王様のいいなり!

まぁ

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 翌朝になり朝食に集まった面々の半数以上が二日酔いの為、げっそりとした表情をしている。加奈に至っては泣きはらしたのもあり目は腫れぼったい。それを見た詩織がオロオロしながらやって来た。
「霧島さん大丈夫ですか?」
「あっ、詩織ちゃん。おはよう……」
 何かを察したというより知っているという風な詩織は、心配そうな表情をこちらに見せる。それもそうだろう……聞き耳を立てれば隣の部屋の事が丸わかりなのだ。あれだけ大声で喧嘩していたら何があったかはバレバレだ。
「実は私、昨日ダーリンの部屋にいたんですよ。そしたら霧島さんと南条さんが言い争ってる声聞こえちゃって」
「あはは……それはなんか二人の邪魔しちゃったみたいだね。ごめんね」
「それはいいんですけど……何があったか話してくれませんか?」
「そうだね。でも後でいい?私も頭の整理とかしたいし」
「わかりました」
 幸いこの場に明人はいない。明人の会社の社員達はちらほらいたが、まだ寝ているのだろうと思い加奈はホッとした。そして川田の姿も見当たらなかった。きっと川田も二日酔いで寝ているのだろう。

 朝食を終わらせ、昼前になって詩織の部屋に向かった。ほとんどの社員は南の島を満喫する為、近くにあるショッピングモールへ行ったり、海に出て泳いだりしていたが、加奈にはそんな気もおこらなかった。
 詩織のいる部屋に行くと、加奈は何があったかを話した。
「……成程。つまり好きならちゃんと心を込めて言って欲しいんですね。その気持ちわかります」
「うん……なんか我ままかな?」
「いやいや、女の子なら誰でも優しくされて愛されたいもんですよ!」
「だよね。なんか、川田君の方が心もこもってるし……それに比べて明人はいつも愛の押し付けみたいで」
 両手にイイ男状態の非モテ女子には贅沢すぎる悩みだとも思ったが、詩織は一切否定しなかった。むしろ加奈の話を親身になって聞いてくれる。
「なら霧島さん。川田君と付き合ったらどうですか?」
「へっ?」
「この際、南条さんの事とか置いといて、川田君と付き合って甘えてみるとか」
「それっていいのかな?」
「相手は霧島さんをご所望なんですから、もし霧島さんが付き合ってって言ったら本望でしょ。それに霧島さんだって南条さんの事まだ好きとかそういう感じじゃないんですよね?」
「うん……」
 好きではない。それははっきりとしている。何かが足りないのだ。だからと言って川田と付き合っていいのかは正直悩んでしまうのだが……
「その状態だと霧島さんは川田君と付き合った方がいいですよ。川田君だったら程よく霧島さんを甘やかしてくれるでしょうし」
「そうだね。でも……」
 まだ迷う加奈に詩織は大きなため息を漏らす。
「霧島さん!はっきりしましょう!女は度胸です!ここは割り切りましょう!川田君と付き合うべきです!」
 押されるも加奈は詩織の言葉は御最もだと思った。川田と付き合ってみる。それも手かもしれない。そうして明人を忘れるのが一番だ……なんだか川田には悪い気もしたが、きっと自分には明人よりも川田の方が合う。だから好きになる。そう信じた。
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