王様のいいなり!

まぁ

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「なんだ?優秀な脳を持つ俺に惚れたか?」
「違います!でも頭がいいのは認めますよ!」
 悔しいが事実だ。元々加奈の勤める会社の上階自体が天空人扱いされている会社だ。それにあれだけ流暢な発音の言葉が話せるのだ。さぞかし会社での扱いは手厚いだろう。だからと言って、明人に惚れたりはしない。決して!
「何だよ。俺に惚れとけば将来安泰だぞ」
「あのですねぇ……そもそも私、グイグイ来てはセクハラする男性って苦手なんですよね。やっぱ女の子だったら……」
「あぁ、優しいとか笑顔がいいとか、包容力があってとか……いわゆる白馬の王子様だろ?これだから処女は妄想が激しくてけねぇ。そんなやつは現実にはいねぇよ。いたら気持ち悪い」
 グサッと刺さったが、事実ではある。そして間違いなくこの逆のタイプの男がいい!
「お前みたいなじゃじゃ馬女に優しい男が近づくかよ。類は友を呼ぶって言うだろ?お前の場合、似たようなのが近づくさ」
「何うまい事言ってるんですか!」
 この男と暮らし始めてからというもの、どうもペースを乱されまくっているような気がした。顔だけはいいが、中身はてんで俺様だ。好きになど絶対にならない!
 だがそんな明人に頼み事をどうしてもしなくてはいけない状況が加奈にはやって来る。


 翌日、会社に行くと加奈は上司に呼び出しを食らった。
「えっ?この文章の訳ですか……?」
「そっ、次の仕事で使うからさ。本当なら川田に頼みたいとこだけど、これフランス語だし……」
 手渡された分厚い資料は全部フランス語で書かれたものだ。しかもフランス語の出来る社員が今は海の彼方へ出張中との事で、何故かそれが加奈に回って来た。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!私外来語って全然出来ませんよ!」
「それをどうにかするのが会社員だ。外注に頼むにしても時間かかるしな。お前の知り合いにいないのか?出来るやつ……」
 います。その人物がこれを見た瞬間に浮かびました。
 むしろ大事な書類じゃないのか?それを他に見せてもいいのか?という疑問があったが、どうやら外に漏れても大丈夫な資料らしい。だがそれをあの男に頼まなくてはいけないのか……そんな事を考えてると、上司は「まっ、出来そうなら頼む」とだけ言って書類を加奈に押し付けた。
「最悪だ!知り合いにって……そりゃいますけど!語学堪能な王様がっ!でもそれを頼むとなると。絶対何か行って来る!」
 まったくもって気が乗らない。むしろこれ以上罪を重ねるのは勘弁してほしい。とは言っても他に当てがないのも事実だ。腹を括り、加奈は帰宅してすぐに明人に打診してみた。
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