6 / 9
2.魔法学校入学編
第5話 待ちに待った入学式
しおりを挟む
趣ある校舎、広い校庭、何やら植物が植えてあるハウス。
「ここがプルスロット魔法学校か。広いなぁ……小学校の10倍以上の広さはありそう」
「すごいだろ? 敷地面積は東京ドーム三つ分で領内最大級の図書館もある。実技場も多く確保してある、まさに学ぶのに相応しい場所というわけだ」
東京ドーム三つ分ってどれくらいだろう。うーん、取り敢えずバカみたいに広いってことだけはわかった。
校門をくぐってすぐに大きなホールがあった。そこで入学式を執り行うらしい。
「誘導に従い、移動してください! おっと、新入生はこっちですよ。保護者様はこちらホール内の椅子でお待ちください」
誘導の先生に言われたように移動する。階段を昇るとそこは、机が並んだ部屋だった。小学校の教室の4倍ほどの広さだ。
先生は、全員揃ったことを確認した。
「本日はこちらでホームルームを行います。学生証に書かれている学籍番号順に座ってください。本来こちらは自習室として解放しているので、どんどん活用してくださいね」
自習室がこんなに広いなんて驚いた。これで思う存分魔法を学べる。
俺が自習室を見回して「椅子が上げ下げ出来るやつだ」とか「外にプールが見える。夏は涼しそう」だとか考えていると突然、後ろの席に座っていたやつが話しかけてきた。
「ねぇねぇ、ほーむるーむってなに?」
ホームルームか。俺も入学マニュアルに書いてあって、父さんに聞くまで知らなかったな。
「今日の予定を先生が話したり、健康観察をしたりする時間のことだよ」
「なるほど! じゃあ小学校の朝の会みたいなものか。サンキューッ!」
少年はいたずらっぽく笑い、手を握ってきた。そんなに感謝されるほどのことでもないんだけどなぁ。
ガタッ!
あれ? 教室の後ろの方で何かが動いていたような……。
「皆さん、入学おめでとうございます。入学式の説明をして、整列してホールに向かいます。いいですか?」
「「「「「はいっ!」」」」」
先生が入学式に関する説明をした。とは言っても一連の流れなんかを軽く聞いたくらいだ。
俺たちは自習室のうしろの少し空いたスペースに整列する。後ろに並んでいたやつが話しかけてきた。さっき俺にホームルームのことを聞いたやつだ。出席番号が俺の一つ後ろだったのだ。
「そう言えば名前言ってなかったよな。オレ、ハルト。キミは?」
ハルトっていうのか。悪いやつでは無さそうだが……。
「俺はエイト。よろしく」
ハルトは「ふーん」みたいな顔をして、すぐに別の話を始めた。
「オレ、隣町に住んでいるんだ。エイトはどこに住んでいるの?」
この学校のすぐ近くだと答える。するとハルトは。
「え! マジ!? めっちゃ近いじゃん。これからよろしくな、エイト」
ハルトは俺の肩を軽く叩く。
入学式直前に早速俺に友達ができた。自分でもちょっと驚きなスピードだ。
ホールに入場すると、目に飛び込んできたのは紙で作ったと思われる造花で彩られた『プルスロット魔法学校中等部入学式』の看板だった。そして保護者や先生が拍手してまさに入学式といった感じだ。ホールの端には何人かの在校生が座っていた。
全員が席に付いたところで、急にスピーカーから明るい音楽が流れ始めた。そして端の方の在校生と先生方は何やら歌を歌い始める。恐らく、校歌だ。
「♪太古の昔大賢者 彼に付き添う聖女様 彼の友の勇ましさ 創造神と黒龍と 友を気遣う召喚士、嗚呼 この地に開く志、青春謳歌す我ら!」
厨二チックな校歌に俺はワクワクした。ちなみに、俺が一番好きなのは「創造神と黒龍と」というフレーズだ。
勿論魔法学校の校歌だ、ただ歌うだけでは終わらない。歌詞と連動した魔法が在校生によって発動されるのだ。後から聞いたことだが、前で魔法を発動させていた在校生は『美術部』の生徒だそうだ。魔法で表現される世界に俺は興奮した。
「次はハーグ・エツルピッカ校長先生による祝辞です」
ハーグさんのお話だ。ハーグさんはステージに上がり、軽くなにかを唱えたかと思うと、まるでマイクでも使っているかのように話を始めた。
「皆さんおはようございます。私から話したいことは三つです。一つ、日常生活のマナーで世界一。二つ、上級生は優れたリーダーシップを発揮する。三つ、夢と理想を追い求め努力家になる。これは我らが誇り高きプルスロット魔法学校伝統の三項だ。素直、元気、勤勉。これこそ学びという行為で大切なのであって……」
ハーグさんの話は長かった。隣に座っていたハルトはウトウトしている。だが俺にとっては、とてもタメになることばかりで、特にこの学校の重要事項である『素直』『元気』『勤勉』についての話では感動した。いつの間にか俺の中で一番尊敬する人はハーグさんになっていた。
「次に三年生代表、ブロッサさんお願いします」
「はい!」
清楚で堂々とした少女がステージに上がった。髪が揺れるときに光が反射して一瞬桜の花のような美しい桃色に見えるブロンドヘアだ。俺はしばし目を奪われる。
隣をみると、さっきまで寝かけていたハルトが目を大きく見開いていた。こんなに綺麗な人が前にいるのだ。当然だろう。ハルトは小さく何か呟いていた。俺はハルトにちょっかいを出すことにした。
「え、なに? もしかして、あの人が綺麗だったから見とれてた?」
「そ、そんなんじゃないよ! 姉ちゃんなんだよ、オレの!」
ハルトは俺にだけ聞こえるくらいの声で顔を真っ赤にして叫んだ。
「ここがプルスロット魔法学校か。広いなぁ……小学校の10倍以上の広さはありそう」
「すごいだろ? 敷地面積は東京ドーム三つ分で領内最大級の図書館もある。実技場も多く確保してある、まさに学ぶのに相応しい場所というわけだ」
東京ドーム三つ分ってどれくらいだろう。うーん、取り敢えずバカみたいに広いってことだけはわかった。
校門をくぐってすぐに大きなホールがあった。そこで入学式を執り行うらしい。
「誘導に従い、移動してください! おっと、新入生はこっちですよ。保護者様はこちらホール内の椅子でお待ちください」
誘導の先生に言われたように移動する。階段を昇るとそこは、机が並んだ部屋だった。小学校の教室の4倍ほどの広さだ。
先生は、全員揃ったことを確認した。
「本日はこちらでホームルームを行います。学生証に書かれている学籍番号順に座ってください。本来こちらは自習室として解放しているので、どんどん活用してくださいね」
自習室がこんなに広いなんて驚いた。これで思う存分魔法を学べる。
俺が自習室を見回して「椅子が上げ下げ出来るやつだ」とか「外にプールが見える。夏は涼しそう」だとか考えていると突然、後ろの席に座っていたやつが話しかけてきた。
「ねぇねぇ、ほーむるーむってなに?」
ホームルームか。俺も入学マニュアルに書いてあって、父さんに聞くまで知らなかったな。
「今日の予定を先生が話したり、健康観察をしたりする時間のことだよ」
「なるほど! じゃあ小学校の朝の会みたいなものか。サンキューッ!」
少年はいたずらっぽく笑い、手を握ってきた。そんなに感謝されるほどのことでもないんだけどなぁ。
ガタッ!
あれ? 教室の後ろの方で何かが動いていたような……。
「皆さん、入学おめでとうございます。入学式の説明をして、整列してホールに向かいます。いいですか?」
「「「「「はいっ!」」」」」
先生が入学式に関する説明をした。とは言っても一連の流れなんかを軽く聞いたくらいだ。
俺たちは自習室のうしろの少し空いたスペースに整列する。後ろに並んでいたやつが話しかけてきた。さっき俺にホームルームのことを聞いたやつだ。出席番号が俺の一つ後ろだったのだ。
「そう言えば名前言ってなかったよな。オレ、ハルト。キミは?」
ハルトっていうのか。悪いやつでは無さそうだが……。
「俺はエイト。よろしく」
ハルトは「ふーん」みたいな顔をして、すぐに別の話を始めた。
「オレ、隣町に住んでいるんだ。エイトはどこに住んでいるの?」
この学校のすぐ近くだと答える。するとハルトは。
「え! マジ!? めっちゃ近いじゃん。これからよろしくな、エイト」
ハルトは俺の肩を軽く叩く。
入学式直前に早速俺に友達ができた。自分でもちょっと驚きなスピードだ。
ホールに入場すると、目に飛び込んできたのは紙で作ったと思われる造花で彩られた『プルスロット魔法学校中等部入学式』の看板だった。そして保護者や先生が拍手してまさに入学式といった感じだ。ホールの端には何人かの在校生が座っていた。
全員が席に付いたところで、急にスピーカーから明るい音楽が流れ始めた。そして端の方の在校生と先生方は何やら歌を歌い始める。恐らく、校歌だ。
「♪太古の昔大賢者 彼に付き添う聖女様 彼の友の勇ましさ 創造神と黒龍と 友を気遣う召喚士、嗚呼 この地に開く志、青春謳歌す我ら!」
厨二チックな校歌に俺はワクワクした。ちなみに、俺が一番好きなのは「創造神と黒龍と」というフレーズだ。
勿論魔法学校の校歌だ、ただ歌うだけでは終わらない。歌詞と連動した魔法が在校生によって発動されるのだ。後から聞いたことだが、前で魔法を発動させていた在校生は『美術部』の生徒だそうだ。魔法で表現される世界に俺は興奮した。
「次はハーグ・エツルピッカ校長先生による祝辞です」
ハーグさんのお話だ。ハーグさんはステージに上がり、軽くなにかを唱えたかと思うと、まるでマイクでも使っているかのように話を始めた。
「皆さんおはようございます。私から話したいことは三つです。一つ、日常生活のマナーで世界一。二つ、上級生は優れたリーダーシップを発揮する。三つ、夢と理想を追い求め努力家になる。これは我らが誇り高きプルスロット魔法学校伝統の三項だ。素直、元気、勤勉。これこそ学びという行為で大切なのであって……」
ハーグさんの話は長かった。隣に座っていたハルトはウトウトしている。だが俺にとっては、とてもタメになることばかりで、特にこの学校の重要事項である『素直』『元気』『勤勉』についての話では感動した。いつの間にか俺の中で一番尊敬する人はハーグさんになっていた。
「次に三年生代表、ブロッサさんお願いします」
「はい!」
清楚で堂々とした少女がステージに上がった。髪が揺れるときに光が反射して一瞬桜の花のような美しい桃色に見えるブロンドヘアだ。俺はしばし目を奪われる。
隣をみると、さっきまで寝かけていたハルトが目を大きく見開いていた。こんなに綺麗な人が前にいるのだ。当然だろう。ハルトは小さく何か呟いていた。俺はハルトにちょっかいを出すことにした。
「え、なに? もしかして、あの人が綺麗だったから見とれてた?」
「そ、そんなんじゃないよ! 姉ちゃんなんだよ、オレの!」
ハルトは俺にだけ聞こえるくらいの声で顔を真っ赤にして叫んだ。
0
あなたにおすすめの小説
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
魔力ゼロの俺だけが、呪いの装備を『代償なし』で使い放題 ~命を削る魔剣も、俺が持てば『ただのよく切れる剣』~
仙道
ファンタジー
現代日本で天才研究者だった相模登(さがみ のぼる)は、ある日突然、異世界へ転移した。 そこは『スキル』と『魔力』が全てを決める世界。
しかし登には、ステータス画面もなければ、魔力も、スキルも一切存在しなかった。
ただの一般人として迷宮に放り出された彼は、瀕死の女騎士と出会う。彼女の前には、使う者の命を瞬時に吸い尽くす『呪いの魔剣』が落ちていた。
武器はそれしかない。女騎士は絶望していたが、登は平然と魔剣を握りしめる。 「なぜ……生きていられるの?」 登には、剣が対価として要求する魔力は存在しない。故に、魔剣はデメリットなしの『ただのよく切れる剣』として機能した。
これは、世界で唯一「対価」を支払う必要がない登が、呪われた武具を次々と使いこなし、その副作用に苦しむ女騎士やエルフ、聖女を救い出し、無自覚に溺愛されていく物語。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる