鬼に飼われて生きる少女 ~異世界転移し、鬼と一緒にヒトを食べて生きています~

しんいち

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鬼の世界へ

13 味噌汁1

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 今日は、リューサさんは朝から一人でお出かけで、留守だそうです。
私は着換えて、朝食。イマさんとカリさんが世話を焼いてくれます。
 同時に、以後の食事等の世話をしてくれるメイドちゃんを紹介されました。

 見た目は小学校高学年生。だけど歳は、私よりも上。ホワンとした感じのキズハちゃんが19歳で、おすましさんのリオシちゃんは18歳だそうです。
 キズハちゃんはノンビリした感じに見えますが、仕事はテキパキの出来る子さんです。
 リオシちゃんも、仕事に関しては完璧主義者。時々見せる鋭い目つきがチョット怖い気もしますが、悪い子じゃないようです。
 これから、宜しくお願いします。

 朝食の方は…。昨夜と同じ洋食スタイル。
 芋一本は今日もついています。パン代わりで、この世界の主食みたいです。
 他はサラダとソーセージ。このソーセージって・・・何で出来てる?
 イマさんカリさんになら、訊いても問題ないですよね!
てことでですね、恐る恐る聞きますと…。
 あ~、やっぱり、聞かなきゃよかった。答えは言うまでもないこと・・・・。
まあ、当り前です。生産者なんですから…。

 だけどですね。・・・・だからと言って、私がこれを食べずに捨てると、お肉ちゃんになった人は何のために命を奪われたのか…。
 そう、食べてあげるのが礼儀ってもんですよね。残さず全部!
 どんな子だったか知りませんが、あなたの命、無駄にしません。美味しく頂きますから、罪深い私を許してください。


 さて、今日の予定はと問われまして。私に予定など、何もございません。
 敷地内は自由に散策して良いことになっています。
 牧場は、まだちょっと怖い…。飼われている、あの可愛い女子たちと顔を合わせる勇気が無いです。
 農場は、何かよく分かんないけど、少し危険がありそう…。

 あ、そうだ、味噌汁だ。コックさんに作り方を教えるんでしたよ!
 ということで、調理場の方へ案内してもらいました。
 イマさんカリさんは食肉加工場(うううっ…、ぜったい遠慮したい場所……)での仕事があると去って行き、コックさんと二人きりです。

 コックさんは、ラクッサというお名前の女性で22歳。見た目は、私と同年齢くらいか、ちょっと若いかって感じですかね。
 童顔で可愛らしいお顔ですが、背はスラッと高く、スタイルは抜群。まるでアイドル歌手か、ファッションモデルかって容姿です。

「聞いてますよ。ありがとうね~。
私も、あんまり美味しくないなって思ってたのよね、あの味噌汁。
教えて頂戴! どう作れば良いの?」

 声も話し方も可愛らしい…。そして、お話は通っているようです。
 あの味噌汁に足りないのは、お出汁だしですよ。
でも、この世界に出汁を取れる材料なんてあるんでしょうか?
 とりあえず、食材倉庫を見せてもらいました。

 人間界で料理するときは、簡単な出汁パックを使っていました。昆布とか鰹節なんかの砕いたのが入っていて、パックごと煮だせばよいというお手軽品です。
 倉庫内には当然、そんな便利なものはありませんよね。
それに、乾物は干し肉みたいなのばっかりで、鰹節も無いし、昆布も無い。基本的に肉食ですからね。必要ないんでしょうね。

 煮干しも無いなと思ったら、魚って食べないんですって。
 でも人間は魚も食べるってことで、農場の人間用食材に使えそうなのが無いか訊いてもらえることになりました。
 その結果です。昆布と、鰹節は…無理だろうなとは思ってましたが、やっぱり、それらしきものは無し。ですが、小魚を干したものがあるってこと。メイドのリオシちゃんが取りに行ってくれました。
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