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鬼の世界へ
21 農場
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翌日。
今日は、リューサさんは御在宅。だからといって、お暇ではありません。薬を作ったりとか、色々ありますからね。
イマさんは・・・。私が絶対近寄りたくない場所でのお仕事。ヒトの出荷準備。つまり、屠殺です。イマさんがこの担当なんだとか。
カリさんも手伝うことが多いようですが、彼女は主に、その後の出荷の担当のようです。
で、今、カリさんは、私の護衛としてついてきてくれています。
私が向かったのは農場です。初日に簡単には見せてもらいましたが、どんな野菜とかがあるのか、もう少し見てみたかったのですよ。
リューサさんに気に入ってもらうには、やっぱり一番手っ取り早いのは「胃袋を掴む」ってやつです。美味しいモノは正義なんです!
コックのラクッサさんも友好的ですから、二人で協力して人間界の知識で美味しいモノを!なんて、勝手な企みです。(浅知恵かな??)
「そういえば、リューサさん、農場は襲われる危険があるって言っていましたよね」
「そう。ある。美玖は可愛いからアブナイ。農場はニンゲンの男ばかり。ニンゲンの男、年中サカッている」
さ、サカッているって……。
でも、そういうことですか、女として襲われるということ。
それでもって私は赤首輪。確かリューサさん、その場合はその場合で構わないって言っていました。その意味、やっと理解しました。
で、今日は農場に行くという私を心配して、カリさんがついて来てくれたんですね。
「ナユさんが統制取っているとも言ってらっしゃいましたよね」
「うん。ナユは淫乱変態女。異種族のニンゲンと交わって喜んでいるクソ変態。でも外見は綺麗だから、ニンゲンの男も大喜び。農場には女がいないから、容易にセックスできなく、いつも男は欲求不満。それを解消させて、ニンゲンの男どもを完全に手懐けている」
な、なるほど…。それで統制を取る。だから、ナユさんにとってはセックスするのも仕事ってことなのですね。
い、いや、しかし…。なんと申して良いのでしょうかね……。
カリさんから、農場担当の鬼さんも紹介してもらいました。ナルーさん19歳と、オッミさん18歳。どっちも女性。リューサさんのところには男性鬼は一人もいないのです。
この二人、メイドちゃんと同じで、見た目は小学校高学年生って感じです。二人とも可愛らしい感じで頼りなさそう。それこそ、男たちに犯されちゃうんじゃないの?と心配です。
小声でその心配をカリさんに訊いてみますと…。
「大丈夫だろう。こいつら、こう見えて力持ちだ。ニンゲンの男くらいに負けない。まあ、気に入った奴はナイショで相手してやっているのかもしれないな。
それに、ナユに言いつけるっていえば、男どもはオトナシクなるしな」
な、なるほど…。いや、でもナイショで相手って、それ、どうなんですかね……。
18歳過ぎていたら、私たちの世界でも一応成人ですけどね。見た目と違って、なんてオトナな。
あ、もしかして、あの、発情期ってやつの時にですか……。
畑の方は…。ニンジンに、菜っ葉。トマトにキュウリにレタスといった見慣れたものの他にも様々な野菜があります。そういえば、米は?
担当のナルーさんとオッミさん「コメ?」と首を傾げます。
水を張った田んぼで育てる小さな粒で白い色のものと説明しても、首を傾げるばかり。この世界に米は存在しないようです。
麦はあるみたいですが、ほんの少ししか作っていないみたいです。だから、主食は芋なんですね。
あ、トウモロコシはありますね。大豆も畑に植わっています。味噌や豆腐があるんですもんね。
果樹園の方は…。あ、美味しそうなリンゴ。ブドウもあります。後は何の木だろう?実がなってないと分かりませんね。
だけど、これらを使っての美味しい料理って、何でしょう? ダメだ。何にも浮かびません。
そもそも私、料理出来なくはないですけど、それほど得意ってことでもないんですから……。
農場は労働者の男性ばかりかと思っていたら、たくさんの子供たちもいます。
あら、女の子も!
繁殖場(…この呼び方も、なんだかな~ですが)で生まれた子供は、一か月はお母さんのオッパイを飲んで育ちます。その後は農場の方で、お父さんたちに育てられるんだそうです。
尤も、人間たちには誰が誰の子か、よくわかりません。だから、みんな共同で育てるんですね。
子供は9歳までは無首輪なんですって。
女の子だと5歳になると牧場へ送られてしまいますが、男の子は農場の仕事を手伝ったり、自分より年少の子の世話をしたりします。
そして10歳で選別されます。
体の丈夫な子には黒首輪がつけられ、以後は屋外の農作業をします。
体の弱い子は白首輪をつけられます。以後は屋内作業(出荷品選別・梱包・赤子の世話)で、12歳になると、食肉処理となります。
強いモノしか生き残れない、弱肉強食の世界ですね。(ちょっと意味違うかな。人間たちが食べ合うのでなく、食べるのは鬼だから…)
さらに、です。黒首輪の中から特に見栄えも良くて丈夫な男が、繁殖に協力することになるということです。
赤首輪選抜に関しても、なぜか見栄えが重視されるのです。どういうことかカリさんに訊いてみますと、その方が高く売れるからということ。
なんで容姿が関係あるの?意味不明ですが、それ以上はカリさん言葉を濁して教えてくれません。
ただ、私は赤首輪。つまり、あの黒首輪の男性の中の誰かと、この後、セックスさせられて子供を産むことになるのですね。
そう思うと、ちょっと真剣に見てしまいます。だって、知らない男といきなりって、やっぱり嫌ですよ……。
「なんだ美玖。イイ男を探してるのか? でも、お前の希望は通らないと思うぞ」
「へえっ! べ、別に、探してなんかいません!」
もおおっ! カリさんってば!!
その後、前にちょっと聞いた、農場奥の乳牛の牧場も見せてもらいました。チーズやバターなんかの乳製品も、少量ですが作っているみたいです。
収穫物や加工した乳製品は、自家消費分を除いて出荷・販売します。
ただ、出荷に適さない形の悪い農産物なんかも当然かなりの量です。
そう言った物が労働者の食料となります。足りなければ、出荷を減らして食料に回す場合もあるそうです。
労働者を飢えさせるようなことは決してしません。そんなことしたら、ますます収量が減りますからね。
人間の生活環境・待遇としては、悪くはないようです。白首輪の男の子は殺されるということを除けば……。
今日は、リューサさんは御在宅。だからといって、お暇ではありません。薬を作ったりとか、色々ありますからね。
イマさんは・・・。私が絶対近寄りたくない場所でのお仕事。ヒトの出荷準備。つまり、屠殺です。イマさんがこの担当なんだとか。
カリさんも手伝うことが多いようですが、彼女は主に、その後の出荷の担当のようです。
で、今、カリさんは、私の護衛としてついてきてくれています。
私が向かったのは農場です。初日に簡単には見せてもらいましたが、どんな野菜とかがあるのか、もう少し見てみたかったのですよ。
リューサさんに気に入ってもらうには、やっぱり一番手っ取り早いのは「胃袋を掴む」ってやつです。美味しいモノは正義なんです!
コックのラクッサさんも友好的ですから、二人で協力して人間界の知識で美味しいモノを!なんて、勝手な企みです。(浅知恵かな??)
「そういえば、リューサさん、農場は襲われる危険があるって言っていましたよね」
「そう。ある。美玖は可愛いからアブナイ。農場はニンゲンの男ばかり。ニンゲンの男、年中サカッている」
さ、サカッているって……。
でも、そういうことですか、女として襲われるということ。
それでもって私は赤首輪。確かリューサさん、その場合はその場合で構わないって言っていました。その意味、やっと理解しました。
で、今日は農場に行くという私を心配して、カリさんがついて来てくれたんですね。
「ナユさんが統制取っているとも言ってらっしゃいましたよね」
「うん。ナユは淫乱変態女。異種族のニンゲンと交わって喜んでいるクソ変態。でも外見は綺麗だから、ニンゲンの男も大喜び。農場には女がいないから、容易にセックスできなく、いつも男は欲求不満。それを解消させて、ニンゲンの男どもを完全に手懐けている」
な、なるほど…。それで統制を取る。だから、ナユさんにとってはセックスするのも仕事ってことなのですね。
い、いや、しかし…。なんと申して良いのでしょうかね……。
カリさんから、農場担当の鬼さんも紹介してもらいました。ナルーさん19歳と、オッミさん18歳。どっちも女性。リューサさんのところには男性鬼は一人もいないのです。
この二人、メイドちゃんと同じで、見た目は小学校高学年生って感じです。二人とも可愛らしい感じで頼りなさそう。それこそ、男たちに犯されちゃうんじゃないの?と心配です。
小声でその心配をカリさんに訊いてみますと…。
「大丈夫だろう。こいつら、こう見えて力持ちだ。ニンゲンの男くらいに負けない。まあ、気に入った奴はナイショで相手してやっているのかもしれないな。
それに、ナユに言いつけるっていえば、男どもはオトナシクなるしな」
な、なるほど…。いや、でもナイショで相手って、それ、どうなんですかね……。
18歳過ぎていたら、私たちの世界でも一応成人ですけどね。見た目と違って、なんてオトナな。
あ、もしかして、あの、発情期ってやつの時にですか……。
畑の方は…。ニンジンに、菜っ葉。トマトにキュウリにレタスといった見慣れたものの他にも様々な野菜があります。そういえば、米は?
担当のナルーさんとオッミさん「コメ?」と首を傾げます。
水を張った田んぼで育てる小さな粒で白い色のものと説明しても、首を傾げるばかり。この世界に米は存在しないようです。
麦はあるみたいですが、ほんの少ししか作っていないみたいです。だから、主食は芋なんですね。
あ、トウモロコシはありますね。大豆も畑に植わっています。味噌や豆腐があるんですもんね。
果樹園の方は…。あ、美味しそうなリンゴ。ブドウもあります。後は何の木だろう?実がなってないと分かりませんね。
だけど、これらを使っての美味しい料理って、何でしょう? ダメだ。何にも浮かびません。
そもそも私、料理出来なくはないですけど、それほど得意ってことでもないんですから……。
農場は労働者の男性ばかりかと思っていたら、たくさんの子供たちもいます。
あら、女の子も!
繁殖場(…この呼び方も、なんだかな~ですが)で生まれた子供は、一か月はお母さんのオッパイを飲んで育ちます。その後は農場の方で、お父さんたちに育てられるんだそうです。
尤も、人間たちには誰が誰の子か、よくわかりません。だから、みんな共同で育てるんですね。
子供は9歳までは無首輪なんですって。
女の子だと5歳になると牧場へ送られてしまいますが、男の子は農場の仕事を手伝ったり、自分より年少の子の世話をしたりします。
そして10歳で選別されます。
体の丈夫な子には黒首輪がつけられ、以後は屋外の農作業をします。
体の弱い子は白首輪をつけられます。以後は屋内作業(出荷品選別・梱包・赤子の世話)で、12歳になると、食肉処理となります。
強いモノしか生き残れない、弱肉強食の世界ですね。(ちょっと意味違うかな。人間たちが食べ合うのでなく、食べるのは鬼だから…)
さらに、です。黒首輪の中から特に見栄えも良くて丈夫な男が、繁殖に協力することになるということです。
赤首輪選抜に関しても、なぜか見栄えが重視されるのです。どういうことかカリさんに訊いてみますと、その方が高く売れるからということ。
なんで容姿が関係あるの?意味不明ですが、それ以上はカリさん言葉を濁して教えてくれません。
ただ、私は赤首輪。つまり、あの黒首輪の男性の中の誰かと、この後、セックスさせられて子供を産むことになるのですね。
そう思うと、ちょっと真剣に見てしまいます。だって、知らない男といきなりって、やっぱり嫌ですよ……。
「なんだ美玖。イイ男を探してるのか? でも、お前の希望は通らないと思うぞ」
「へえっ! べ、別に、探してなんかいません!」
もおおっ! カリさんってば!!
その後、前にちょっと聞いた、農場奥の乳牛の牧場も見せてもらいました。チーズやバターなんかの乳製品も、少量ですが作っているみたいです。
収穫物や加工した乳製品は、自家消費分を除いて出荷・販売します。
ただ、出荷に適さない形の悪い農産物なんかも当然かなりの量です。
そう言った物が労働者の食料となります。足りなければ、出荷を減らして食料に回す場合もあるそうです。
労働者を飢えさせるようなことは決してしません。そんなことしたら、ますます収量が減りますからね。
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