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再会・戦闘開始
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しおりを挟む「ライキ、フール、ノルさんもいる!! みんな、私はみんなに、会いたかったんだよ? みんなのことが、大好きなんだよ? それなのに、どうして、今まで、迎えに来て、くれなかったの? どうして、私を、あんなに暗くて、寂しいところに、置いていったの?」
リィノさんの言葉に、エミリィさんが、一歩前に出た。そんなエミリィさんに、リィノさんは、一瞬で距離を詰めて、拳を叩き込もうとする。エミリィさんは、片手で、その拳を受け止めた。どれ程の衝撃なのだろうか。周りに、砂埃が舞い上がる。
「みんな、私が殺すけれどね? まず、お姉ちゃんと、私の邪魔をするものは、なんであろうと、人族が排除してくれるんだって!!」
「リィノ、あんた、人族に……」
「私、人族を許してないよ? 大嫌いだよ? でも、それ以上に、私を置いていった、お姉ちゃんが許せない!! 私はあの時、お姉ちゃんを助けようとしただけなのに!! それなのに、お姉ちゃんも、みんなも、私を消そうとした!!」
リィノさんは、受け止められた、反対側で持っていた、刃物を、エミリィさんの胸に、一直線に、振り下ろす。
その刃物を,受け止めたのは、ライキさんの武器だった。ライキさんは、大きな剣を持っていた。その隙に、エミリィさんも、武器を持つ。リィノさんの持っている刃物と、形が少し似ている、短剣だ。
「ライキ、邪魔しないでよ」
リィノさんに答えず、ライキさんが、無言で、リィノさんの刃物を押し返す。リィノさんは、反射的に、後ろへ下がった。
「リィノ。私の愛する、たった一人の妹。誰よりも、愛している家族。あの時、私を助けようとして、あなたは、暴走した。あの戦いで、パパとママも、死んだ。私は、何もできず、今まで、生きてきた。今、私にできるのは、あなたを受け止めて、そして、終わらせること。私の石は、ルビー。石言葉は、愛の炎・活力・情熱。花は、濃いピンクのバラ。花言葉は、感謝。あなたが、みんなが、私を愛してくれた気持ち、そして、私が愛した、みんなのために、私は、あなたを殺す」
エミリィさんの言葉に、ルカが、一気に,緊張したのが、分かった。
「龍人族と、精霊族が、自分の石や花を、堂々と宣言するのは、大きな覚悟を、決めたときのみ。エミリィさんは、リィノさんを、殺す覚悟を、したのでしょう」
チィの説明に、僕は、黙って頷いた。辛いけれど、目を逸らしたくない。
「私の石は、アイオライト。石言葉は、目標に向かって前進・はじめての愛。花は、白いバラ。花言葉は、純潔・私はあなたにふさわしい。私が、はじめて深く愛した、お姉ちゃん。お姉ちゃんを殺して良いのは、私だけだよ? ……一緒にいてくれるよね?」
リィノさんは、にっこりと笑って、エミリィさんに、攻撃を繰り返す。
エミリィさんと、リィノさんは、何度も、何度もぶつかった。身体能力は、人族の、実験の影響で、リィノさんが、少し上だ。後ろをとられそうになったところを、ライキさんが、カバーする。
その時、後ろに控えていた、人族のロボットが動いた。ライキさんに向けて、攻撃をはじめたのだ。
「ライキ!!」
フールさんが、叫んだのと、ライキさんが、ロボットに、剣を振り下ろしたのは、同時だった。ロボットの機体が、破壊される。
「私と、お姉ちゃんの、邪魔をするからだよ?」
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