突然、入口の戸がスーッと開きます。
へえっ、なに?!
音もなくサッと入ってきたのは、イマさんとカリさん。大人っぽいネグリジェ姿。
でも、それをスッと脱いで、裸になります……。
な…、なに、なに、なに!!
余りのことに、横になったまま呆然としていた私。二人はササッと、私の寝ているベッドに侵入してきました!
「起きてるのか」
「静かにしろ」
二人とも女の子だけども引き締まった筋肉質の体。
でも、膨らむところはキッチリ膨らんだ、カッコイイ女子アスリート体型。
その引き締まった裸体が両側から私に押し付けられます。
あっと言う間に私の着物が剥ぎ取られちゃいます。
この和服様の着物、脱ぐのに便利。あ、そういうことか。食材として処理するときに脱がせやすいから、こういうのを着せてるんだ……。
うっ、処理…? 私、もしかして、これから『食肉処理』される?!
清掃中以外は、いつでも入って良いということです。
広い浴槽に、無色透明だけどトロッとした上等なお湯。湯加減も丁度よく、最高です。
異世界に迷い込んで、温泉入り放題。食事もキチンと用意してもらえる。
至れり尽くせりです。こんな好待遇、普通はあり得ませんよね。
だから、その食事の内容に文句なんかつけちゃダメ。バチが当たります。ありがたく頂戴するのが礼儀です。
それに…。よくよく思い出してみますとですね、リューサさんってば、一言もあれが「人肉だ」って言っていないんですよね。最高肉だとか、15歳の女の子とは言ってましたけど。
もしかして、やっぱり違うのかもしれませんよ。羊の15歳の女の子とか!
そうか、それよ! あれは15歳の雌の羊!
・・・。
あ、なんか、虚しくなってきましたね。
そんなはず無いです。テレビの動物番組で少し前に見ましたよ。
確か、羊の寿命って10年ちょっとです。15年も生きないし、超長生き羊だったとしても、そんなの硬くて臭くて食べられませんよ。
牛にしたって寿命は同じくらいのはずです。あり得ません。
もう良いです。認めましょうよ。私は食べてしまったのですよ。同年の若い女の子を。
で、その肉は案外美味しかったってことなんですよ。
そう言えば、たしか、社会科の先生に薦められて読んだ『古事記』に書いてありましたね。こんなような話が…。あ、いや、人肉を食べる話じゃないんですけどね。
元々、「日本の神話って結構エロくって面白いから読んでみな」ってことでした。
国を産むのに男神と女神が性器を合わせあうとか、アメノウズメノミコトがオッパイ出して陰部もみせて裸踊りしたりとか、そんな話が書いてあるんだなんて…。
そんなこと言われましたらですね、そういうことが気になるお年頃ですもん。読みますよね。興味湧かないはず無いじゃないですか!(あ、社会科の先生、女ですよ)
で、それに書いてあったのが「ヨモツヘグイ」。
イザナミノミコトが火の神を産んで陰部に大火傷して死んでしまいました。(ここでも陰部が出てくるのよね……)
それを悲しんだ夫のイザナギノミコト、黄泉の国(死者の国)へ妻を連れ戻しに行きます。
だけど、イザナミノミコトは「ヨモツヘグイ」をした後で、もう帰れない。どういうことかというと、黄泉の国の食べ物を食べてしまったということ……。
黄泉の食べ物を口にしてしまえば、もう、元の世界には戻れないというのです。
私がしたのは、まさにこの「ヨモツヘグイ」ですよね……。
ここは、一歩間違えば私があのステーキになっていても何の不思議もない世界なんです。
リューサさんの御機嫌を損ねれば、私もあんなステーキになってしまうのです。
この世界では、この世界のルールに従って生きていくしか無いんです。
この世界では、アレは高級で美味しい食べ物なのです。
だから、私がアレを食べたのは、悪いことじゃないですよね。
仕方ないじゃないですか。
この世界の当り前…。
そう、当り前……。
私は、悪いことはしていません。当たり前のことをしただけです。
だけど……。
人肉食という「ヨモツヘグイ」をしてしまった私は、この異界の仲間入り……。
これで私も、完全に、この世界の住人……。
私は、もう元の世界には戻れなくなったのです。
物思いにふけってしまい、長湯してしまいました。
待っていてくれたイマさんとカリさんに、離れの寝室へ案内されました。来客用寝室みたいです。
取り敢えずのところ、今日はここで寝るようにということでした。
深夜…。何だか目が覚めてしまって、横になったまま眼鏡をかけました。
部屋には常夜灯のホンノリの灯りがありますので、真っ暗ではありません。
と、突然、入口の戸がスーッと開きます。
へえっ、なに?!
音もなくサッと入ってきたのは、イマさんとカリさん。大人っぽいネグリジェ姿。
でも、それをスッと脱いで、裸になります……。
な…、なに、なに、なに!!
余りのことに、横になったまま呆然としていた私。二人はササッと、私の寝ているベッドに侵入してきました!
「起きてるのか」
「静かにしろ」
二人とも女の子だけども引き締まった筋肉質の体。
でも、膨らむところはキッチリ膨らんだ、カッコイイ女子アスリート体型。
その引き締まった裸体が両側から私に押し付けられます。
あっと言う間に私の着物が剥ぎ取られちゃいます。
この和服様の着物、脱ぐのに便利。あ、そういうことか。食材として処理するときに脱がせやすいから、こういうのを着せてるんだ……。
うっ、処理…? 私、もしかして、これから『食肉処理』される?!
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