11 / 44
足りなさその11、 ………な、何で、こうなった……
しおりを挟む「――…ぐっああっ♡♡♡ あっ、ダメだ頼人っ、頼人のちんこと俺のちんこが擦れてうあっ、気持ちくてもうっ…」
「…ぁう…♡♡」
「ああっ、うぁ、はっ…好きっ、好きだ頼人っ、好き、だからっ…うっ、くっあ、あっもうイクっ♡♡ あっあああイクぅぅっ♡♡♡」
「っ…んぁ、ふ、んんっ…♡♡♡」
びゅびゅっ、どっぴゅんびゅうぅぅ♡♡♡
「っ、は、はぁはぁ…♡♡ ………ま、た…やってしまった……っ、」
……結局、あの自責の念に駆られた日々を過ごした自分とは一体なんだったのか、俺はまたも同じ過ちをいとも簡単に、しかもこんなに早く気づけば起こしてしまっていたのであった。
「……っしかも、この量……」
どれだけ性欲強いんだ、俺は……と思わずツッコミたくなるくらいの大量の精液の散らばりように、急激に血の気が引いていく。
血の気は引いていってるのに、「っ、」以前と同じく、眠りながらも俺と一緒に射精してくれた頼人の精液もココに交じってるのかと思うとまた身体に熱が集まってくるのだから……本当、俺は正真正銘の変態なのだろうな。
「……はぁ、ほんと俺って…最低野郎、だな……」
何が『大丈夫っ!!』なんだか。
どこも大丈夫じゃないし、なんなら先日の一件の時よりもさらに悪化してる気さえしている……というか絶対悪化してる。
どこまでの意志の弱い、最低最悪な自分に顔をくしゃりと歪ませ。
「っ、ごめん……ごめんな、頼人…ごめん……」
「………」
俺はやっぱり全然目を覚まさず、何もなかったかのようにかわいくあどけない寝顔を見せ続けている目の前の大好きな相手に、頼人に何度も何度も謝罪の言葉を述べたのだった。
――そうして、翌日。
「………は、オレが、3本目じゃなくて2本目で…酔、う……?」
「っ、ああ……だからこれからは、酒は1本までで我慢してほしいんだっ!」
「……お酒、1本まで……えと、やまっち…」
「!! なっ、なんだ頼人っ…?」
「あの、こんな正座して…お互いに向かい合った形で『…よ、頼人にどうしても伝えたい大事な話があるんだっ…!!』って言ってきてオレに伝えたかったのって……」
「? ああ、さっきも言った通り、お前が酒に酔って寝てしまうのは3本目じゃなくて2本目からとの事実が昨夜発覚したから、今後酒を飲む際は1本目でやめておいたほうがいい……ということを伝えたかったんだけど…」
「………ふぅんそっか、オレ昨日…3本じゃなくて2本で酔って寝ちゃってたんだ……そっかそっか」
「…あの、頼人…?」
「……うん、わかったよやまっち。自分では3本も2本もよくわかってなかったけど……でも、傍で一緒に飲んでたやまっちがそう言うんだもん、結局のところオレは…『頼人は缶ビール3本ではなく、2本分飲んだら酔っぱらってそのまま朝まで寝てしまう』……ってのが、やまっちから見た真実なんだよね?」
「!! …あ、ああ確かにそうだった。それが、俺から見た真実……な、はずだ」
「! ……オッケー、じゃあオレ、次からはお酒1本でやめるように気を付ける……ね」
「あっああ…!! そうしてくれると俺も助かるっ!!!」
「……1本、かぁ……」
前回の時と同じく、早朝付近にベッドの上で目覚めた頼人に――また少し顔が赤く、どこかそわそわとしていたような気がしたが…――俺は正座をし向かい合うという改まった姿勢で声をかけ、頼人に今度からは酒を飲む際は1本でやめてほしいとの旨を強く伝えた。
何となく頼人から釈然としない空気も感じられたものの、やまっちがそう言うなら……と最後は了承してくれ。
もともとは自分の意志の弱さが招いた事態ではあるけども、これでもう、頼人が俺の前で酔って寝てしまうことはなくなったのだな……ほっと胸を撫で下ろした
のも、束の間。
「………な、何で、こうなった……」
「……んん、すぅ……」
――どうしてか、『次からはお酒1本でやめるように気を付ける』と俺に約束してくれたはずの頼人は、数日後の宅飲み会にてしっかりとお酒を2本全部飲み切り、またも俺の目の前で無防備に熟睡してしまっていたのである。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
92
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる