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始めましたその十五、『そういうモノ』だったのかもしれない。(終)
しおりを挟むいくら小学校からの幼なじみで、中高大とずっと一緒の社会人になってからも頻繁に会う親友同士だからといって、
日頃からどこか距離の近すぎる、まるでカレカノを思わせるかのようなやり取りをしょっちゅう行っていたのも、
相手が自分より別の人を褒めたからといってすぐにムスっと拗ねてしまうのも、元カノとはえろいキスできて自分とはできないのかよ…と勝手に勘違いしてイラついてしまうのも、
相手のいうことややることに対して、すごいなぁ仕方ないなぁといつも最後は結局丸ごと全部受け入れてしまっていたのも、
相手が自分の言葉や行動で一喜一憂するその姿に、笑顔を見てはきゅんきゅんきゅんっとときめいて、ズルい…と何度も顔をトマトみたいに真っ赤にしながら漏らしてしまうのも、
意識的か無意識か自分を煽るような仕草と言葉を送ってくる相手に、引くどころかどんどん興奮を高めていき夢中になっていってしまったのも、
今までの彼女たちがしていなかったことを自分が初めて相手にしたのだというその事実に、ものすごく喜んでしまったのも、
そんな姿含め、相手のすべてがなんだかもう最高に可愛くて「可愛い、可愛い」と口癖のように何十回と自然と口にしまっていたことも、
「可愛い」と同じ男から言われるのが、だんだん嬉しくてたまらなくなっていったのも、
セックスの行為ひとつひとつどれをとっても、今までの彼女とした行為とは比べ物にならないほど気持ちよさを感じてしまっていたのも、
受け入れる側は初めてだったというのに、自分でも未知の部分に相手が触れることに恐怖や怯えよりも幸せでどんどん満たされていったのも、
ありえないくらいずっと繋がり続けて、それでもまだ足りないと思うほど互いを欲してやまないのも、
そもそもが、それぞれの彼女が偶然同じ名前で、偶然同じ日に別の男と浮気してるを目撃し偶然同じ日に別れることになって、やけ酒をしてしまうほどに心に深い傷を負ったからといって、
目の前で同じ痛みで涙を流し共に慰め励まし合った『親友』である相手に対して、
『一番最初にその自分とセックスする相手として、なんでか…やととならできるかも…って、そう頭が思っちまったんだからしょうがないだろ……っ、』
『……ぅ、まぁ他の奴なら絶対お断りだけど…きょ、京眞とならいい…かも』
なんて、他の誰でもない『やととなら』と頬を赤く染めながらセックスに誘うのも、『京眞となら』と頬を赤くしながら誘いをすんなりと受け入れてしまうそのこと自体が、もう全部が全部おかしさの塊でしかなく。
結局のところ、やとと京眞『親友同士』であるはずの二人のお互いへの本当の気持ちというヤツは、もうずっと前から――もしかしたら最初の最初から『そういうモノ』だったのかもしれない。
けれども、
「……んぁ、は…きょう、京眞ぁ…♡♡」
「ん…ふは、えっろい顔…♡♡ っていうか大好き云々言ってたけど、やとなんか『京眞とのキスが一番好き、ずっとしてたくなるくらい大好きっ♡♡♡』ってめっちゃ直接俺に愛の告白してきじゃんなぁ、ははっ♡」
「っ!!? あっあっ愛って、ああれはそのなんていうかそういうんじゃなくてっ…!!」
「! ……何だよ、好きじゃねぇの…」
「っ、だからムスっとするのは……そ、そうだよ…オレは、京眞とのキスが一番…好き、だよ」
「~~っ♡♡ そっかそっか~やっぱりやとは俺とするキスがいっちばん大好きなのか~♡♡♡」
「うぐっ……そっそういう京眞はどうなんだよ!?」
「へ?」
「きょ、京眞はその…オレとの、き…き、キスっするのどのくらい好――」
ちゅっ♡
「……す、き…って、」
「…ばぁか♡ んなのお前がオレとのキス好きかもって言ってきて、俺がすぐさま唇ふやけるくらいまでお前ともっとキスしたいって伝えたあの時に、もうとっくに答えなんて出てただろうがよ♡♡ 俺だって、やととするキスが一番大好きだっつーの♡♡♡」
「――…っほんと、お前ズルい…京眞のあほんだら…♡」
「それはお互い様だっての、バカやと♡♡♡」
「へへ…そっか♡♡♡」
「おう♡ ……ところで、さ」
「ん、なんだよ京…んあっ!!?」
ぐちゅ、ずちゅり♡♡♡
「…そろそろ続きしたくて俺のマイジュニア、お前のナカでずっとドックンドックンうるさく叫びまくってるんですけど…そこんとこどうですかね、やとさん?」
「っ、そうだった……その、なんかもう、」
「もう?」
「なんかもう、京眞のがオレのココに…オレのナカにいるのが当たり前な感じに気づいたらなっちゃってて、オレすっかり忘れてたみたいだ…なんて、はは♡」
「なっ……うぁ、」
「ひぁっ……な、んでまた大きく…っ」
「いや、だからこんなんちんこ大きくなるに決まってんだろっ…また射精ちまうところだったつの、お前どんだけ俺を早漏にさせたいんだよもぉぉ…つーかアレ、お互い様とかさっきは言ったけど、やっぱやとの方が俺なんかより断然タチ悪ぃわほんと」
「なっ、なんだよそれぇ…」
「と、いうわけで。お前の煽りもあってまだまだ俺の熱はおさまりそうもないみたいなので、悪いけどもうちょっとばかし俺に付き合ってくれませんか♡」
「! ふは、ほんともうしょうがないなぁお前は……おう、じゃあもっともっと一緒に気持ちよく溶け合っちゃおっか♡♡♡」
「っ、だからマジで可愛すぎるにもほどがあるって、のっ♡♡♡」
「んっああぁぁっ…♡♡♡」
もう二人の交わす会話もやり取りも何もかもが、友人として…親友としての意味合いをとっくに超えちゃってる『オレは京眞が大好き♡』『俺はやとが大好き♡』という、どこからどう見ても愛の告白まさにそのもの――京眞に至っては、心の中でハッキリと『愛おしい』という気持ちを芽生えさせている――にもかかわわらず、
それこそ、それぞれこれまで普通に女性とお付き合いをし結婚まで考えた相手がいた過去があってからの巡り巡ってのこんな形で、互いへの知らずずっと隠しもっていたであろう本人たちにまったく自覚のなかったやとへの、京眞への強く激しい気持ちを今日これでもかとぶつけあったというのに、
それでもなお、
「…ふあぁっ♡♡♡ ……は、はぁ…ん、なぁ…そのオレのことが可愛いって言うのってさ、それって…」
「はぁは~…っ、んぁ?」
「京眞の、今までの彼女たちと比べたとして……オレへの可愛いって、なっ何番目ぐらいの位置にあったりするんだ…とか、聞いてみたり、して…」
「っ――…俺いま、確実に心臓止まりかけた…てか止まった」
「はっ!? うっ嘘だろおいっ…!?」
「…いや、嘘に決まってんだろ。そんぐらいヤバかったっていう比喩だよ比喩」
「ひ、ひゆ…?」
「も~ほんとおバカっ! っていうかなんだよソレっ、お前だって実はヤキモチ妬いてたんじゃん♡」
「やっ…妬いてねぇし…」
「はぁ、ったくマジで最高に可愛いっての♡ ってか言ったろ『可愛すぎ罪で今すぐ逮捕っ!!』って。こちとら逮捕したくなるぐらい可愛いって思ったの、何でか全然わかんねぇけどやとが初めてなんだからそこで察せよな。めちゃめちゃ一番に決まってんだろ、ばぁか♡♡」
「! ふっ、あははっそういえば言ってたな…つか、バカは余計だってのあほんだら♡ …オレも何でかは全然わかんないけど、やっぱりお前に可愛いって…京眞に一番可愛いって思ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいや♡♡ だから、このままずっとオレのこと捕まえててな、京眞♡♡♡」
「もちろんっ離してなんかやんねぇよ、やとっ♡♡♡」
「んむっ、ふぁ――…♡♡♡♡」
やっぱり二人が『そういうモノ』に気づくことは、なく。
そうして、壁にかけてある時計の針が十二の数字をちょうど指し示した頃。
日付が変わったことにさえも気づかずにお互いの存在だけをその瞳に映した『親友同士』のやとと京眞は、再び身体をきつく重ね抱きしめあいながらシーツの海へと深く沈んでいき。
――翌朝。
まるで本物の恋人同士みたいに隙間なくくっつくようにして裸の恰好のままに目覚めた二人が、外の眩しい太陽の光と、小鳥たちの爽やかなさえずりをすっかり酔いがなくなった状態で浴びながらも、互いの姿を…互いの状況を最初に目に入れて、果たして一体どのようなリアクションをとったのか、
始めてしまった親友同士のセックスの結末がどうなったのかは、
残念ながら、今のところこの二人以外誰も知らないことなのであった。
応援ありがとうございます!
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最後の終わり方が好きすぎる
くっついた後の二人の日常も気になる
月花銃さんこんにちは、コメントとっても嬉しいですっありがとうございます♡
わわっ終わり方好きなんて言ってもらえて感激です( ;∀;)♡
喜んでもらえてこちらこそ感謝でありますよ!
うふふ、このモダモダ親友の二人のその後がどうなったかも、
いつか時間がある時にかけたらいいですね~(*´艸`*)♪
もう最高すぎてごちそうさまです!!
幼なじみの2人がエロ可愛い〜♡
fluffyさんこんにちは、とっても素敵な感想どうもありがとうございました♪
わ~い、最高って言ってもらえてめっちゃ感激です(*´艸`*)♡
あともうちょっとだけ続くので、幼なじみな二人のエロ可愛さっぷりを最後までご堪能いただけたら幸いです♡