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鬼の世界へ
14 味噌汁2
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持ち込まれたのは、まさに煮干し。海の小魚を茹でて干した物ですって。
農場では肥料に使うという事で仕入れていますが、一部は食用にもしているみたいです。出汁用ではなく、ポリポリ直接食べてるんですって…。うん、カルシウム補給ですね。
でも、これで味噌汁に一番合う煮干し出汁がとれますよ!
煮干しでの出汁って、あんまりやったことないですけど、たしか、頭を取って、一晩水に浸けておけばよいんでしたっけ? 急ぐ場合は煮だす…。煮てみましょう。
頭を取った煮干しを煮だす…。できた少し黄色っぽくなった液体。小皿に取り、フーフーして飲んでみると…。うん、いい感じ!
ラクッサさんにも飲んでもらうと、首を傾げて微妙な顔…。
じゃあ、これに味噌を溶いてみましょう。
出汁の量に必要な分量の味噌を、大体の目分量でとりまして、そこへ熱い出汁を少し入れ、緩く溶いてからお鍋へ入れます。
「へ~。そんな風に入れるんだ~。知らなかったよ~」
「えっ、どうしてたんですか?」
「いや~、そのまま、お鍋へ入れて、溶けるまで煮こんでいたのよ~」
「えっ?! それじゃあ、お味噌の香も飛んじゃいますよ。味噌を入れたら、後はさっと煮立たせるだけですよ」
「ふ~ん。なるほど、なるほど」
で、出来た具無しの味噌汁。味見してみますと、良い感じというか、美味しい!
たぶん、出汁の煮干しが良いんですね。
ラクッサさんに勧めてみます。一口すすり……。
「な、なにこれ! 今までと全然違うよ!! 美味しい!!!」
「でしょう~」
エッヘンです!
「ついでに言いますとね、ホントはお椀で直接飲むの方が美味しいのですよね。スプーンですと、なんか奇妙な感じで飲んだ気しないんです」
「そっか~。でもそれは、この世界の作法としてはチョットね~。それ用の食器もないしね」
う~ん、仕方ないか……。
「具は、どういうのが良いのかな~?」
「そうですね。豆腐、ワカメ、葱は定番ですね。その他、菜っ葉や根菜も良く使いますね」
「根菜? これは?」
ラクッサさんが出したのは、ニンジン。
「ああ、使いますよ。でも、小さい子はニンジンって嫌いなんですよね……」
私がお世話になっていた施設では……。
中学生までの子だけの施設で小さい子が多かった…。ニンジン嫌いの子が多かったのです。私はニンジン大好きなんですけど!
「これ、最近、凄く体に良い野菜って流行っているのよ~。
でも、リューサ様、これ、嫌いなのよね。何とか食べさせたいのだけどね」
ふ~ん。体に良いから食べさせたいか…。そういえば、味噌汁もそうでしたね。リューサさんのことを思っての発言ですね。
よし、でしたらば!
ラクッサさんからニンジンを受け取り、まずは、ぺらぺらに薄く輪切り。それを、さらに細く細~く千切りに。
「うわ~、美玖ちゃん、包丁使い上手いね」
お~っと、コックさんに褒められてしまいました。ちょっとテレマス…。
で、このニンジンの千切りで作った味噌汁をラクッサさんに勧めてみますと…。
「あら、ニンジンの独特の味、あんまり感じない!」
「でしょう! 私はニンジンが大好きで食べたいんですけど、ニンジン嫌いな子たちと一緒の施設にいましたからね。そんな子たちも、こうすれば食べてくれるんですよ」
私的には、大きいのを噛んだ時に広がるニンジンのあの風味が美味しいと思うんですけどね。それは薄くなっちゃうけれども、ニンジンを排除されてしまうよりはマシということで、妥協の産物として編み出した技なんです。
ラクッサさん、「これでリューサ様にもニンジンを食べさせられる…。フッフッフ~」とニマニマ怪しく笑っています。
なんか、スッゴイ悪だくみしているみたいに見えますよ~。大丈夫ですか~?
昼食は既に用意されていたサンドイッチ。ラクッサさんと一緒に。
挟んであるハム…。何の肉?…いや、もう、気にするのは、よしましょうね。
その後は、人間界のスイーツの話を色々訊かれ、お教えしました。
施設暮らしで外食や買い食いなんてあんまり出来ませんでしたからね。それほど詳しくはないんですけどね……。
農場では肥料に使うという事で仕入れていますが、一部は食用にもしているみたいです。出汁用ではなく、ポリポリ直接食べてるんですって…。うん、カルシウム補給ですね。
でも、これで味噌汁に一番合う煮干し出汁がとれますよ!
煮干しでの出汁って、あんまりやったことないですけど、たしか、頭を取って、一晩水に浸けておけばよいんでしたっけ? 急ぐ場合は煮だす…。煮てみましょう。
頭を取った煮干しを煮だす…。できた少し黄色っぽくなった液体。小皿に取り、フーフーして飲んでみると…。うん、いい感じ!
ラクッサさんにも飲んでもらうと、首を傾げて微妙な顔…。
じゃあ、これに味噌を溶いてみましょう。
出汁の量に必要な分量の味噌を、大体の目分量でとりまして、そこへ熱い出汁を少し入れ、緩く溶いてからお鍋へ入れます。
「へ~。そんな風に入れるんだ~。知らなかったよ~」
「えっ、どうしてたんですか?」
「いや~、そのまま、お鍋へ入れて、溶けるまで煮こんでいたのよ~」
「えっ?! それじゃあ、お味噌の香も飛んじゃいますよ。味噌を入れたら、後はさっと煮立たせるだけですよ」
「ふ~ん。なるほど、なるほど」
で、出来た具無しの味噌汁。味見してみますと、良い感じというか、美味しい!
たぶん、出汁の煮干しが良いんですね。
ラクッサさんに勧めてみます。一口すすり……。
「な、なにこれ! 今までと全然違うよ!! 美味しい!!!」
「でしょう~」
エッヘンです!
「ついでに言いますとね、ホントはお椀で直接飲むの方が美味しいのですよね。スプーンですと、なんか奇妙な感じで飲んだ気しないんです」
「そっか~。でもそれは、この世界の作法としてはチョットね~。それ用の食器もないしね」
う~ん、仕方ないか……。
「具は、どういうのが良いのかな~?」
「そうですね。豆腐、ワカメ、葱は定番ですね。その他、菜っ葉や根菜も良く使いますね」
「根菜? これは?」
ラクッサさんが出したのは、ニンジン。
「ああ、使いますよ。でも、小さい子はニンジンって嫌いなんですよね……」
私がお世話になっていた施設では……。
中学生までの子だけの施設で小さい子が多かった…。ニンジン嫌いの子が多かったのです。私はニンジン大好きなんですけど!
「これ、最近、凄く体に良い野菜って流行っているのよ~。
でも、リューサ様、これ、嫌いなのよね。何とか食べさせたいのだけどね」
ふ~ん。体に良いから食べさせたいか…。そういえば、味噌汁もそうでしたね。リューサさんのことを思っての発言ですね。
よし、でしたらば!
ラクッサさんからニンジンを受け取り、まずは、ぺらぺらに薄く輪切り。それを、さらに細く細~く千切りに。
「うわ~、美玖ちゃん、包丁使い上手いね」
お~っと、コックさんに褒められてしまいました。ちょっとテレマス…。
で、このニンジンの千切りで作った味噌汁をラクッサさんに勧めてみますと…。
「あら、ニンジンの独特の味、あんまり感じない!」
「でしょう! 私はニンジンが大好きで食べたいんですけど、ニンジン嫌いな子たちと一緒の施設にいましたからね。そんな子たちも、こうすれば食べてくれるんですよ」
私的には、大きいのを噛んだ時に広がるニンジンのあの風味が美味しいと思うんですけどね。それは薄くなっちゃうけれども、ニンジンを排除されてしまうよりはマシということで、妥協の産物として編み出した技なんです。
ラクッサさん、「これでリューサ様にもニンジンを食べさせられる…。フッフッフ~」とニマニマ怪しく笑っています。
なんか、スッゴイ悪だくみしているみたいに見えますよ~。大丈夫ですか~?
昼食は既に用意されていたサンドイッチ。ラクッサさんと一緒に。
挟んであるハム…。何の肉?…いや、もう、気にするのは、よしましょうね。
その後は、人間界のスイーツの話を色々訊かれ、お教えしました。
施設暮らしで外食や買い食いなんてあんまり出来ませんでしたからね。それほど詳しくはないんですけどね……。
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